2011年 3月11日

東日本大震災により海岸林が壊滅的被害

津波により青森県から千葉県にかけて約3,700haの海岸林が被害を受ける。なかでも宮城県は1,753haと最大の被害規模に。

2011年 3月17日

林野庁長官に海岸林再生の協力申出書提出

4月4日にはオイスカ理事長・中野利弘が皆川芳嗣林野庁長官（当時）に面会して、海岸林再生の取り組みについて協議を開始する。

2011年 4月21日

ヘリコプター調査

被災地の状況を上空から撮影して、海岸林の被害状況を把握。一面になぎ倒されたマツ林の状況が明らかになる。名取市海岸林は壊滅的打撃。

2011年 5月24-26日

名取市農家との初協議

行政、住民との協議を開始するとともに、宮城県全域の海岸林の被害状況を把握する。

2011年 7月11日

東京でシンポジウムを開催

350名の参加者のもと、シンポジウム「東北にもう一度、白砂青松を取り戻したい」を開催（東京）。名取市で被災された農家の方々約40名も会場へ。

2011年 9月29日

クロマツ育苗農家を視察

名取市で被災された農家とオイスカの関係者が、クロマツの育苗農家(蔵王町)を視察して、育苗のノウハウを学び始める。

2011年 10月30日

「海岸林視察ツアー」を実施

170名の参加のもと、ボーイング787型機就航記念「海岸林視察ツアー」を行う。（協力：ANAグループ）

2011年 11月28日

苗木づくりの講習会に参加

林業種苗法に基づき「山林種苗生産事業者登録講習会」を10名が受講して、種苗農家への最初の関門を通過。

2011年 12月16日

宮城県農林種苗農業協同組合へ

名取市の被災農家代表3名が、宮城県農林種苗農業協同組合の加入承認を受け、苗木生産者の仲間入りする。

2012年 1月26日

育苗用地契約完了

波打ち際から約1キロの場所にクロマツ育苗用地を定め、契約が完了し、いよいよ育苗に向けて始動する。

2012年 2月29日

「名取市海岸林再生の会」の設立

名取市で被災された農家の方々による「再生の会」が設立。オイスカと連携した海岸林再生の取り組みが始まる。

2012年 3月3-4日

育苗場防風ネット設置

今春播種を行うクロマツの苗木を強風から守るため、積雪の中、育苗場に防風ネットを設置。（協力：前田建設工業㈱）

2012年 3月9日

クロマツ種子受け取り

種子は宮城県から県の種苗組合を通じて生産者に払い下げされる。この日、種子が再生の会へ手渡された。

2012年 3月30日

クロマツの初播種

育苗場にて「マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ」と「精英樹クロマツ」合計2kg（約100,000粒）を初めて播く。

