海岸林の所有形態
2013年2月21日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )
全国の防災機能を期待されている海岸林を数々見てきましたが、なんとなく、ほんとに何となくですが、海に面した最前線は「県有林」であることが多 いような気がします。
例えば名取で言うと、「3層」になっています。
一番内陸側(イラストでいうと左側)は国有林、真ん中は市有林、一番海側は県有林です。
この他にごく一部、私有林や共有林が あります。
所有者が違うのです。
国有林は林野庁が、それ以外は県が中心になって管理・整備が行われます。
樹齢は大まかに言って、内陸側が樹齢が高く、海側が最も若いです。
海側へ向かって森を広げていったことがわかります。
各地で「国有林は県有林を犠牲にし、津波を経ても生き延びた」と揶揄する声を聞きました。
そもそも、最前線は「犠牲林」という言い方も聞きます。
常日頃から、最も厳しいスト レス下にあり、体を張って後ろの木を維持していると言えます。
200m以上の森の幅があると、飛砂・防風・空中塩分の捕捉・防霧に効果を発揮します。
工場や宅地、農地を広げるために海岸林を払い下げて行った話もよく聞きました。
幅が足らなくなり、海に向かって必要な幅を確保しに行ったのだと思います。
また、近年は山の治山工事がすすみ、川から昔のように砂が流れてこなくなり、
「海岸浸食」という新たな問題も全国で起きています。
つまり、砂浜自体が少なくなっているのです。