海岸林再生の現場と海外研修生の思い その1

2013年11月26日( カテゴリー: 海外との連携・発信, 現場レポート )

海外事業部の藤井です。
11月19日~21日まで、四国研修センターの研修生4名と
引率指導員1名が海岸林再生プロジェクトでの体験研修を行いました。
今回の研修の目的は、海外からの研修生に名取市海岸林再生の会と
オイスカの取り組みを学んでもらう事で災害に対する知識を深める事と、
それに参加する農家の方々との交流でした。
今回、研修に参加した研修生は、インドネシア男性1名(農業指導)、
フィリピン女性2名(国際ボランティア、家政)、
パプアニューギニア女性1名(国際ボランティア)の計4名。
研修期間は2泊3日で、初日は四国から夜行バスを乗り継ぎ仙台入りするという強行軍でしたが、
期間を通して現地の方々との交流を通じて多くの学びが得られた事と思います。
私は、今回の研修のサポートという立場での出張でしたが、期間中に印象に残った事を書きたいと思います。

震災当時の写真を食い入るようにみる研修生達

震災当時の写真を食い入るようにみる研修生達


今回、仙台到着後に最初に現場視察をしたのは海岸林再生の会の鈴木英二会長のご自宅でした。現在、ここにはこの1軒のみが残っているだけで周りには住宅はありません。会長自ら津波に襲われた当時の写真を見せながら説明をして下さいましたが、そこには多くの住宅のある集落に襲いかかる津波の様子が写されていました。当時を思い出させる写真を食い入るように見る研修生達、そしてその写真を見ながら私も一緒に無言になっていました。そして、現在の復興の話になった際に会長から
「当時失われた人や物が戻る事はないけれど、その後は前を見て一生懸命に歩んできた。でも何よりも悲しいことは、この集落で助かった人達が二度と一緒の場所で住むことができないこと、
自分達のコミニティがバラバラになったことなんだよ」

という話がありました。
その夜に男性研修生と私がお世話になったホームステイ先の住宅も
名取市の危険区域に立っており、間もなく新たな場所へ引っ越しをされるとの事でした。
現在も被災者の方々の苦しみは続いています。
自分達の育ったふるさとを失った悲しみの一端を研修生達は理解し、
そしてその活動の意義を学べた事と思います。
 

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