11月上旬のいきもの
吉田です。宮城は一気に冬です。宮城・大阪・香川・宮城の出張の旅烏が続いています。11月10日(金)は森林総研・名古屋大学院・秋田県林業研修センターの皆さんの1週間の調査最終日への合流と、宮城県立高等学校理科研究会「生物部会」県南支部12名の教員の皆さんの視察対応でした。
11月上旬の実踏巡視で撮った写真を紹介します。昨日はコインランドリーで洗濯する前、作業着に付いた「バカ」を取るのに1時間弱かかりました。気持ちは真空になって、取り終わった後、達成感がありました。


















11月4日 ボランティアレポート(簡単Ver.)
本部・啓発普及部の林です。
インターンの和泉君が11月4日のボランティアの報告をレポートしてくれるので
一日の流れなどの詳細はそちらにゆずり、私目線の簡単な報告を……。
今回は大槻さんの畑でサツマイモの収穫体験をさせてもらい、大量の仙台金時をゲット!
毎回思うのですが、砂地なので掘るのも簡単で、掘ったイモもきれい。
我々のほかに大槻さんのお仲間の方たちも大勢収穫体験に来られていました。


この日の作業はモニタリング。
4~5人が一組になって3つのプロットに入って生育調査を行いました。
私が入ったところは「バカ地帯」。
先日もブログで紹介しましたが、秋はバカが繁茂してたいへんなのです。
しかし、下の写真、見てください!
私だけ働いていなかったかのごとく一粒もバカがついていません。
森さんのバカびっしりズボンをなすりつけられても大丈夫!
コーデュロイ最強をあらためて実感しました。



吉田がブログで「重機の作業道がクズのじゅうたんになっている」と報告していましたが、
まさにその通りの光景が広がっていました!!
モニタリング調査地の中もかなりクズが伸びていて太い根は除草剤をかける処理もしてきました。


モニタリングを終え、事務所に戻ると、大槻さんが収穫したイモを届けてくれていました。
みんなでお持ち帰り用のイモを袋詰め。
私は試食用に少しだけふかしたものの残りを東京に持ち帰り、サラダにしていただきました!



今回は初参加の方、久しぶりの参加の方を中心に感想をお話しいただきました。
(写真のない方、ごめんなさい……)
ご支援くださっている企業で紹介があったと参加くださったMさんは、プロジェクトのことを
あまり理解しないまま参加したため、実は植林をするのだと思っていたと話し、
吉田からは「2,000人に一人ぐらいそういう方いるんですよ」とのコメントが。
また、今回が2回目の参加だというYさんは、福島に前泊した折、先輩と会って
ボランティアの話をしたところ、その先輩も所属する会社が派遣するボランティアで
「海岸林再生プロジェクト」で活動したことがあるということが分かり、話が盛り上がったのだそう。
自分が活動しているということを周囲に伝えていくことは大事なことだと話してくださいました。
そして、東北大学出身で学生時代によくボランティアに参加してくれていた菅野君は、
現在農林水産省に勤務しており、今回は職場の後輩を連れてきてくれました。
学生時代からよく友達や後輩を連れてきてくれた菅野君。今回も仲間の輪を広げてくれました!
そのほかにも、「モニタリングを通して木の成長が感じられてうれししかった」
といったコメントも聞かれました。

ご参加くださった皆さん、どうもありがとうございました!!
11月18日(土)公募ボランティアの日、超リピーターの皆さまへ「予告」
吉田です。2週間ぶりの宮城。来年度事業計画会議と公募ボランティア受け入れが主な仕事ですが、出張の谷間の11月3日の祝日は、来年度の計画に沿って丸一日実踏しました。来年の「葛刈り」に向けて、ちょっとした、ごく当たり前の工夫をすることになり。
今年の葛刈りは、まったく本数調整伐をしていない場所だったため、マツの中を突き進むのが難しく、必要な場所では「枝払い」をしながらという、鋸と鎌の二刀流でした。その分スピードは落ちたと思います。来年は2014年植栽地南側と2015・2017年植栽地が主戦場になります。いずれも1伐2残の伐採後の場所ですから、南北には道があります。それでも葛繁茂地帯だけ「選んで」、①10mほどの間隔で、東西に動く通路を作ろうと思います。②通行の妨げの静砂垣も切り落としたり。③防風垣も取り壊したり。ただ、対象面積は30haぐらいあるので、必要最低限だけ「大雑把に」。まずは、11月第3週の公募日にリピーター中心にやってもらおうかと。ボランティアの主戦場はプロとの調整で来年決めますが、ボランティアが努力すれば、プロかボランティアのどちらかがスピードが上がります。
一日20,000歩歩いても把握できません。でも、あと1・2回歩いたら。今日はその日の仕事的な写真をお見せします。その他の写真はまた後日。











