津波第一波が3分で来るかもしれない町にて
2016年4月8日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )
高知県東洋町 津波予想シュミレーション(youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=VRJtPQYBfes
今回、四国電力の常務さん(徳島支店長)を通じ、徳島ロータリークラブから卓話の依頼。
気になっていた南海トラフ最前線を見る千載一遇のチャンス。
「とにかく高知県東洋町まではノンストップで行こう。目を慣らしてから復路でじっくり見よう」
徳島空港を降り立ち2時間。室戸岬に迫る県境の目的地まで、
徳島ラーメンを食べる時間も惜しみ、四国支部の池田次長とともに南下した。
県庁をはじめ県の中枢は海の近く。横には川。船がたくさん係留されている。
徳島市、小松島市、阿南市などは広範囲に浸水する。
でも、到着したばかりで目が慣れず、逼迫感はまだ感じなかった。
日常的に危機感を煽ってもいけないのでしょうから。
南へ行くにつれて、山が海に迫り、わずかな平地に人が密集して住む様子がわかってきた。
固い岩盤らしいですが木造家屋も倒壊するかもしれません。耐震化も緒に就いたばかりと見えた。
揺れの時間も長いかもしれない。でも収まったらすぐ逃げねばならない。
津波が来るのは早い。第一波はまだ低くて防潮堤で防げても、10分経つと町に侵入する。
勢いづけば、膝下の波でも圧力は100kg。
集落の近くの山裾では、とにかく無数の箇所で、徹底して伐採が行われている。
山に逃げる避難路を造るためと言うことは聞かずとも解かった。
東北でも避難路の有無によって生死を分けた場所がたくさんあっただろう。
その経路を示す看板が、至る所にある。私のような通りがかりの人もすぐ分かる。
これは最善の策の一つ。お年寄りでも登りやすい斜度の道を設けようとの努力も見た。
もし次来ることがあったら、もっと変わっているだろう。
山から離れた平地もある。こういう処は河口部。ここから侵入する波への対処は難しい。
大きな川でないので土手も低く、溢れやすいが仕方ない。何とか逃げるしかない。
河口部だから地盤も惰弱かもしれない。家屋の倒壊が避難を妨げるかもしれない。
「其の早き事矢を射るが如し」と碑文に刻まれている、
1854年の安政南海地震(午後4時頃)では、安芸郡全体で死者71名であったが、
1946年の昭和南海地震(午前4時19分)では死者17名。
一人も死者を出さない決意の、懸命な減災・防災対策が進んでいる。
強烈な危機感を感じた。