広報担当の林です。
先日のボランティアの日のこと。
植栽現場から育苗場に帰る途中、貞山堀の両脇に車と人がずら~っと並んでいました。
なんだろう・・・と思っていたら、背後からプロペラ機が現れ、空港に向かい着陸態勢に。
夕日が沈もうとする金色の空、一面に広がるすすき野原、そこに飛んできた飛行機を撮影しようと
大勢の人が集まってきていたのです。こちらも車でなければ足を止め、撮影したいほどの
それはそれは美しい情景でした。かつては住宅やビニールハウスがあったであろう場所は、
今は視界を遮るものが何もないすすき野原になり、絶好の飛行機撮影スポットになったのだと思います。
まだ植栽が始まる前、震災の年から私たちが現場に行くたびに足を運んでいた誘導灯周辺もすすきがたくさん。
初めて現場に足を運んだ時、ここはクロマツがなぎ倒された状態だったことをよく覚えています。
長くその状態だったのは、放置されていたのではなく、飛砂を防ぐためだと聞きました。

ここにあったクロマツが片づけられ、盛り土が出現した時は驚きました。
今はもう見慣れてしまい、かつての写真を見ると「ああ、こんな時もあったなぁ」と、そう思うようになりました。
少しずつ、少しずつ小さな変化や大きな変化が蓄積されて、長い時間かけてここに海岸林が再生されていくのです。
清藤(緑化技術担当参事)です。
先日担当の吉田より、苗が黄色くなっているのはなぜですかとの質問に、窒素不足でしょうと答えました。
そのことがブログにも書かれていましたが、今回現地でその原因を追及してみました。
写真をごらんください。
手前が正常の緑色をした植栽苗、後ろが黄緑に変色した苗が見受けられます。
また枯死した苗もみられました。
微地形を見ますと正常な植栽木のところは土地が上がっており、
黄色く変色している植栽木の微地形は平らというより凹地形を示していました。
そこで土を掘ってみましたら、昨日の雨が湧き出てくるのです。
そうなるとどうも植栽地の滞水が根の発達を妨げ、根腐れ状態を引き起こしているのではないか、
それが原因で栄養がいきわたらず窒素飢餓をおこし黄色く変色してきたとみるのが正解かと思われました。
今年植栽した15haを見て回りましたら、ずいぶん黄緑に変色した植栽木も目立ちます。
調査した場所と同じような状況下にあるのか、
今回調べる余裕はありませんでしたので、その辺を次回には確かめたいと思っています。
清藤(緑化技術担当参事)です。
10月23日、前日の雨模様の肌寒い天気とは打って変わって最高の秋晴れの天気に恵まれました。
コンテナ苗秋植え5000本の苗を植えてほしいとの県の依頼に応え、
23日~24日の両日で植えることになりました。
(吉田のブログもご覧ください)
初日は、県職員の技術研修を兼ねての植栽でした。
県職員30名、市職員、森林組合、種苗組合、再生の会、オイスカ約50名が第一育苗場に
9時半に集まり、主催者県の総括技術補佐の開会、森林整備課長の挨拶でスタートです。
オイスカが現場に誘導し、コンテナ苗の技術説明を県林業技術総合センターから、
続いて我がプロジェクトの佐々木統括から苗木の植え方について説明、見本を示し参加者それぞれが植栽に入りました。
今回の研修会に参加した県職員は、自発的に応募した方々だそうで、6人の女性が目立ちました。皆さん元気のよい、やる気満々の姿勢に将来の社会を予測させ られました。かつて東京農大の地域森林総合学科で教えていた時には、授業を受けていた女性の割合は1/3以上だったのを思い出します。女性も森林関係の仕 事といえども男と肩を並べて仕事し、上席で旗を振る時代が当たり前になるでしょう。
この日植栽は午前中で打ち切りましたが、全部で1300本植えました。一人あたりにすると40本でした。
海岸林後背地の農地にて ~被災農家の今~
大阪マラソン出張前日の10月24日、朝8時過ぎ、名取市海岸林再生の会メンバーの小山田夫妻の小松菜圃場へ。ここは波打ち際から2km。震災から1年以内にハウス栽培が部分再開されました。目的は、チャリティーランナーや関係者へのプレゼント福袋の中身発注のため。クール宅急便で50把配達を頼みました。
そして植栽現場に向かう途中、波打ち際から数百mの海岸林後背地の農地では、連日の石拾いに従事する、30人ほどの農家の皆さんが。若い人も数名。みんな、トングで拾って、バケツに入れていきます。いつもは遠くからクラクションで挨拶するのですが、ちょうど休憩時間のよう。至近距離だし、車を止めました。
再生の会メンバーのMさんや、K・Sさん、K.Mさん、他の地元の方と雑談開始。
これらの方は震災直後から避難所・仮設で話し合いを重ねた相手。
K・Sさんは、2012年3月の初播種のあと、皆を涙させる「祝い唄」をうたった方。
吉田 :「いつまでたっても石が出てくるっすね~」
