さて、前回フィリピンの海岸林再生のあらましを述べましたが、
フィリピンの方々は今回の植樹祭に参加して何を学んだのでしょう。
少し感想を聞きましたので、そのことを記します。
まず、植樹祭の開会式・閉会式が、きちんと行われているのに驚いたようです。
向こうでも100人規模で集まって植林がおこなわれますが、あまり儀式めいたことはしてないようです。
そして開会式できちんと植栽の仕方を実際に示していることは素晴らしい、と言っておりました。
日本のような丁寧さは無いのかもしれません。
今回の植樹祭クロマツ植林で、吸水ポリマーをどう扱っているのかに興味があったようです。
こちらでは500倍溶液に植える直前に10本単位で縛ってあるコンテナ苗を漬けて植える(根漬け保水材)
のですが、フィリピンのプロジェクト担当者の頭ではそうではなくて、
苗がポットに入っている状態で上からポリマーの粒剤を撒きそこに水を注ぐというやり方(粒状保水材)
をイメージしていたようです。
今回しっかり根付保水材の手法を学んで帰りました。
ある調査データによれば、無処理の枯損率は75%、粒状保水材では70%、
根漬け保水材では20%という報告もあります。
断然私たちのプロジェクトが行っている方法で、枯損を最小限に防ぐことができるのです。
名取の海岸林再生プロジェクトで運営も学び、また技術的な面でも保水材の使い方、
丁寧な植え方など勉強になったと思います。
6月末に様子を見に現地プロジェクトサイトに行ってきます、日本での研修効果を期待して。