加えて、モニタリング調査地33ヵ所・1,850本の対象木の目印ナンバリングも付け替えます(樹皮が厚くなったので、ホッチキス使います。下の写真のように)。伐採によって対象木の本数が減ったので、各プロットの本数を増やす必要もあります(検討中)。さらに、2018年植栽地に5・6ヵ所×100本の調査地を冬の間に新設する予定です。どれもこれも、かなり大仕事です。


鳥見ing(2023/10/31)
ボランティアの三浦です。冬鳥の渡り鳥の渡来の様子をうかがいに海岸林を歩いてきました。結果は冬鳥常連のツグミ、カシラダカ、ベニマシコが来ていました。他には留鳥ですが冬に山から里に下りてくるスズメより一回り小さい、日本最小のキクイタダキやカラ類のヒガラを初確認できました。
今回のベストショットは、ピンボケのキクイタダキです。この鳥は小さいうえにすばしこく、さらに松の木の枝中を移動します。なのでベストピントの写真はなかなか撮れません。いつかは実体を見れるようにしたいと思います。
その代わりに、撮影場所は日本海側の黒松林ですが、黒松つながりでヒガラの採餌の写真を載せますどのように松の実を採餌するのか見て下さい。ちなみに、種の実を取り出し食べる時は安定した枝へ移動していました。
今後本格的な寒さが近づくとフクロウ類やワシ・タカ類の大型の冬鳥が見れるようになります。その出会いを心待ちにしています。




虫の話題など(2023/10/31)
ボランティアの三浦隆です。鳥を見に海岸林にて今回目についたのが、満開のセイタカアワダチソウの黄色です。さらにその花に集まる昆虫類です。花の蜜を求めて数種の蝶や蜂が集まっていました。一部写真で紹介します。
蝶ではヒメアカタテハ、キタテハ、ベニシジミが撮れましたが、他にモンシロチョウ、モンキチョウ、セセリチョウなどがいました。ハチドリを思わせる日中活動する蛾、ホウシャクも長~い口を器用に使って蜜を吸っていました。





蜂類ではコガタスズメバチがいました。このスズメバチも蜜を食べるようで盛んに食していました。ちなみに、この花がどれほどおいしいのかかじってみました。結果は興味がある方は現地でかじってみて実感してください。とても・・・です。
海岸林の作業道付近の一年は、春のタンポポの黄色で始まり、秋のセイタカアワダチソウの黄色で締めくくっているように感じました。

本部・啓発普及部の林です。
10月22日~27日、オイスカの会員さんたちと共に、
「ウズベキスタンスタディーツアー」で、沙漠緑化プロジェクトの植林を体験してきました!

北海道、宮城、富山、静岡、愛知、四国の各支部から会員さんたちが参加。総勢30名の
メンバーの中には、我らがスーパーボランティア大槻さんの姿もありました!
今回のツアーは成田と中部(セントレア)から韓国の仁川で集合し、そこからタシケントに
向かうことになっており、私は成田から、大槻さんはセントレアからの参加となりました。


80代が8人もいるグループでしたが、皆さんさすが、お若い!
中でも大槻さんの身のこなしは皆さん知っての通り。いつも先頭を歩いていました。

ウズベキスタンの仙台四郎的存在!?

ナヴォイ劇場前の噴水で

そして、何にでも関心を持って、説明は常に一番前で聞く!



こちらの現場はウズベキスタンの中にあるカラカルパクスタン自治共和国。
かつて世界第4位の大きさを誇っていたアラル海が干上がり、沙漠になってしまった現場には、
海(といっても実際は湖。ウズベキスタンは世界に2つしかない二重内陸国のひとつです)に残された
船を集めて展示する「船の墓場」があります。ここにある博物館で現地の帽子を買った大槻さんは
自分の帽子をガイドのイスカンダルさんにかぶせ、タシケントまでずっとこのスタイル。

大槻さんを知るスタッフはみんな
口をそろえて「やんちゃ」と。

そして、今回の目的の沙漠での植林。カラカルパクスタン農業大学の学生と
日本人ボランティアとで3人1組になって植えていきます。大槻さんのパートナーは
宮城から一緒に行った、「名取市海岸林再生の会」の鈴木英二会長。
学生が穴をあけ、鈴木会長が苗木を穴に入れ、大槻さんが植えていく。
時に学生を「早く!」とあおりながら(笑)ほかのチームよりどんどん先に進んでいきます。
プロジェクトのボランティアでの様子と全く同じ!!!