K・Sさん:「(トラクターで)耕運すっとな~。フルイかけてるんだけどな」
吉田 :「3年半、がれき拾って、草刈って、石拾って。年何往復も~」
Mさん :「12月には農地引き渡しなんだ。いろいろがんばって人を留めないといけないんだ~」
●さん :「来年だな~(本格的に農業が再開されるのは)」
吉田 :「しかしよく頑張りますね~」
◎さん :「ガオってるのが午前中だけだ~」
吉田 :「また宮城弁おぼえました」
○さん :「午後はしおれてる・・・」
Sさん :「吉田君、“ちょんつるげ”って知ってるか~?」
吉田 :「まったく」
Sさん :「(いま)オラが首に巻いている手ぬぐい」
吉田 :「・・・」
K・Sさん:「植樹祭で植えたとこは何本枯れたんだ?」
吉田 :「枯れたのを探すのが大変です」
Sさん :「今年、植樹祭行けなかったんだ~。次も5月かあ?」
吉田 :「下増田小学校や増田中学校の運動会とぶつからないように、このまえ市に調整を頼みました」
K・Sさん:「オラたづも、ちょくちょくクロマツ見に行ってんだぞお~」
Sさん :「あんまりみんなで見に行って、盛土の角が崩れそうだ~」
k・Sさん:「第二(育苗場)は草取りやってっか~?」
吉田 :「この前はキレイでした。ところで、k・Sさん、春から第一に(育苗場のクロマツ育苗・出荷など) 毎日来るそうですね~」
K・Sさん:「んだ!」 ←強力な戦力です。
ハウスも200棟近く設置されるそうです。人手不足に加え、風が強い時期ですから、
設置作業は苦労も多いでしょう。「菜の花」の種を大々的に蒔く計画もあるようです。
地元の方とは、4年かけて復旧した大農地で会うことが多くなるでしょう。
雑談ののち、遅ればせながら、植栽現場の「クロマツ補植1,500本」部隊に合流しました。
この記事ぜひご一読を ~大阪マラソンを終えて~
読売新聞大阪版の記事を、ぜひご一読ください。
記事はコチラ
記事で紹介されている藤沢さんのページもご覧ください→→→コチラ
東京や宮城では「大阪マラソン」に馴染みがないのは、無理もありません。3万人が走る、とても大きな市民マラソンでした。住友化学労組の皆さんと、懸命に募金し、声をからして応援も楽しみました。
マラソン前夜の居酒屋探しでは「100人の予約が入っているからゴメンなさい」と断られ、海底トンネルの向こうまで行って探したため、2万歩近く歩きました。おかがで、あらゆるものが安くて美味しい下町の店に行き当たりました。探している間、「ビールが切れた」という店もあったなあ~オイスカと付き合う人はタイヘンです。
これまで復興支援を、西に伝える難しさを感じていました。13の寄付先団体からこのプロジェクトを選択してくださった見ず知らずの方、裏方を支えてくださった方々と、濃い時間を過ごしました。
大阪でもタフで心強い支援者の輪が広がった、一歩階段を登った手ごたえを感じて帰京しました。強く思い続けていれば、叶うものですね。
来年も寄付先団体に内定したようです。重要行事と位置づけ、ランナーを1年かけて募集し、さらにパワーアップして大阪に参ります。
この仕事、一度やると決めた以上、必ず成功させてみせる。大阪に来て、私自身が強く励まされた気がします。寄附金締切はあと1ヵ月ですが、最終的に仕事として十分な成果となるでしょう。
チャレンジ一覧は→コチラ
みなさま、本当にありがとうございました。
*マラソンとは別に、30日読売夕刊全国版で、プロジェクトが紹介されます!
応援ありがとうございました!!
10月26日、大阪マラソンが無事終了。
「海岸林再生プロジェクト」のために20名を超えるランナーが大阪のまちを駆け抜けました。
オイスカスタッフ2名もエントリーし、大勢の皆さまから応援していただき当日を迎えることができました。
中部日本研修センターの山田は、Tシャツにスタッフやご支援くださった会員さんの名前を書き、
みんなのパワーをもらいながら力走。たいへんな道のりだったはずなのに、
応援にはいつも笑顔を向け、沿道の声援にもハイタッチで応じていました。
42.195キロにチャレンジしてくださったチャリティランナーの皆さん、本当におつかれさまでした。彼らのチャレンジにご寄附くださった皆さん、どうもありがとうございました。
今回、オイスカとしては初めての大阪マラソン参加だったのですが、無事終えることができたのには、ある支援者さんの存在があります。
ランナーの募集に始まり、24、25日に行われたエキスポでのパネル展示や募金活動、マラソン当日の沿道での応援等、大阪マラソンにかかわるすべての業務にご協力くださった住友化学労働組合の皆さまです。
当日は、大阪の町に不慣れなオイスカスタッフを案内し、地下鉄で移動をして沿道で一緒に声援を送ってくださいました。ランナーにとっても大きな力となったはずです。
本当にどうもありがとうございました!!
