強くしなやかなであること 

2019年10月30日( カテゴリー: 本部発 )

広報室の林です。
「海岸林再生プロジェクト」は東日本大震災復興支援として
10年計画で取り組んでいるものですが、現在9年目。

この9年、東日本大震災ほどの規模ではなくても、
日本各地で大きな災害(特に大雨による水害)が発生しています。
今年も台風15号、19号で多くの被災者が出ています。

そんな中、考えさせられることがいくつかありました。

ひとつは、オイスカが活動するミャンマーに
長く駐在していたスタッフの言葉。

「ミャンマーでは川が氾濫するとみんな喜ぶんです。土地が肥えるって」

配給を待つ村人たちにも悲壮感はありません

数年前の洪水被害の際の支援活動。
配給を待つ村人たちにも悲壮感はありません

確かに遠い昔、歴史の授業で習った記憶があります。

肥沃な土壌を氾濫する大河がもたらすことを。
それで文明が栄えたということを。

そして彼は言いました。
「それに、いつ氾濫しても困らない程に家財道具は少ないし、
家もすぐに建て直せる簡素なものですよね。日本も全く同じようには
できないけど、学ぶところはあるかもしれない」と。

洪水で流された家など向こうには流されなかった家が見えます

洪水で流された家など
向こうには流されなかった家が見えます


家屋はこんな造りが一般的

家屋はこんな造りが一般的

東日本大震災以降、「レジリエンス」という言葉をよく目にします。
辞書を見ると「resilience」=弾力・跳ね返り・復元力・回復力・元気・逆境力
などの単語が見られます。震災やその復興の現場で使われる場合
「強靭な」という表現をよく見かけます。こちらも辞書では
「しなやかで強いこと。柔軟でねばり強いこと」などと書かれています。

私は「国際協力の日のつどい」で太田猛彦先生がSDGsを解説した際に使った
「打たれ強い」という表現が何ともしっくりくるように思いました。
時々、専門家の書くモノの中にも「自然災害を制する」といった
表現が見られますが、「制すること」ではなく
「倒されても起き上がる打たれ強さ」が求められているはずです。
それは、インフラや建物の強度といったものだけではなく、
被災した後の復旧・復興の段階で、どう人々が協力し合えるかということも
すごく大切な要素として含まれているのだと思います。
人びとに求められる「しなやかな強さ」とはどんなものなのか。

そんなことを考えていた時、
東日本大震災と今回の台風で2度の被災体験をした
あるお助け隊員のブログの中に「しなやかな強さ」を見つけました。
ご本人からは「全然しなやかじゃないですよ」と笑われましたが。

明日、ご紹介させていただきます。

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