海岸林として育苗する、植栽するという業務で最も難しい時期の
「春」について、この2年間感じたことをまとめます。
その厳しさを「襟裳岬の造林(NHKプロジェクトXでも放映)」
に例えて語ってくれた専門家もいました。

着ぶくれです(4月19日)

着ぶくれです(4月19日)


1「蔵王降ろしの凄まじさ」
寒風害そのもの。
蔵王降ろしとは、11月から5月第3週頃まで吹きすざぶ西風。
日本海を渡り、奥羽山脈を越え、風速を増し、刺すように寒い。
春先には瞬間風速30mを超えることも稀ではない。
その西風による、内陸からの飛砂の影響を思い知りました。
津波で周囲のすべてを失った荒野の真ん中、さえぎるものがない場所に 植栽された木を顕微鏡で見ると傷だらけという話も聞きました。
宮城南部は、地形的に山からの距離が離れており、 風の影響を受けやすいと感じます。
風が比較的静まる夜、工事の都合で一晩だけ育苗場防風ネットを 外したら、マツ苗が砂で埋没してしまいました。
名取沿岸部にだけ、内陸防風林が造成されたのが、よくわかります。
2「乾燥」
完全防寒体制(4月20日)

完全防寒体制(4月20日)


春先は降水量が特に少ない。寒風害に加えて、乾燥は海岸林造成の難敵。
床替移植したばかりの露地播き1年生クロマツを枯死させる元凶。
特に今年の3月は、0.5mmしか降水がなかった。
3「寒い!」
という人が多い。当然、東北より西から来られた方。
視察に来ても耐え切れなく、車に逃げ込んでしまう人も。
5月第3週ぐらいまでは防寒着が必要です。
宮城の内陸は気温21度、名取に戻ったら14度ということも度々。
また、気温の乱高下も激しさを感じた春でした。
来年以降は、この時期に皆さんが植栽するんですよぉー!
動いていれば寒くないのでご安心ください。
ただ、休憩のとき、避難する場所がない…… (どんまい)
床替移植翌日の第一育苗場に立つ新入スタッフ。 「着ぶくれではありません」(4月21日)

床替移植翌日の第一育苗場に立つ新入スタッフ。
「着ぶくれではありません」(4月21日)

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