需給調整
2013年3月28日( カテゴリー: 現場レポート )
クロマツ種子も、当年・前年の夏の気候などによって、豊凶が生じます。
言われてみれば、そうかもしれないと思いますよね。
今年度、マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ種子は凶作でした。
2011年度は宮城県で7kg。しかし、2012年度は400g。
そこで登場するのが、昨年度以前に採れ冷蔵保存された種子。
長い冬を過ごしてきたわけです。
一説では、1年冷蔵保存すると15%発芽率が落ちると聞いたことがあります。
受け取った種は、気のせいかもしれませんが、昨年のものと比べて少し白い気がしました。
「オイスカの苗木は名取市にしか使えないのですか?」と
某市農林水産部の方から聞かれたことがあります。
林野庁からも、県からも、2011年に何度も確認されました。
造林計画への需給調整は行政や種苗組合が行い、
我々は組合の傘下で、他の組合員とともに需給全体に協力する立場です。
従って、宮城の海岸林復旧全体に使われます。
オイスカと「名取市海岸林再生の会」は、
名取市の海岸林全体に「相当」する50万本の苗木を生産するのが目標です。
「名取市以外には使わせない」という事などは考えたことはありません。
現に、先日の初の山出し800本は、先行して盛土工事が終わった宮城の別の市に植えられました。
また、宮城県でどうしても足らない場合は、林業種苗法の範囲で他県からも協力があると思います。
しかし、他県も「種で協力する」のでは育苗農家の生活が成り立ちませんので、
他県で育てた「苗」で協力するはです。
当地の気候に合うように、1年生苗で運ばれ、こちらで1年育てるのかもしれません。