(前回のブログはこちら)
こんにちは。フィジー駐在員の清水です。
今回は、フィジーにおけるモーリンガ、また試験圃場での様子についてご紹介したいと思います。
①フィジーにおけるモーリンガ
フィジーでも高血圧、心臓病、糖尿病などの生活習慣病を患い、亡くなるケースが多く、青年海外協力隊時代のパプアニューギニアでも同様の理由から、それらを緩和するとされているモーリンガの植林や加工を、こちらでも行うことを決め、研修生とともに植林を行いました。
モーリンガは、インド原産ですが、フィジーでも生息しています。
1800年代後半から1900年代前半にかけて、イギリス統治下のフィジーで、サトウキビのプランテーションを行うために多くのインド人が労働者としてこの地に移住してきたことにも、もしかすると関係があるのかもしれません。そのためか、インド系の住民は特にこのモーリンガのことをよく知っていて、日常にも取り入れている姿を見かけますが、逆にフィジー系の人々にはあまり知られておらず、そういった点でも今後健康改善の面でモーリンガを生活に意識的に取り入れてくれるよう、活動できればとも思っています。
モーリンガの食仕方ですが、例えばココナッツミルクで魚を煮込み、そこにモーリンガをいれたりするのは、パプアニューギニアでも見かけましたが、ここのインド系住民は、炒め物やスープ、カレーにも入れたりとさまざまな形で食べているようです。葉、花、莢、種どれも栄養価が高く、その活用方法はさまざまです。
このように、葉と莢は時々、マーケットでも販売されています。
②試験圃場でのモーリンガの役割
約1年前からアグロフォレストリの要領で、モーリンガを栽培しているエリアに野菜栽培も試みましたが、想像以上にモーリンガの根の張り具合が強く、取り除く必要性がでてきました。一苦労ではあったものの、取り除いたモーリンガの根は匂いがきついこともあり、害虫防除になる可能性が考えられたため、小さく切り、野菜栽培用の土の上に被せました。
モーリンガの根。キャッサバのような大きさで、シャベルと比べても大きい
それから、しばらくしてからみると、通常の栽培地よりも沢山のミミズが生息していて、それによって彼らの大量の糞が自然肥料となり、より良い土壌環境になっていました。
モーリンガの根を取り除き、小さく切って土壌に巻いたところ、ミミズが大量発生した
さらに、収穫せずに落葉したモーリンガの葉は、野菜を植えた場所の自然のマルチとして、また葉が柔らかいためすぐに分解し、自然の肥料の役割も担っていたようです。
モーリンガ畑の樹幹で大きく育つレタス(前方)、キャベツ(後方)またキャッサバなども育っている
モーリンガを活かした土から育ち、収穫したピーマン
スーパーフードとも呼ばれるモーリンガ。
さまざまな栄養価が高いだけでなく、知れば知るほどその用途はたくさんあります。
おかげで、パプアニューギニアでも、フィジーでもこの木を通して多くのことを学ぶことができました。
自作のモリンガパスタ