66年ぶりの雪
河北新報社の記事に、「仙台市内で4月21日以降としては66年ぶりの雪」と掲載されました。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/04/20130422t15015.htm
先日お伝えした第1育苗場での1年生クロマツ7万本、床替移植完了の翌日です。
想えば昨年4月末は、育苗場のお披露目式に150人以上来ていただきましたが、
その日もひどく寒かった。小雪が舞いそうなぐらいでした。
昨年3月、わずか3列に播かれた種子が、翌年には0.5haに床替され、いよいよ、 来年のこの時期、この7万本は、5,000本/haに植栽されます。
つまり、14haと一気に広大な地に植えられるのです。
しかし、床替されたものすべてが育つ訳ではありません。 1割ぐらいは育苗場ですぐに枯れてしまうかもしれません。そういう危惧もあって、4月19日と20日には、とても丁寧に植え直しの手も入れました。
この雪がどういう影響があるかわかりませんが、「やるべきことはやった」という自信があります。
すこし、気が抜けてしまって、GW前半は熱が出てしまい、ずっと寝込んでしまいました。
先日クロマツの播種を行いましたが、その日は事務所に赤ちゃんのにおいが!
赤ちゃんのにおいというのは、ベビーパウダーのにおいのこと。
冷凍保存していた種子を一昼夜水に浸し、十分に水を切った後、
ベビーパウダーをまぶしていました。種子同士がくっつかないようにするためでしょうか。
地元の皆さんは「お、赤ちゃんのにおいがする!」「あ~孫が生まれた時のこと、思い出すなぁ」などと楽しげに話していました。
意外なところで登場したベビーパウダーは、作業用のゴム手袋の中にも入れられ、サラサラ状態を保つためにも使われていました。今回私は手袋なしで作業をしたため、手がごわごわになってしまいました。次回はゴム手袋にサラサラパウダーを入れ、快適に作業したいと思います。
つい先日まで、育苗場はこんな様子でした。
それが、今は育苗場前面に苗を広げたため(実際にはここだけでは足りず、
この後ろ側にも、さらに事務所横にも移植しました)
スペースは約10倍になりました。
・・・ということは、水やりも草取りも消毒もすべて作業は10倍になるということ!

見てください!
この水やりの長い列。
今まで3列だったのが30列にもなってしまったので
長いホースを隣の列に移動させるだけでも一苦労。
しかも新しく種子を播いたので、その分の作業も加わると
10倍どころではありません。どんどん膨れ上がっていく作業に対応できるよう、育苗に携わっている「名取市海岸林再生の会」も少しずつメンバーを増やしているところです。
先日の移植作業中、苗にとっての敵を発見しました。
苗の根元にいる虫が見えますか??
「根切り虫」だそうです。
コガネムシの幼虫だと地元の皆さんから説明を受けました。
かわいそうですが育苗のために駆除しました。
ごめんね、コガネムシ。
昨年、「ヨトウムシ」のことがブログでも紹介されました。
これからも育苗の障害となる、いろんな敵が出てきます。
夏の暑い時期は、雑草とも闘っていかなければなりません。
本格的な育苗のスタートは、いろいろな闘いの始まりでもあります。
昨日に引き続き、広報室の林です。
19、20日に種子まきと移植作業を行ったことはご報告の通りですが、
今日はその翌日、小さなクロマツたちに降りかかった災難のご報告です。
・・・・・・なんと雪が降ったのです!
越冬した苗たちですから、もちろん雪は移植前にも体験済み。
でも、当時は密植状態でした。今回は1本ずつがそれぞれ独立して
積雪に耐えなければなりません。雪の重みで傾いている苗もありました。
寒さと雪の重みが、まだ小さいクロマツの苗にどれほどのストレスを与えているのか
わかりません。苗たちが、けなげに耐えているように見えたのは、
4月下旬のこの雪が寒がりの私にとっての試練だったというだけで、
実は彼らにとっては「恵みの雨」なのかもしれませんが・・・・・・。
本部・広報室の林です。
先週末は育苗場で床替移植作業を体験してきました。
7万本もの移植作業、一ヵ月ぐらいかかるだろうと担当の吉田から聞いていましたが、
約一週間ですべて終了してしまいました。19、20日とたくさんのボランティアさんが
現場にお手伝いに来てくださったことも大きいのですが、移植の効率化が可能になったのは
この「苗植え機」の活躍があったからこそ!