当日の様子など、また明日以降も報告していきます。
緑化技術参事の清藤です。
今回5千本の苗を植えてほしい(補植含む)と県から依頼された苗はコンテナ苗です。
コンテナ苗については、ブログ読者の皆さはますでによくご存じでしょう。
欧米では10年以上も前から主流になった苗木生産技術で、日本ではここ4,5年前から省力化林業低コスト林業を推進するため導入され林野庁が力を入れているものです。
植栽時の我々の他との違いは、写真の作業のように苗をポリマー(保水剤)に液肥を混ぜてそれに漬けて植える方法をとっていることです。つまりポリマーで根の乾燥を防ぎ液肥で養分のない土壌の補肥をねらってのことです。ほとんど生長は止まる時期ですが、若干の根の生育はみられると思います。とにかく秋植えは春植えに比べて、寒さと強風にさらされる時期を過ごさなければなりません。根付くことを願うものです。
植栽する苗を見ましたら根の周りに菌糸(菌根菌)が付着・発達している苗も良く見られました(写真左の苗)。
この外生菌根菌が植栽地で働いてくれれば、植栽木に必要な養分を作り出し、それを根に受け渡してくれるのです。
詳しいメカニズムは必ずしも十分に分かっているとはいえませんが、菌と根とは共生関係にあり、菌糸の伸びる方向に影響を与える物資が根から分泌されているのではないかといわれております。
マツ属の樹種と菌根菌は良い関係にあることがいわれていますので、期待しましょう。
頑張れ秋植えコンテナ苗!
10月23日 宮城県主催 森林土木技術(海岸防災林) 基礎研修
今年度植栽現場15ha・75,000本に加えて、県から0.7haの追加植栽3,500本と、
研修のご依頼をいただきました。
今後、東松島や石巻、宮城県北部の海岸林造成が始まろうとする中、
私どもの現場で県主催の研修を行い、宮城県全体の海岸林再生に技術面で
少しでも貢献出来ることは、僕らにとっては本当に光栄なことです。
また、「コンテナ苗の秋植え」を、治山工事として一定量を行った東北の
事例として、貴重なサンプルにもなると思います
総勢50人
宮城県庁・各振興事務所から30人
名取市農林水産課3人
宮城中央森林組合7人
宮城県山林種苗農業協同組合1人
名取市海岸林再生の会4人
オイスカ5人
8:00 森林組合集合。種苗組合(4件の育苗農家)から購入した苗木が届く
9:30 名取事務所集合。研修開始
気仙沼振興事務所5名は4時起きだったそうです。
女性が多い!若い人が多い!大半、自分で手を挙げて来たそうです。
9:50 再生の会会長と、県森林整備課長さんの「号令」のあと、植栽現場へ移動
10:00 宮城県林業技術総合センター 今野上席研究員から講義
2011年5月26日、抵抗性クロマツの種子を採取する母樹林を視察するため
初めてセンターを訪問した時からお世話になっています。2011年11月28日に
「宮城県山林種苗生産事業者登録講習会」が晴れて開催され、再生の会・
オイスカ代表10名で受講した際の講師の一人でもありました。
免状をいただいた時の喜びを思い出します。
【講義のポイント】
・コンテナ苗の特徴
培養土が付いており、肥料分を保持できる。
裸苗(露地蒔き)に比べて活着が良く、植栽適期が長い。
根の変形がない。
育苗が簡易になる。(床替なし、根切りなし、除草減る)
植栽の簡素化・効率化
・抵抗性クロマツをコンテナ苗で植栽する理由
種子・苗木の生産量が36万本と全国的に少なく、種子を有効利用できる。
(当プロジェクトで2年生2万本・1年生2.9万本)
クロマツは発芽率が高く、1粒播種で無駄なくコンテナを使える。
コンテナ苗は植栽時期が長い。
初期生長が早く、1年未満の早いサイクルで20cm以上の苗を生産できる。
10:30 オイスカ名取事務所 佐々木統括より実技講習
【指導のポイント】
・植栽方法「浅植えもダメ、深植えもダメ!」 *詳細はまた後日。
・「植栽とは、とにかく植えるまでの苗木管理。苗木袋から出したまま、
裸でそこらさ、置いておかないこと!」
私を含む今日植え付けした全員に、大変な失礼であることを承知で、
70,000本を1か月ぶっ通しで植え切った宮城中央森林組合の主力メンバーとの
スピードの違いをザックリ数値化します。
今日の研修参加者 3分/本(作業時間2時間)
一番植えた人で 2分半/本( 〃 )
森林組合 1分半/本(作業時間6時間)
13:15 名取事務所で手早く昼食、苗畑見学のあと
種苗組合長、オイスカ佐々木統括・清藤参事、県技術センターより講義。
再生の会の大友副会長ら4人は、「ど~れ、あと100本植えるか!」と、
森林組合とともに植栽続行。

14:30 研修終了。県の方たちは、さらに次の場所を視察。
この中の方と、いつか一緒に仕事することもあるでしょうし、
ボランティアの日に来てくださることもあるような気がしました。
再会できることを楽しみにしています!!