2012年 4月26日

「第1育苗場お披露目式」

クロマツの苗木を育てる育苗場が完成して150名の参加を得て、お披露目の日を迎える。

2012年 6月4日

クロマツ発芽から40日

種子から発芽したクロマツの「めんこい」幼苗木の姿。発芽率は90％以上。マツの発芽の様子に目を細める。

2012年 7月5日

クロマツ発芽から70日

クロマツの幼苗木がすくすくと育つ。野菜と違ってクロマツの育苗は初体験。

2012年 8月1日

育苗場での除草

夏場は草との戦い。雑草をそのままにしておくとクロマツの幼苗木が枯れてしまうため、除草作業が欠かせない。除草、散水、消毒は延々と続く。

2012年 9月15日

「名取市被災海岸林踏破ツアー」

支援企業の従業員、プロジェクトにご寄付頂いた方々、オイスカの会員など88名の参加のもと、津波でなぎ倒された海岸林の様子などを目に焼きつける。

2012年 10月12日

「国際通貨基金・世界銀行年次総会」で発表

東京で開催された同総会にて、世界銀行共催の「海岸林セミナー」を行い、50名以上の参加者にプロジェクトを紹介する。

2012年 10月30日

秋田県能代市「風の松原」視察

東北森林管理局の案内で、名取市海岸林再生の会全員が日本有数の規模の海岸林で研修。

2012年 11月9日

クロマツ幼苗木の育ち具合を調査

宮城県森林整備課森林育成班が第1・2育苗場にて、クロマツの幼苗木の生育状況を調査。生育率97％という高結果になる。

2012年 12月26日

第一育苗場の冠雪の苗木

積雪による雪の重み、寒さに耐えるクロマツの苗木。年の瀬を迎え、1年無事に過ごせたことに感謝。

2013年 2月8日

企業担当者との意見交換会

プロジェクトを支援くださる企業の担当者が一同に会し意見交換会を開催。

2013年 3月30日

クロマツ苗の「根切り」

この時期に欠かせない作業がこの「根切り」。この作業によりさらに充実した根が育つ。

2013年 4月20日

「普通クロマツ」の播種

育苗から２年目の春を迎えて、「普通クロマツ」の種子1kg（約75,000粒）を苗床に播く。

2013年 5月10日

「抵抗性クロマツ」の播種

松食い虫への耐性をもつ「抵抗性クロマツ」の種子300g（コンテナ播種/発芽見込み11,475粒/コンテナ台数562台）を播く。

2013年 6月14-15日

生育状況視察ツアー

２日間で計103名の参加を得て、クロマツの育苗場をはじめ、海岸林の被害状況や防潮堤工事現場などを視察。

2013年 7月12日

名取市に整備協定締結の申し入れ書提出

2013年 8月8-9日

襟裳岬国有林の視察

北海道森林管理局、ひだか南森林組合のご案内で、60年をかけて奇跡とも呼ぶべき再生を遂げた襟裳岬の海岸林を視察し、そのノウハウを学ぶ。

2013年 9月21日

除草ボランティアが汗

夏の終わりのこの時期に最後の仕上げの除草作業を行うと、クロマツ苗木の成長の大きな助けに。

2013年 10月30日

苗木農家の視察研修

オイスカの関係者と「名取市海岸林再生の会」のメンバー計26名で、上原樹苗（南相馬市）・斉藤苗園（亘里町）を訪れて、育苗方法などを学ぶ。

2013年 11月9日

防風ネットの修繕作業

冬場の「蔵王おろし」の強風はクロマツ苗木の大敵。前田建設工業の心強いご協力で防風対策を施す。

2013年 12月10-12日

仙台駅構内で写真展

人通りでごった返す仙台駅構内で海岸林再生の様子を伝える写真展を行い、多くの人が足と目を止める。（ご協力：株式会社ニコン・三井物産環境基金）

2014年 2月13日

宮城県・名取市との協定締結

海岸林の植栽を進める土地は県有林・市有林が含まれる。宮城県・名取市・再生の会・オイスカの間で協定が締結（対象面積：89.98ha）。第一回定期活動報告会にて協定締結の報告。

