「わたしがボランティアに参加した理由 ~きのこへの熱い思い~」住友化学㈱の社員さんより

2016年6月24日( カテゴリー: お助け隊員の声 )

先日のブログにもあったように6月9日-10日に
住友化学㈱&同労働組合の皆さんがボランティアに来てくださいました。
参加者の住友化学㈱のOさんから感想が届きましたのでご紹介します。(原文ママ)
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先日のボランティア活動では大変お世話になり、ありがとうございました。
遅くなりましたが、今回のボランティアの感想を前置きと共に送付させていただきます。前置きめっちゃ長いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
1.前置き
(私がボランティアに参加する理由)
私は大学生の時に森の中できのこに出会い、きのこの研究者を志して大学生活を送りました。
現在は昆虫の研究を仕事としているものの、きのこへの熱い思いは変わっておりません。
まず、きのことは、読んで字の如く、「木の子」です。つまり、木がある所にきのこあり。(木以外から生えるきのこもあります。念のため)
だから、きのこを見に行くのであれば、森に行くことが近道です。ということで私は世界の色々な森で
きのこを見たいなーと常々考えており、大学の時にはモンゴルや、メキシコや、タイなどの森に行っておりました。
会社から派遣されるタイ植林ボランティアに参加したのもその一環で、マングローブ林のきのこってどんなだろ?
と興味を持ったことが原因でした。
その時はボランティア活動などしたことは無く、ただただきのこが見たいという一心でボランティアに参加しました。
その結果、マングローブ林できのこは見つからなかった(やはり海水ではきのこは生えにくいらしい)のですが、
その代わりに思いもかけず現地の方々、スタッフの方々、同じ会社の他事業所の方々との一生大切にしたい繋がりが出来ました。
日本に帰ってからもその繋がりは更に大きくなりながら続いており、本当にかけがえのないものを手に入れることが出来ました。ボランティア仲間は皆親切、前向き、積極的で、私の尊敬する大好きな人たちです。
そしてその時から東北ボランティアにも是非とも参加したいと思っていたのですが、今回のボランティアは、
なんとクロマツ林!クロマツ林と言えばきのこ、いわゆる「菌根菌」の温床・・ああ、やっぱりきのこ見たい。
そして、新たな人との良き出会いもあるに違いない。
これは私が行かない訳にはいかないと思い応募しました。
(菌根菌とは?)
DSC05543
いきなり「菌根菌」という言葉を出してしまったので、解説したいと思います。
まず、菌根とは、植物の根と菌類の作る構造のことで、根の細胞周りに菌糸がまとわりつく、または根の細胞内部に菌糸が入り込むことで形成されます。
菌根菌からは植物単独では吸収できない土壌中の窒素やリンを菌糸を通して植物に渡し、植物からは光合成産物を菌根菌に渡し、お互いに利益を得ていると言われています。
このような生活の仕方を相利共生と言います。
太古の昔に植物が陸上に生息できるようになったのは
この菌根菌の力だと言われています。
なぜなら太古の昔の地上はとても痩せた土地で、普通なら植物が住めないような場所でしたが、
菌根菌がわずかな土壌中の養分を植物に渡したからです。
今回植林したクロマツも同じで、海岸のようなやせた土地でクロマツが元気に育つことが出来るのは
この菌根菌の力だと言われています。
草本、木本に関わらず世界の陸上植物の約8割は菌根菌と共生していると言われています。
また、多くの林で主な木であるブナ科(どんぐりを付ける木)、マツ科、熱帯雨林であればフタバガキ科等の木は
全て菌根菌と共生しています。つまり菌根菌が無ければ地上に森は存在しないと言っても過言ではありません!
マツ林から出ることで知られるマツタケ、ショウロ、アミタケなどのきのこも菌根菌です。
これらのきのこは食糧にもなることから、菌根菌の作る林は人々の生活と密接に結びついてきました。
ちなみにこれらのきのこは木と共生しないと生きていけない為、人工栽培は難しいです。
菌根菌ってすごいでしょ??
2.感想(漸く・・)
今回のボランティアの目的は、
・菌根菌を探す
・人々と繋がる
この二点を達成できたかと言えば・・・一点目に関して言うと、少々林が若すぎました。光合成産物を十分量
受け取ってから菌根菌はきのこを作るので、今回の林はまだ若すぎて、光合成量も少ないらしく、きのこは殆ど
見られませんでした。あと20-30年すればショウロが生え放題かも知れません。その意味でもボランティア継続
しないといけません!
二点目は、もちろん満足いたしました。皆さんシャイなのか最初は緊張気味で声も殆ど出てなかったのが、
夕食でビールが入ると急に仲良くなりました。やはりボランティア仲間は最高です。
ただ、今回残念だったのはビールを飲みすぎて日本酒を満喫できなかったこと・・・
次回は日本酒からスタートしなくては。
DSC_0020
3.終わりに
オイスカの皆様、お世話になり、また丁寧に解説いただき、本当にありがとうございました。
一番心に残ったのは吉田さんの「心を伝えることが大変。でも大事」という言葉です。
また絶対行きます!絶対!その時はどうぞよろしくお願いいたします。

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