名取北高校1年生28人の皆さんへ ~10月27日(火)「探究活動」フェスティバル「欠席」の代わりに~
吉田です。忘れない様にはじめに言いますが、明日28日(水)5時台のNHK「おはよう日本」で、皆さんの姿が全国放送になります。録画して見てくださいね。
今日は半年以上前に決まっていた出張で、この時間帯は香川県の高松駅に着いたぐらい。発表を聴きに行けず、ごめんなさい。各7班の「まとめ」拝見し、本当に嬉しく思いました。まず、感想やコメントを書かせていただきます。今後は各自で課題を決めて、探究を開始すると思いますが、引き続き、海岸林の何かを探求し続けてくれる場合の、「ヒント」に触れながら・・・

●「マツ材線虫対策」班
この班の皆さんは、自分で海岸林HPから申し込みして、ボランティアにも来てくれたね。それは本当に嬉しかった。コロナ前のように、北高の生徒さんがたくさん来てくれることをいつも願っています。マツ材線虫病に注目してくれたのは予想外でした。先行樹種として松を選ぶしかない場所ですから、このプロジェクトにとって「宿命の闘い」です。目下、「激増」「温暖化の影響も増加要因」と言われており、山形、秋田、福島、宮崎などは激害の状況。少なくともオイスカがここで管理を続ける限り、徹底的に戦います。「見回り」とありましたが、極めて基本的な仕事です。11月に入ると今年の戦いの成果がはっきりするので、調査をし、更なる対策をします。ちなみに、今年はアカゲラは見てませんが、アカゲラが本当に天敵と呼べるのか?という点は、センチュウとカミキリとアカゲラの立場になって、追及してみるといいと思います。この病気は先人も、現在も、世界中でも研究され続けていて、壊滅は困難だとしても、極限まで減らすことは可能と思っています。当たり前のことをきちんとするかどうかです。
●「この林と共に生きる」
嬉しい記述がありました。「海岸林を作るにあたって、たくさんの人々の協力がある」というコメントです。大切な視点と思います。それはいまも、これからも続きます。「海岸林をもっと知ってもらう」というとき、森林自体に注目するのも大事だけど、全国のボランティアのこと、プロの奮闘は本当に知られていません。去年から、ボランティアへのインタビューを始めました。(まだ4人しかインタビューしてません。)これをHPに記録として残すことはとても大事と思っています。聞き取り作業は公募ボランティア日に作業中の現場で。ぜひ北高生に手伝ってほしいことの一つです。ものすごく勉強になると思います。
●いきものや市民に愛される海岸林を作るには?
まず身近なところで「アンケート」を取ったというのは、オリジナリティーがあっていいですね。ちなみに、名取市民の認知率などを定量化したことはありません。絶句、驚愕の結果が出ると思いますが、数字で判ってみたいことの一つです。何気に、細かいイラストもいいですね。生き物の「調査」ってすると、簡単なことではないです。ですが、「現場百遍」をやっていると、本当に意外なことによく出会います。10月上旬、クロマツ林の中で、またウミガメの頭蓋骨をみつけました。これからはフクロウや猛禽類に出会いやすい季節です。この仕事で一番面白いのは、人間を含めた生き物です。海岸林担当冥利に尽きます。
●海岸林を絵本に
ico.さんの発想をもとに、北高の皆さんをはじめ、いろいろな方が絵本制作に加わってくれて、運が良かったなと思います。肝心なのは完成のあと、これをどう使うか。私たちオイスカ職員は、現場の作業運営で精いっぱいというのが正直なところです。現場に来てくれた人に絵本の読み聞かせをすることもあるかもしれません。でも、現場に来れない人にいかに知ってもらうかが、これからの重要なことです。北高の中に「読み聞かせボランティア」グループが出来て、市内の各機関と協働して、1年に1回でも2回でもいいので、自主企画で「読み聞かせ会」をしてもらえたら、本当にありがたいです。ちなみに、「住宅や車、道路などのインフラを傷めたり腐食させたりすることがある」と、塩害(潮害)について書かれていましたが、1960年ごろを最後に、農業被害を含むこれらの害は正式に調査されたことはありません。調査方法はいたって原始的で簡単ですが、実行は案外難しいのです。いつもそこにいる人ならいいのですが。
●もし海岸林がなかったら
現場で聞いたことをしっかり反映し、HPで最新の状況をよく追跡して書いていますね。ボランティア、是非参加してみてください。卒業するまでに北高生には1度でもいいから、作業に加わってほしいです。11/7(土)、まだHPで公募を開始してないけど、2/20(土)終日、3/7(土)終日にも、葛刈りをします。「読書百遍」という言葉がありますが、僕自身は「現場からモノを考える」「現場百遍」「現場第一主義」と心掛けて、本当に毎日そう思って仕事してます。
●愛着が海岸林を救う
熱意の塊のような発表ですね。ポスターは、イラストを駆使していて、見せるという意味でもオリジナリティーがありますね。「棒を添えて人工的な高さと、葉の密度の補強」という皆さんのイメージは、考えたこともなかったし、もしも本当に実行するなら、具体的にどんな方法が考えられるのか、すこしでも設計シュミレーションしてはいかがでしょう。たぶん、自然の力の厳しさ、人工的にコントロールすることの難しさを感じるでしょう。高校生らしく素直な視点だと、ある意味感心しました。実行するなど考えたこともないこの質問を聞いたとき、反応できなくて、オジサンらしく「コストがどれだけかかるか」という観点で答えたと思います(笑)
●なぜクロマツにこだわるのか?
ほかの種類との比較の視点、キノコへの注目、いいですね。なぜクロマツ?と考える時、私はよく「消去法」と例えます。これから「生物」で「植物遷移」という言葉を習うはずです。私たちがプロジェクトを設計した2011年に、100年単位でどう移り変わると考えたか、潮風のことを念頭に考えてみてほしいですね。また、考える材料としては、クロマツはパイオニア樹種であるということ、5回間伐をするとどうなるのかなどです。「100年後の海岸林の姿を想像する」というテーマでぜひ研究してほしいですね。