2014年 2月28日

仙台森林管理署との協定締結

林野庁 東北森林管理局 仙台森林管理署と国有林2.91haの植栽に関する協定締結。

2014年 3月24日

コンテナ移動・土詰め開始

5月に予定している初めての植栽に向けてクロマツの苗木の準備が急ピッチで進む。

2014年 4月28日

クロマツの植栽が開始

地元の宮城県中央森林組合の協力によるクロマツの苗木の植栽が始まる。長きにわたる挑戦の火ぶたが切って落とされる。

2014年 5月24日

第1回「植樹祭」

総勢350人の参加のもと、クロマツを一斉に植栽。植えた本数は約5,000本、面積は約1haで、来年以降も「植樹祭」は続けられる。

2014年 6月2日

「肥料やり」を開始

植えたクロマツの苗木の根元に肥料をやること（施肥）で、成長が促される。

2014年 7月19日

梅雨明けから葛刈り取りと除草

梅雨明けのこの時期から、葛や雑草が一斉に生い茂り、クロマツの成長を阻害する。頼みはボランティアによる人海戦術。

2014年 8月30日

名取市長もボランティア参加

植栽地の作業にはボランティアが大活躍。この日の溝切り（排水）作業には佐々木・名取市長も参加。

2014年 9月19日

クロマツ活着率98.4％

今年度植栽したクロマツ約８万本(16ha)のうち、98.4％が枯損せず成長している。

2014年 10月26日

「大阪マラソン」チャリティランナー初参加

走ることで寄附にもつながる「大阪マラソン」。海岸林再生プロジェクトを応援くださるランナー23名も元気に快走！

2014年 11月15日

2014年度ボランティア参加者1,402名

除草、排水路作りなどの植栽後の育林作業に全国から多くのボランティアが集まり、汗を流した

2014年 12月2日

仙台駅＆ニコン写真展

海岸林再生プロジェクトの進み具合を写真展で定期的に公開。仙台駅構内が定番の場所に。

2015年 1月28日

「名取市復興報告会」

経済同友会の共催により約150名の参加者を得て、名取市の復興の様子や海岸林再生の取り組みを伝える報告会を東京で開催。

2015年 2月25日

24時間テレビから軽自動車を寄贈

宮城テレビ放送の仲立ちで、24時間テレビチャリティー委員会から、4輪駆動軽自動車を寄贈頂き、現場の強い味方に！

2015年 3月14日

「グッドライフアワード」優秀賞受賞

環境省主催「グッドライフアワード」（130団体の取り組みから選考：最優秀１点・優秀3点）で「優秀賞」を受賞。現場での活動の励みに。

2015年 3月15日

「第３回国連防災世界会議」シンポジウム

国連防災世界会議の関連イベントとして、海岸防災林再生に関するシンポジウムが開催され、パネルディスカッションに名取市海岸林再生の会 佐々木廣一が登壇。

2015年 3月15日

海岸林再生の現場を歩こうツアー

プロジェクト開始から6回目の主催型視察ツアー。名取市民を中心に150名が参加し、植栽地を約1時間、1.2キロほどを歩き、現場を体感してもらうよい機会となった。

2015年 4月21日

今年の植栽の開始

植栽２年目の春を迎えて、宮城県中央森林組合の作業班による植栽作業がスタート。

2015年 5月23日

第2回「植樹祭」

約400名の市民と100名の林業指導者や関係者らが参加する盛大な事業となり、２haに苗木約1万本が無事に植えられ、NHKでも放映される。

2015年 6月17日

植栽から１年後のクロマツ

森づくりは「植えて終わり」でなく、施肥や除草、風よけ対策など地味な取り組みの繰り返し。無事に１年を迎えたクロマツの姿。

2015年 7月17日

今年度植栽クロマツ5万本の活着率99％以上

活着率が非常に高く、枯損したクロマツはほとんどないほど順調な生育ぶりをみせている。

2015年 8月27日

「寄付者銘板」の設置開始

一定以上の金額のご寄附を頂いた方（個人・法人）のお名前を、植栽地の防風垣に掲げる。クロマツの成長を見守っているかのよう。

2015年 9月12日

東北豪雨による冠水

9月9日から11日にかけて続いた大雨により植栽地の作業道は冠水したが、幸いクロマツは難を逃れ無事だった。

2015年10月25日

「大阪マラソン」チャリティランナー2回目の参加

昨年に続き「大阪マラソン」の寄附先団体に選ばれ、26名のチャリティランナーが疾走。

2015年11月25日

企業団体の担当者との情報交換会

17名にご参加いただき、今年度進捗報告、来年度計画、ボランティア受け入れ計画などを説明。

2015年12月1日

仙台駅コンコースでの写真展

毎年この時期、同じ場所で写真展を開催。昨年と比較して立ち寄ってくれるのは宮城県民がほとんどとなり、若者の姿も見られるようになった。

2016年1月12日

オイスカ会長一行が宮城県の若生副知事と面会

プロジェクトの進捗、植栽が終了する2020年以降の見通しや継続して育林を行っていくための体制づくりに注力していることも報告。

2016年2月10日

日本記者クラブにて活動報告

日本記者クラブが「3.11から5年」をテーマにシリーズで実施した記者会見の一つにスピーカーとして登壇、プロジェクト担当者と「再生の会」の櫻井重夫副会長がマスコミ関係者らにプレゼンテーションを行った。

2016年3月13日

海岸林再生の現場を歩こうツアー

前日の活動報告会に続き、名取市の佐々木市長が参加。参加者の皆さんには、植栽1年後、2年後のクロマツを見比べ、成長ぶりを見ていただくよい機会となった。

2016年4月20日

クロマツ植栽3日目

植栽3年目を迎え、苗を準備する「名取市海岸林再生の会」と森林組合の職人の息が合い、順調に作業が進んだ。植栽は4月18日から始まり、5月10日まで続いた。

2016年5月21日

「第３回植樹祭」

約430名の名取市民を中心とした宮城県民と90名の林業指導者や関係者らが参加して盛大に植樹祭が開催された。

2016年5月21日

宮城県 村井知事が植栽現場を視察

村井知事が初めて植栽現場を視察に訪れた。公務のため植樹祭終了後の訪問となったが、名取市 佐々木市長と共にクロマツの植樹を行い、プロジェクトの進捗状況などについて担当者に熱心に質問をされた。