ちなみに、今回植えた苗はサクサウールという沙漠でも育つ木です。
クロマツ同様乾燥には強いものの、保水効果を期待し、根にポリマーを付けて植えました。
大槻さんが若いのは、尽きない好奇心なのだと思います。
バスは一番前に座り、いろんなことを見てガイドさんの話に耳を傾けます。
長時間の移動に疲れて寝てしまう人が続出する中、大槻さんは一睡もしませんでした。

日本からの支援の意味です!!

見覚えのあるステッカーが!!

現地のプロジェクト責任者である冨樫さんは、大槻さんをサツマイモの専門家として
現地に招聘したいと以前から切望しています。今回の訪問はそのための下見。
(だと、私は勝手に考えていますが、そういうことでいいですよね、大槻さん!!)。
沙漠化したアラル海の周辺の土地も右上の写真のように荒廃しており、農業などできる環境
ではありません。こうした土地で食糧が生産できるようになれば世界の食糧問題の解決の一助になると冨樫は考えていて、その一つとしてサツマイモに注目しているのです。
「海岸林再生プロジェクト」で植えたのは100ha=5㎞×200m。
これでも十分広いのですが、ウズベキスタンで取り組む緑化面積として
オイスカが目標に掲げているのはは40,000ha! 400倍!!!
でも実際には緑化が必要なのは560万haというとてつもない面積で、
オイスカは政府が取り組むこの緑化にさまざまな形で貢献する予定です。



ボランティアに参加される皆さん、ぜひ大槻さんにウズベキスタンの感想など聞いてみてください!
私は、大槻さんがあのカラカルパクスタンの帽子をかぶってきてくれることを期待しています。
大槻さん、スタディーツアーご参加ありがとうございました!! これからもよろしくお願いします。
10/13 UAゼンセン20名 当日レポート
SOMPO環境財団インターン生(宮城大学4年)の和泉です。
卒業研究のヤマであるヒアリング調査、進捗を教授陣に報告する中間発表会が無事終わり、約1か月ぶりに現場に足を運びました。本日はUAゼンセンの皆さんとのボランティアです!
午前中はサイクルスポーツセンターのコート近くで葛刈り作業。想定以上の葛の多さに予定を変更し、時間の限り葛刈りに取り組みました!葛刈り中には、我々リピーターでも滅多に見られない特大サイズの葛との格闘も。腕ほどの太さを持つ年輪付きの葛や、ある参加者からスターウォーズの巨大兵器になぞらえて「デス・スター」と名付けられた大物も!完全に刈り取れない葛に関しては農薬を使って対処しました。






このエリアは発泡スチロールなどのゴミがよく飛んでくるのですが、作業中に自主的に拾ってくださる方もいらっしゃいました。ありがとうございます!
午後は北釜付近で生長モニタリング調査の計測を行いました。まだ小さいマツなので胸高直径ではなく根元径をノギスで測ります。大きいマツの計測は明日の公募ボランティアで!


最後は再生の会の石碑付近まで北上し、葛の残党刈りへ。午前中とは異なり、枝をかき分けて地面に這いつくばる現場に少し戸惑うような姿も見られましたが、吉田さんの「もう諦めて腹括りましょう!」という激励(?)を合図に一斉に作業へ取り掛かりました!こちらの現場でも大きめの葛が見つかります。中でも手強かった葛は林さんがノコギリで対処。組織の垣根を越えて協力し合いながら、終了ギリギリまで一生懸命格闘しました!


UAゼンセンは今年度最後のボランティア派遣でした。私もインターン生として一緒に活動する機会が何度もあり、その度に良い刺激を受けることができました。来年春に社会人デビューを控える身ですが、先輩として親身に相談に乗ってくださる方ばかりで、社会に対する漠然とした不安が徐々に前向きになりつつあります。また、今回は全国10社以上からの参加がありましたが、組織の垣根を越えた対等なコミュニケーションが生まれることもUAゼンセンならではの面白さでした。昼休憩時はさながらミニ合同説明会です(笑) 本日はお疲れ様でした!また来年度、今度は同じ社会人としてお会いしましょう!



印象に残りました。





本部啓発普及部の林です。
秋になり、ボランティアの皆さんが困るのは、そう、“アレ”です!
通称:バカ。ひっつき虫。本名はアレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)。

今回はビッシリつくだろうと思い、以前リピーターのMさんが発見した
「コーディロイにはつかない!」を自分でも試してみようと
いつもの作業着ではなくコーディロイのパンツで現場に向かいました
そして実験。
本来ならこんなふうに当たればビッシリついてしまうのですが、
まったくつきません!!
1粒ぐらいついてもパンと払えばOK。
やっぱり、コーディロイ最強!!!

そして今回あらたに分かったこと。
それは、ついてしまったバカは不織布でこすると取れるということ。
今回は手元にあったマスクで!

