変わらないもの
2016年4月26日( カテゴリー: 現場レポート )
三たびブログに寄稿しちゃってゴメンナサイ。2度あることは3度あるTです。
今回は少し話が逸れるんですけどね(でも最後には海岸林のことにつなげるつもりで頑張ります!)、
私の実家は茨城県で、この研修を受けるために名取へ入る際、海沿いの国道6号線をヨタヨタと運転してきました。ご存知のように道中は福島第一原発が近く、今をもって制限区域が存在しています。
震災の数日後、海沿いにある実家に戻り物資の支援などをしていたので、当時の苦労を
少しばかり体験した身としては、例えそれが辛くとも現状というか、今の姿をしっかりと
見ておきたいという気持ちが抑えきれずのルート設定になったわけです。
予想していたとはいえ、現実は厳しいものですね。
3.11以降、時が止まったかのように空っぽになった街、至るところに積まれている除染袋…。
数年前まではそこに人々の生活が確かにあった。そう思うと、胸が張り裂けそうになります。
それでも人々は前を向いて進んで行かねばなりません。
ところで海岸林の現場の近くでも、津波の痕跡をうかがわせる光景が少しだけ残っています。
あるものを見るために通りかかった一画を見て、制限区域のことが思い返されました。
でもその先には、昔の人たちの海岸林への思いをうかがい知ることができる立派な石碑が、
津波に負けず残されているのです!
その碑が建立されたのは昭和34年。碑面にはズバリ「愛林」の文字!!
今は人目のつかない雑草だらけの場所にひっそりと佇んでいますが、
ゆくゆくは植栽地の方へ移設したいとの声も。
制限区域を通ってきて最も印象に残っているのは、実は一面に咲き乱れる菜の花畑の風景でした。
津波と復興に携わった人たちは、不本意にも街の姿を永遠に変えてしまいました。
でもきっと、変わらないものもある。
そういったものを守り伝えることこそ、復興に携わっている人たちの本意なのかもしれません。