2016年6月29日

宮城県大河原町立金ケ瀬中学校生徒ボランティア

震災関連のボランティアをしたいという生徒からの要望で今回のボランティアが実現。全校生徒114名が2時間のボランティアに汗を流してくれた。

2016年7月31日

祝！鬱閉（うっぺい）状態に成長

6月から7月にかけての伸長は著しい。2mを超えたものが何本もあり、さらに地表スレスレから全方面に向かって豊富に枝を伸ばし、同じ高さでビッシリ。上から地面が見えないこの状態を「鬱閉（うっぺい）」という。早くも海岸林の機能発揮に至る兆しを見せ始めた。

2016年8月24日

台風9号の影響でクロマツ100本に被害

重さ100kgもある防風垣、160基が台風の強風により巻き上げられた。台風翌日、ボランティアに戻していただいた。下敷きとなったクロマツもあったが、早急に復旧させた甲斐があり、被害は100本程度にとどまった。

2016年9月16日

つる豆草の繁茂

昨年まではあまりなかったつる豆草が今年は一面覆いつくされるほどの繁茂ぶり。少しこんもりと木のように見えるのは、クロマツにつる豆草が巻き付いたもの。この状態ではクロマツは日光不足で枯死するため、ボランティアに取り除いていただいた。

2016年10月30日

「大阪マラソン」チャリティランナー3回目の参加

3年連続で「大阪マラソン」の寄附先団体に選ばれ、48名のチャリティランナーが疾走。プロジェクト担当部長の吉田は、名取市の現場を訪れたボランティアなどに協力いただき約51万円を集め、ベストチャリティランナー賞に選ばれた。

2016年11月24日

JICA 「生態系を活かした防災・減災(ECO-DRR）」研修受入

フィリピン、マレーシア、ミャンマーなど６ヵ国の政府林業関係実務者を対象としたJICA研修プログラムの研修先として、プロジェクト現場で受け入れを行った。

2016年12月2日

モニタリング調査

モニタリング生育調査対象地に看板を設置。1プロット内で50本の調査木を定め、年2回樹高などを測定。樹種は同じクロマツでも、苗の生産場所、育苗方法、マツノザイセンチュウ抵抗性の有無、植栽時期など異なる要素が多く、その成育にも大きな違いがある。

2017年1月14日

防風柵設置作業

うっすら雪化粧した2016年植栽地にクロマツを強風から守るための高さ１ｍの防風柵を設置。

2017年2月28日

名取北高等学校にて講演

若者が積極的に海岸林再生に参加してくれるきっかけとなることを願い、卒業式の前日、プロジェクト担当部長の吉田が全校生徒900人を前に講演を行った。

2017年3月24日

「山林苗畑品評会」にて最優秀賞受賞

宮城県農林種苗農業協同組合主催による平成28年度の品評会において最優秀賞を受賞。県内トップになった苗木は全国品評会で審査中。

2017年4月17日

クロマツ植栽初日

4年目の植栽が4月17日から始まり5月10日まで続いた。今年の植栽本数70,000本のうち、60,000本を森林組合の職人が植栽。

2017年4月27日

クロマツの播種

抵抗性クロマツの種、約56,000粒をまいた。発芽率は最高の96％となり、これまでの経験や知見が数字に表れる結果となった。

2017年5月20日

2014・2015年植栽地全景

2014・2015年植栽地、約25haの全景。1年前はまだクロマツが小さく土の茶色が目立っていたが、1年間の成長は目覚ましく、全体的に緑色の面積が増えた。この広大な土地へのクロマツの植栽、草刈りなど、すべて人の手で行っている。