今回は、「コーディロイ最強!」が確認できた上に、
ついてしまったものは不織布で取れることも分かりました。
そしてもう一つ驚いたのは、皆さん案外敵の姿を知らないということ。
気がついたときにはバカだらけになっているので、
アレチヌスビトハギが生えているところを目にしていないというのです。
午後の作業地の入り口にたくさん生えていたので、私は警戒していたのですが、
皆さん気づかず突入し、作業前にはすでについていたようです……。
まずは目視で彼らを避ける(避けられないところにあることも)。
コーディロイなどバカが付きにくい素材で防御。
そしてついてしまったら不織布で取る。
お試しください。
本部・啓発普及部の林です。
今回話題にするのは、フィリピンのマニラ事務所で
事務局長を務めるマベさん。

私が静岡県内の高校に通っていた時、彼女は私の自宅から自転車で
10分程度の場所にあったオイスカ開発教育専門学校で
研修生として勉強していました。その当時からお世話になっているお姉さんです。
今回そのマベお姉さんが息子君たち3人を連れて名取に来てくれました。
とっても仲良しの3兄弟。

20歳から27歳の男子たち。
そして、そのママはたくましい! と感心しました。
この日の作業は例によってクズ刈り。
チクチクするマツの葉を避け、盛り土の法面ばかりを作業していた息子3人でしたが、
ママが率先してマツ林の中に切り込み、ベテランボランティアさんと作業をしていると、
彼らも突入し、「最初はちょっと大変だったけど、だんだん楽しくなってきた」と。

生物学を学ぶ大学2年生の三男は「日頃、机上での学びばかりだけど、
今日はフィールドで実際に作業を体験できて貴重な経験になった」と話してくれました。
30年前日本で研修し、それ以来日本語も学び続け、日本人との付き合いを深めてきたママは、
「息子たちが日本の皆さんと一緒に作業できて本当によかった。
手を抜かずに頑張る日本人の姿を間近で息子たちに見せることができたのが一番の収穫」と
終始笑顔でした。一方で、私もたくさんの刺激を受けました。
フィリピンの天然環境資源省に勤務している長男君は、
林業に関する知識や経験も豊富で、質問も鋭い視点で切り込んできます。
「マツの苗の根に菌根菌がついているとの説明だったけど、どうやって菌を苗木につけているの?」
「盛り土をしていない植栽地もあったけど、あれはどうして?」
「フィリピンでは官民の連携もだし、NGOと民間セクターの連携も難しいけど、オイスカはどうやってこんなにたくさんのステークホルダーと協力することができたの?」
「堤防は海側と内陸側と作りに違いがあるけどどういう理由があるの?」



そして、それを見守るお母さん
特に彼はモニタリング調査に関心を持っていたようです。本数調整伐採の調査地では、
①全く伐採しない
②1伐3残(1列切って3列残す=25%伐採)
③1伐2残(1列切って2列残す=33%伐採)
④1伐1残(1列切って1列残す=50%伐採)
の4対象地で樹高、胸高直径を計測。
こうして比較調査をしたデータを活用する取り組みをオイスカの現場で
行っていることに関心を示していました。「これって論文書けるレベルだよね」と。
100年以上先の森の完成形をイメージしながら今なすべきことをするという
森づくりの基本的な考え方を理解している人だからこそ、
一つひとつの作業の意味を考えながら活動をしてくれていたように思います。
何か得ることがあり、フィリピンに持ち帰ってくれたらうれしいです。
彼らと片言の日本語、英語でコミュニケーションをとりながら
一緒に活動をしてくれたボランティアの皆さんにも感謝!
マベお姉さんと息子君たち、そしてボランティアの皆さん、どうもありがとうございました。

吉田です。10月も半ばですが、今年はまだ暑いので、プロもボランティアもあと一息頑張ろうかということで、10月13・14日(金・土)は、あわせて52名のボランティアが頑張ってくださりました。詳しくは和泉君や林課長が報告してくれます。
UAゼンセンの方たちが、今まで10年で一番太い葛の根を見つけて処理してくれました。「年輪付き」の根は初めてです。いままで見落としていたのかな?・・・私も時々通る場所だし、去年も今年もプロもボランティアも仕事した場所なんだけど・・・。
もちろん100haを完全に制覇することはできませんでしたが、今年の葛刈りはこれで終了です。来月は本数調整伐の季節が始まります。






【番外編】キノコ
再生の会の皆さんたちは、いまも変わらず苗畑業務を続けています。それに加えて今年は、大量発生した毛虫「マツカレハ」の駆除や、クロマツ林内の作業の支障になる防風柵を解体しています。その作業の合間に、いいものを見つけていました。「場所はナイショ!」と。キノコの場所は「親にも教えない」ということで。





