東京本部・啓発普及部GSM担当の吉田です。
河北新報1面に、海岸林再生プロジェクトに関連する大きな記事が出ました。海岸防災林の復旧は、地下水から最低2.4m離れた位置にマツを植えるための盛土造成や防風垣・静砂垣の設置、そして植栽にと、これまで1億円/ha以上かけてでも、絶対に成功させると国も自治体も決意したインフラであることがわかります。民有林だけで1,500haの再生ですが、そのうち約100haをオイスカが担っています。
➡河北新報ONLINE NEWS(4/10)海岸防災林、再生進む 青森・岩手・宮城3県は復旧完了、福島は7割
福島が遅れているとは思いません。宮城と同様、大半が公共工事として実施されています。防災林として守るべきものは、いまだ復旧中の広大な農地や宅地などです。それに対して震災前200haだった海岸林を3倍の600haに一大決心、奮起して「拡幅」しているからです。福島の海岸林は「幅」が足らなかったという反省 に基づいています。幅200mのクロマツ海岸林は、海からの塩分微粒子の90%前後を「漉し取る」ことや、津波減勢効果が科学的に証明されています。拡幅に伴い、元は農地だった所を森林に変える用地買収・地目変更などが業務に加わります。そして、震災から12年目を迎えるいまも、盛土は造成中の場所もあり、「明日植えます」と用意された苗木を厳寒期でも見ることもあります。
昨年末から宮城と東京の往復途中、福島北部の浜通り、新地町~双葉町を4回視察しました。海岸林チームの女性3人にも見せました。今回の記事には「東北3 県、総延長160㎞の海岸防災林復旧」とありますが、東日本大震災の海岸林復旧は、青森県三沢市~千葉県の九十九里まで行われています。だいたいどこも見に行きました。客観的に見て、いまオイスカは、日本史上最大のはずの森林再生の一端に加えていただいており、公的資金に甘えず、民間活力を活かして担っています。引き続き、最強の海岸防災林への再生、Eco-DRR(Ecosystem-based Disaster Risk reduction:森林など生態系を活用した防災・減災)の実践に、力を尽くしたいと思います。
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余談ですが、河北新報に掲載されている1枚目の写真は、オイスカが提供させていただいたものです。提供:オイスカと書かれなかったことは、ちょっぴり残念ですが、11年にわたり、ずいぶん取り上げていだいているし、名取市と書いてあるし、ヨシということで。