名取市海岸林再生の会の「根おろし」作業
2016年10月21日( カテゴリー: 現場レポート )
10月17・18日、名取市海岸林再生の会は、2日で17人出勤し、2年生のクロマツ苗8万本の
空中断根段階の終わり、「根おろし」作業を行いました。
クロマツ育苗では、発根促進のため「根切り」という作業を行います。
苗の根っこを「切る」というのは、一般の人はまったくイメージが沸かないでしょう。
根っこを切ると、苗木は本能的に「頑張って生きないと死んでしまう」という本能で、
細根を伸ばそうとします。限られた土から精一杯、水分と養分を摂ろうとします。
空中断根とは、手で伐るのではなく、籠に乗せて根を空中にさらし、自然と断根させます。
十分な細根を形成させることを「根鉢をつくる」と言います。
秋を迎えると成長は止まり、水分を取ろうという生理は弱くなりますが、
生きていないわけではないので、籠を外して土におろし、わずかながらも水分や養分を
摂ろうとする作用を助け、日光を十分浴びるよう、少し間隔をあけて設置し、
根元径を太くするよう促します。
結構な重労働です。腰を痛めやすい。
24本ずつのコンテナを約3,300台動かしますから。
私が加わった場所は、ネズミの穴だらけ。殺鼠剤は蒔いてますが。
0.7haの同じように見える育苗場でも、その場所が前に何をやっていた場所か次第で、
随分違います。この列は、夜盗虫が多いとか、いろいろ。
トラクターで1列ずつ「うならせる」(耕運)と、ネズミがびっくりして飛び出してきます。
何匹も。再生の会の人でも女性はネズミが嫌い。大声出して逃げる人もいます。
反応は様々。籠でぶっ叩こうとする人、足で踏みつけようとする人(私はコレ)。
でもなかなか。小っちゃくて素早い。とてもとても。
19・20日は液肥の散布。その後は草取りと薬剤散布。生育調査。種苗組合・県への報告。
天気予報を睨みながら作業工程を組みます。
今年、再生の会はご苦労さん会が少なく、18日は半年ぶりにこじんまりと。
ゆっくりいろんな話ができました。イイ会でした。
私たちは、上方生長を極力抑え、根元径が太い、ずんぐりむっくりな苗を目指しています。
「今年は秋伸びではなく、夏伸びだ。これは初めてだ」と統括。
去年より夏までの上方生長は抑えたと思いますが、真夏に上に伸びた。
苗は同じに見えても、我々にとっては毎年違います。