こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
年末に里帰りしました。
私の故郷は静岡県浜松市、実家は遠州灘から1キロほどの所にあり、南風が強い日には潮の香がします。
この地域の人たちは近くの海岸のことを「前浜」と言い、前の家、前の道路などのような表現と同じように、前の近くの海という意味で「前浜」と言い伝えてきているのでしょうか?
「前浜」の思い出と言えば・・・
小学校、中学校の時のマラソン大会です。
遠州灘が学区域内の小学校・中学校だったので、マラソン大会は堤防の陸側を1キロ先まで走り、帰りは堤防の上を1キロ戻ってくるコース。
真冬の寒い中、半袖体操服姿で防潮堤の上を走るのですからたまったものではありません。
運動会や遠足、音楽会などの行事の記憶はほぼないのですが、マラソン大会の記憶だけは強烈に残っています。
前置きが長くなりましたが、
年末に里帰りしたついでに久しぶりに「前浜」に行ってきました。
1年半ほど前に行ったときには防潮堤の工事が始まったところで、立ち入り禁止になっていたため、入ることができませんでした。
息子、甥っ子とともに実家から歩いて10分ほど、数十年前とほぼ変わらない懐かしい道を歩きました。
砂浜に通じる入口に着くとこの看板がありました。

よくある無機質な工事看板ではなく、かわいいイラスト入りでした

よくある無機質な工事看板ではなく、かわいいイラスト入りでした


以前は鬱蒼とした松林がここにあったのですが、今はおそらく松くい虫の被害だろうと思いますが、疎林になっていました。
昔は林幅が20mほどあったように記憶しているのですが、防潮堤工事で伐採したのでしょうか?

昔は林幅が20mほどあったように記憶しているのですが、防潮堤工事で伐採したのでしょうか?


東日本大震災の津波被害を受け、遠州灘でも防潮堤の設置が進められているようですが、名取市の防潮堤はコンクリートですが、こちらはCSG工法という方法で設置が進んでいるようです。
(CSG工法の詳細はコチラ(静岡県ホームページ))
(静岡県ホームページから引用)

(静岡県ホームページから引用)


CSG工法で作られた構造物に盛土をしていますので、一見すると土の山です。
盛土部分に植栽をするので、自然の中に溶け込むような景観です。
父によると
伊勢湾台風前は5mの防潮堤だったが、7mにかさ上げしたそうです。
7mの防潮堤の陸側にCSG工法により12mの防潮堤を造っています。これがこの地区に住む人々のいのちを守る役割を果たします。
おそらく昔は、海からずーーっと平な土地が続いていたんでしょうね。
災害が起きるたびに、堤を築き、かさ上げし、これまでの高さになったのでしょうね。
私の生活も防潮堤に守られてきたのだなぁと改めて思います。
久しぶりに砂浜を歩き、波打ち際まで行きました。
10年ぶりかなぁ
風が強く、砂浜を歩く人も少ない為、風紋がきれいに残っていました。
自然の造形

自然の造形


最前線

最前線は1.5mほどの背丈しかありません。どのマツも海が眺められるように背の順に並んでいるかのようです。


海岸林の仕事に携わるようになり、改めて松林を見てみると、初めて気づくことがありました。
松林の最前線の松の背丈が1.5mほどしかないこと。
昔から見慣れている光景のはずですが、こんなに背丈が低かったかな??
強く、塩分を含んだ風が吹くため成長できないのでしょう。
幹も細いものが多く、植物が生きるのには過酷な環境であることが伺えます。
クロマツ苗

再生の会が生産した苗ほどではないですが、いい苗のような気がします


植栽したばかりのクロマツ苗の出来・・・けっこういい苗を植えてるなぁ
再生の会のみなさんが育てた苗の方が幹が太いような気もするけど、ここの苗も悪くないなぁ
以前は苗の良し悪しなどまったくわからず、ましてや苗に目を留めることもなかったかと思います。
波打ち際を200mほど歩き、息子、甥っ子、父はきれいな石と貝を広い集め、大掃除もせず、のどかな年末の日を過ごしてきました。
ひとで
貝
石拾い

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