日本三大松原・気比の松原

2012年8月17日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

京都出張があり、思い切って足を延ばして、
福井県敦賀市「気比の松原」に行きました。
『白砂青松を作った人達』(北斗出版)には、
「日本三大松原の中で最も白砂青松の条件を揃えている」
との記述があります。
この機会をおいて、いつその見事な姿を見れるかわからないと強く思いまして。
海水浴場とマツ林の一体感があると思いました。
近所の人がうらやましい。

ビーチパラソルは不要な感じです。
マツがありますから。
 
しかし無粋だ。
日曜日。世間は海水浴。私はカメラと手帳を片手に松林の視察。
勘違いされて警察に突き出されないようにしなければ。
林床は見事に整備され、アカマツを中心とする一本一本は力強く、
枝も低い位置から充実して生えています。
外洋に面さず敦賀湾の奥に位置し、防潮堤がなく、樹形は直立しているので、
波と風はあまり強くないと想像しました。
黒い砂でなく、まさに白砂。
しかし砂浜の砂の粒が大きく、飛砂の害は少ないと見えます。

案内所のおじさんによると、元々は、山のアカマツの種が川で運ばれ砂州と共に、
自然にできた松原なのだそうです。平安時代には既に記述があるとのことでした。
海岸林はクロマツ人工林が多いので新鮮でした。

見事な姿の他に、ここで一番感じたのは、森の目的です。
人間の生活を自然から守るだけでなく、「特別名勝」(文化庁指定)として、
古くから森を健全かつ美しい状態を受け継いできたのだと思いました。
ここは、潮害防備保安林のほかに風致保安林に指定された国有林です。
日本中に海岸林はありますが、それぞれ存在目的や成り立ちは違うのですね。
何にウエイトを置いて造成や管理方針が決められます。
風の強さや向き、周囲や当地の地形条件、生活との関わりによって
一つ一つが違うのだと改めて思いました。
内陸側の広葉樹との混交林も丁寧に管理されていました。
作業道にもなる散策路は縦横に走り、誰にでも親しみやすい海岸林です。

冠雪害は一つの悩みだと思いますが、
日本海の波と、雪の松原の美しさは壮観なのだそうです。

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