いよいよ本に! –その2–
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
昨日のつづき
小林さんが火だるまになりながら原稿執筆をしている横で、
近くでお尻を叩いていただけ!? まぁそんなようなものですが・・・
『よみがえれ!海岸林』を書籍にするにあたり、
「海岸林って必要なの?」
「何か効果があるの?」
「クロマツばっかりだけど、他の木じゃだめなの?」
など、素朴だけれど核心をついた質問に解答しようと、イラスト入りの解説ページを設けています。
どんなイラストが伝わりやすいか、イラスト内で伝える内容は何か?などを考え、イラストレーターさんとのやり取りを通じて、
あーでもないこーでもない、
こうした方がわかりやすい、
このイラストはもっと右にあった方がわかりやすい、
ここの表情は笑っていたほうがいい
などなど、細々した調整をしてイラストを完成させていきました。
イラストレーターさんは、いつもお世話になっているico.さん。
ico.さんは、こちらの要望を汲んで、どんぴしゃのイラストにしてくださるすごい方なので、なくてはならない存在です。
数種類のイラスト作成で苦労したのは、
○海岸林の防風効果は何キロ先まであるのか?
○海岸林を通り抜けると塩分減少率はどのくらいになるのか?
を調べること
まったくの専門外で、何を参考にすればいいのかすらわからない状態
手さぐりで論文を何本も読みました。最初のうちは、書いてあることの半分も理解できず、ちんぷんかんぷん。それでも、ガマンして読んでいると、何となくわかってくるものですね
やっと適当な論文を探し当て、イラストに反映させました。
でも、イラスト内で反映するのは「375」と「1500」たったこの2つの数字のみ。この数字の後ろに何十時間もの苦労が隠れています!
楽しかったのは、
松くい虫の被害拡大についてのイラスト制作!
こちらも訳が分からない論文を何本も読みました。
「マツノマダラカミキリ」と「マツノザイセンチュウ」の絶妙な共生ぶりに驚き、
「マツノマダラカミキリ」の蛹の芸術性の高さにまたまた驚き、
「マツノザイセンチュウ」10000匹を体の中にかかえた「マツノマダラカミキリ」を妄想して笑い、
驚きと笑いの連続でした。
でも、このたった1㎜の体長のセンチュウに感染して、枯れてしまうマツの大木を思うと、笑ってもいられず、深刻ですが・・・・・
そして、研究を続けたいのは
宮城県の海岸林は本当に伊達政宗が命じて作られたものなのか?
というギモン
いまのところそのような史実はないという説ですが、地理学に長けていたといわれる政宗が仙台市や名取市の海岸に立ち、農地を守るため、津波から命を守るために
「このあたりに雄松(クロマツ)を植えよ!」
と、本当に命じていたらかっこいいな~
と、これまた妄想しています。
何をどう調べたら、こんな史実は出てくるのだろうか??
このギモンにつまづき、「名取の海岸林史」をつくるのに相当な時間がかかってしまいました。
相当な時間がかかったものの、
これまで知らなかったことを知る楽しさを味わいました。
~ また明日へつづく ~