「この時期ってトビは巣作りなんですかねえ~」
森林組合の中堅に聞くと「そう」だと。そうなのかな~~??
「(頭上の)あそこ、巣あるんですよ。盛土作ってた工事の人、アタマ削られたんですよ」
そういうネタはこの業界は事欠かない。
協定区域の別の場所で新しい巣が出来た。親鳥が居たのでわかった。
巣が小さいうちは見えなかったが。いつも親がいるので、気にしていた。
日没前帰り際、動くものが・・・ カラスだ。
まだトビは卵を産んでいないのか、それとも食べられしまったのか。
僕の見立ては、まだ巣を作っただけに見えた。
「巡視」「現場管理」「調査」と言って、本部女子や再生の会、森林組合を仕事させて、
鳥ばかり見てる?と言われてもおかしくないぐらい、どうしても生き物に目が行く。
小さくても動くものは目に入るんだから、仕方ない。
ゲートに来た途端、「生き物の気配」を本部女子に速報。
勢力を拡大したいのか、ミツバチに自己を主張する何種類もの「黄色」の花。
今まであまり見てない、少々縦に伸びる小さな紫の花のつる植物。
仕掛けた「ハチ誘引液」はスズメバチの落下はなかった。(それはそれで良いこと)
思うに、基本に忠実に海岸防災林を整備すると、クロマツ純林を目標にしていても、
細部を見れば多様な生き物が見られる。
余計なことまでする「潔癖造林」とは対照的な、「野趣」溢れる姿があります。
名取ではそういう意味で秋から冬も見どころ。一人で胸を張りたくなる。
林業は彫刻のようなもの。
荒削りすべき時から丁寧にやりすぎて、最後は結局お粗末という仕事をしたくない。
単純な「人工盛土工法批判」もたくさん聞きましたが、簡単に組したくない。
人間の努力と自然の回復力・治癒力で、将来どういう姿になりますかね。