田植え機のように機械でどんどん植えていくのです。
トラクターの後ろに椅子が3つ並んでいて、写真のように座ります。
この写真では右に運転席があり、進行方向は右。座る人たちは後ろ向きに座っています。そして、苗を一本ずつ機械にセットしていくのです。人の手によってセットされたらあとは機械がポン、ポン、ポンっと植えていってくれます。
私もこの椅子に座り、体験させてもらいましたが、苗をセットするのもなかなかコツがいります。浅植え、深植えにならないよう、ちょうどいい位置に苗をセットしなければなりません。また、トラクターの進む速度に合わせ苗をセットしなければなりません。間に合わず、欠株を出してしまったり、反対に慌てると2本セットしてしまったり・・・。
でも大丈夫。トラクターの後ろに手直し隊が歩いてついてきてくれ、機械で植え損ねたところに植えてくれたり、2本植えてしまったところや深さが悪いところを手直しをしてくれたり。
機械の力はすごいのですが、やはり人の力もなければなりません。
「人の力」は、この手直し隊だけではありません。今回はボランティアの皆さんに手植えでも移植作業を体験していただきました。穴を掘り、1本ずつ植えていきます。機械のように早くはありませんが、手直しの必要がないよう丁寧に植えられていきます。(時々列が曲がったりして「性格が出るね~」と笑われたり・・・)
機械のスピード、人の目で確認しながらの手直しや丁寧な手植え。どちらも大切です。そしてこれからはこの「人の力」がもっともっと必要になってきます。将来、海からの潮風から人々の生活を守ってくれる大事なクロマツを、地域の皆さんが愛情をこめて育てているこの苗木を大切に扱ってくださる方々の力を借りて、これからも育苗を行っていきます!
7万本の床替移植終了!!
4月19日、20日と現場は合計約100人のボランティアの参加を得て、
春の大仕事を一つ終えることができました。
昨年3月末に種子をまき、育ててきた苗を広いスペースに移す作業「床替(とこがえ)移植」です。
先日ご報告した根切り、掘り取りを終え、サイズごとに仕分けされた苗を植えていきます。
これまで小さな苗たちは狭いところにぎゅうぎゅう詰め状態で育ってきました。風が吹いても雪が降っても肩を寄せ合って耐えてきました。その苗たちはこれまでの10倍近い広々としたスペースで思いっきり根を伸ばし、枝も伸ばしていくわけですが、小さな苗が1本ずつ立っている姿はなんだかまだ頼りなさを感じました。
どんなふうに植えるかは、また改めて明日じっくりレポートいたします。
実は19日は播種を予定していたのですが、強風のため延期。現場の仕事は常に天候を見ながら臨機応変に対応していくことが求められます。幸い、翌20日の朝は比較的風が穏やかだったので普通クロマツ0.5㎏を播くことができました。抵抗性クロマツは5月の連休明け以降の播種となる予定です。
昨年から育てているクロマツの育苗に加え、今年はまた新しい苗の世話も始まります。
今回移植したことで、スペースが10倍になった分、草取りも水やりも今までの10倍大変になります。多くの方にお手伝いをお願いすることになると思います。どうぞ、クロマツの成長のため、今後も皆さんのお力を貸してください。
よろしくお願いします。
先週、ある財界の方々に現場を視察いただきました。
そのうちのお一人には、2月末の私たちの活動報告会の後、食事をご一緒し、
仏教の教えで、「思念が業(ごう)をつくる」という言葉を教わりました。
「思考は現実化する」という考え方と同じで、人生は強く思ったことが現象とし
て必ず現れる
という意味だということでした。
2か月ぶりに、今度は現場でお会いし、再び食事に招かれました。
その際に、私から「2011年4月に物資輸送ヘリコプターに乗せてもらい、
空から被害規模の大きさを自分の目で見たこことが、全てに繋がっている」
と申し上げたところ、今度も、貴重なアドバイスをいただきました。
3つの目を持つ必要がある。
一つ目は鳥の目。
二つ目は虫の目。
三つ目は魚の目。
鳥のように鳥瞰し、ダイナミックな思考を持つこと。
虫のようによく観察すること。
そして最後に、魚の目で潮目を見取ること。
この3つが大事なのだと。
ちなみに目と言えば、昔の上司には、一歩引いてモノを見る目を
厳しく躾けられた気がするのですが……
まだまだ。
あの日、鳥の目で見た風景・・・
国際協力ボランティアの木村です。
昨日に続き、今日も先日のプロジェクト訪問の報告です。
私は静岡県の出身で、東北に行くことは生まれて初めてでした。
さらに、東日本大震災発生時にはパプアニューギニアにいたため、地震のことについては、あまりその悲惨さを感じないで楽観的なところがありました。
しかし、実際の現場で驚いたことがいっぱいありました。
復興が急ピッチで進んでおり、家が新しくなっていて、育苗場の最寄り駅、美田園駅周辺は仙台のベッドタウンになりそうです。
その反面、津波で流されてしまった家の跡、更地を見ていると復興が進んでいるとはいえ、痛々しいところも伝わってきました。何も無い所にトラックやシャベルカーが集まり、作業する光景には愕然としてしまいました。
国際協力ボランティアの木村です。
先日、宮城県名取市で行われている海岸林再生プロジェクトの作業に行ってきました。昨年播種をして育ててきた苗、約9万2千本分の床替移植のための仕分け作業です。クロマツの成長はそれぞれ違うため、床替移植する前に大、中、小に仕分けを行います。苗を仕分け、肥料や水を与える量を変えて、全体的に同じぐらいのサイズに成長させるための重要な作業です。
仕分け後は床替移植の準備のために穴を堀り、根元が乾燥しないように土をかぶせました。一日の作業で約1万9600本の仕分けを終え、1万4200本の苗の根元に土をかぶせました。
4月でもまだ寒い中での作業は身にしみましたが、一部でありますが自分が行った作業が大きな効果を生むことを想像すると一生懸命作業できました。そして一緒に作業した海岸林再生の会の皆様からいろいろ教えていただき、勉強することができました。