11月初旬に住友化学㈱からご寄贈頂いた肥料で、「施肥」もします。
生育結果はブログでもお伝えします。
明日は「補植」
全長1.5kmを歩いて枯れた木を探し回るので、プロも1日150本が限界と予想。
ボランティアの日 トイレ編
昨日に続き広報室の林です。
今日はボランティアの日のトイレ事情について。
これは休憩時間にできたトイレ待ちの長蛇の列。
仮設トイレが2基のみの事務所です。70名を超えるボランティアさんが来るとこのような状況になってしまいます。
設置から汲み取りまですべて支援してくださっている前田建設工業から参加されたボランティアさんは、「この様子を会社に写真で報告して、もっとトイレを増やしてもらおう!」などと話しながら順番を待っていました。普段はこれで十分なのですが、ボランティアの日だけこのような状況になり、皆さんにご不便をおかけしております。
プロジェクト担当の吉田は「男性は極力外で済ませてくださいね~」などと声を掛けていますが、皆さん「さすがにちょっと・・・・・・」と列に加わっています。
育苗場での作業は、待ち時間は長いもののこのトイレが使えますから問題ありませんが、ここから少し離れた植栽現場での作業の際はまったくトイレがありませんから我慢あるのみ・・・・・・ではなく、事務局車両で、最寄りトイレまでご案内します。
一番近いのは、この育苗場ではなく仙台空港。
今回のボランティアの際は、女性3名を空港にご案内しました。
作業着に長靴といういでたちは、空港にはふさわしくありません。
車を降りた途端、長靴についていた泥がボロボロと落ちてしまい「わぁ~牛が歩いたみたい!!!」と
みんなで大爆笑。建物の中に泥を落とさないよう気をつけて入ったものの、
空港ビル内も牛が闊歩したような状態になってしまったそうで、皆さん申し訳なさそうに帰ってきました。
空港のトイレを借りるときは、事務所のサンダルを車に積んでおいて
履き替えていただこうかなぁと思いました。(空港のビルの皆さん、すみませんでした・・・)
ボランティアの日 お弁当編
広報室の林です。
昨日のブログでプロジェクト担当の吉田がボランティアの日の一日の流れを紹介していました。
私は番外編でお昼ご飯の一コマをご紹介。
お天気がよく、外で食べていたのは仙台トヨペットさん。
いつもつなぎを来た男性社員さん(車両整備のお仕事かと思い、尋ねると「いえ、これは借り物で、自分は営業です」と言われてしまうことも・・・・・・)と若い女性社員さんが4~5名来てくださいます。
毎回継続してくださっているのはありがたいこと。
いつもありがとうございます!!
もう一組、青空の下で食べていたのはUAゼンセンの一団。
カメラを向けると「おいしそうな顔しなくちゃ」と笑顔を作ってくださいました。ゼンセンの事務局では、「せっかく被災地でのボランティアをするのだから、極力地元で買い物をしよう」と地元のお弁当屋に注文をしています。
そのお弁当がこれ。
仙台・宮城観光PRキャラクターの“むすび丸”を模したおにぎり(ちょっと潰れちゃいましたが)、
それから宮城のおいしいものがたくさん詰まったお弁当なのです。
前日仙台入りした女性が「昨日、これ買おうと思ったら売切れてて、がっかりしたんだけど、
今日ここで食べられてラッキー」と喜んでいました。人気のお弁当のようです。
自家用車で来る地元のボランティアさんの中には
「近くのラーメン屋に行ってきます」と車で出て行かれる方も。
私は女性参加者の皆さんの中に入れていただき、おしゃべりしながらのお昼ごはん。
楽しいひと時です。
明日はトイレ編です!