広報室の林です。
18日、とってもかわいいボランティアさんが来てくれました!
震災の一週間後に生まれたというT君。
今回の参加者の中の最年少。一年年下のクロマツとほぼ同じ背丈です。
ご両親が作業をしている間、退屈そうにしていたT君に「マツの根元に鳥のタマゴが隠れているから探しに行こう!」と誘うとぱっと元気な顔に。
「どこにあるかなぁ」「あっちに行ってみよう!」とずいぶん探し回ったのですが、バッタやカエルに出会えるもののタマゴはなかなか見つからず。
そのうち草刈りをしていた一団が「あ、タマゴ!」と大きな声を上げました。
行ってみると、なんと10個も!!
T君に触れてみるよう促すも、尻込みしながらキョロキョロ辺りを伺っています。どうやら親鳥が近くにいて、怒って攻撃してくるのではないかと心配していた様子。確かに親鳥からしたら人間が大事な我が子を持ち去るのではないかと心配になるでしょう。むやみに触ったりしてはいけないと小さな子どもに教えられました。
休憩時間、参加者の女性が皆さんに飴を配っていました。T君にも渡そうとしてくださったのですが「いらない」と。理由を尋ねると「知らない人からお菓子をもらっちゃダメ」とお母さんから言われているのだそう。「今日はみんな一緒にお仕事をしている仲間だから大丈夫だよ」というと「じゃあママに内緒」といって飴を受け取り、口に入れると「ひみつの味がする~!!」と満面の笑み。
こっそり食べた飴は、ひみつの味なんだ……うまいこと言うなぁと感心していると
「ね、はちみつの味でしょ」とにっこり。……ああ、ひみつじゃなくてはちみつだったのね(笑)
大きな飴玉をほおばりながら2歳年上の女の子Mちゃん(彼女も作業に飽きてしまい、途中から一緒にタマゴを探していました)と防風柵の日陰部分に座り“秘密基地”と呼んで涼んでいました。
トイレに行きたいと言い出したMちゃん。「トイレはないんだけど……」というと「私大丈夫だから」と。みんなから少し離れたところでしようか、と歩き出すとT君は「じゃあボク見張ってるから!」と頼もしい一言。私たちが戻ってくるまでほかの人が来ないようにじっと見張ってくれていました。
そのうち、ご両親が水筒を持ってT君に水分補給をさせようとこちらに向かってくるとすごい勢いで秘密基地(防風柵の内側)に逃げ込むT君。まだ口の中に飴があるのを見つかってはいけないと思ったようです。
お母さんに事情を話すと「飴なめてても怒らないから出ておいで~」とやさしく呼びかけてくれました。
防風柵は子どもの目線では秘密基地になるんだなぁと彼らの柔軟な発想に感心しました。
何よりタマゴを探したり、カニやカエル、バッタを追いかけたりと海岸林には楽しいことがたくさんあるんだということにあらためて気づかされました。
いつも現場に来てくださった皆さんに、「海岸林は何のためにあるんだ」とか「なぜクロマツじゃなければならないか」とかそんなことばかり伝えようと思ってしまう私たちですが、子どもたちにはシンプルに“海岸林は楽しいところ”と感じてもらうことが大切だなぁと。もちろん大人たちにとっても。
T君には大切なことをたくさん教えてもらい、少しだけ頭が柔らかくなりました。かわいい言動に心もほぐしてもらいました。T君、ありがとう! お父さん、お母さんまたボランティアの日にT君と一緒に参加してくださいね!!