2017年5月20日

「第4回植樹祭」

約530名の名取市民を中心とした宮城県民、林業指導者、関係者らが参加。2haに1万本を植樹。

2017年5月20日

石破衆議院議員が植樹祭に参加

オイスカ国際活動促進国会議員連盟の会長である石破茂衆議院議員、同事務局長の谷公一衆議院議員が市民らと共に植樹に参加。

2017年5月20日

宮城県名取北高校の生徒100名が植樹祭に参加

2月末に同校が企画した講演会で担当部長の吉田が講演したのをきっかけに、生徒100名が自主的に参加。若い世代の参加が注目を浴びた。

2017年6月8日

オイスカ・タイ総局の役員が名取の現場でボランティア

震災直後から被災地のためにボランティアをしたいと願い、オイスカ・タイ総局の役員など10名がボランティアのために来日。2日間にわたり育苗場、植栽地の除草を行った。

2017年7月3日

米国の高校生20名が名取の現場でボランティア

MUFG主催の日米交流事業のプログラムの一つとして、高校生20名が来訪。ボランティア受け入れ4年目にして初の海外からの高校生。震災復興の現場での作業を楽しみにしてくれていただけあり、小雨の降る蒸し暑い中でも楽しそうに作業する姿が印象的だった。

2017年7月24日

インフラメンテナンス大賞で「農林水産大臣賞」受賞

社会資本のメンテナンスに係る優れた取り組みを表彰しようと、農林水産・総務・文部科学・厚生労働・国土交通・防衛の6省が新たに創設。オイスカと名取市海岸林再生の会が共同で「農林水産大臣賞」受賞。

2017年8月3日

「名取市海岸林再生の会」総会開催

被災農家30名で組織する「名取市海岸林再生の会」の総会が開催された。国・県・市・種苗組合・森林組合・オイスカが来賓として招待され、プロジェクトの中心を担う関係者が一堂に会した。

2017年8月26日

麦畑のような植栽地でのボランティア作業

今年のボランティア作業はツルマメ草の除草に明け暮れた。イネ科の雑草が激しく繁茂し、大人がかがむと草に隠れるほどの場所が１haほどあり、ボランティアと森林組合作業員の”草刈りリレー”で雑草地からクロマツ植栽地に蘇った。

2017年9月6日

名取市海岸林再生の会の苗木が「林野庁長官賞」受賞

宮城県農林種苗農業協同組合主催による平成28年度の品評会において最優秀賞を受賞した苗は、全国品評会で林野庁長官賞を受賞した。

2017年11月2日

北海道の襟裳岬への視察研修実施

北海道の襟裳岬では、砂漠のようになってしまった土地を60年以上かけ緑化に取り組んできた。長年の歴史と経験をプロジェクトに活かそうと視察研修を実施。地元住民対象の育樹祭にも参加させていただいた。

2017年11月16日

中学生の職場体験活動の受け入れ

仙台市がすすめている仙台自分づくり教育の一環、中学校における職場体験活動の受け入れを3日間行った。仙台市立北仙台中学校の生徒７名がクロマツの成長調査などを体験した。

2017年11月26日

「大阪マラソン」チャリティランナー4回目の参加

第7回大阪マラソンが11月26日に開催され、14の寄附先団体の中から「海岸林再生プロジェクト」を指定して58名がチャリティランナーとして力走。

2017年12月5日

企業・団体の担当者との情報交換会

UAゼンセン様のご厚意で会議室をお借りし、プロジェクト開始当初からの支援企業・団体をはじめ、支援を検討している企業など16社25名にご参加いただき、今年度の報告、来年度事業計画などについて説明。

2018年1月23日

雪の少ない名取市に大雪

全国に大雪をもたらした南岸低気圧が名取にも大雪を降らせた。雪に埋もれたクロマツの成長を心配するが、強風、乾風から守る効果に期待したい。

2018年2月9日

土井亨復興副大臣が現場視察

育苗場で説明を受けた後、現場に移動し各年度の植栽地をすべてご覧いただいた。防災林としてのクロマツ林の再生についてもさることながら、年間2000人のボランティアの存在、地元とのかかわりなどへも強い関心を示された。

2018年3月17日

今季の「ボランティアの日」の初回

初回のボランティアの日には根踏み作業、例年は5月に開催する植樹祭の準備をしているが、3月末の多雨を受け、排水溝を掘る作業を中心に実施。

2018年4月16日

クロマツ植栽初日

植栽5年目となる今年、森林組合の作業員により4月16日から植栽が始まった。今年は17haに85,000本の植栽を行う予定。

2018年4月26日

クロマツの播種

震災翌年の2012年から始まった種まきは今年で7回目となった。名取市海岸林再生の会のメンバーが中心となり45,000粒を播種。この種から育った苗が2年後に沿岸に植えられ植栽完了となる見通し。

2018年5月19日

「第5回植樹祭」

爽やかな好天に恵まれ、名取市民を中心とした宮城県民、林業指導者、関係者ら約530人が参加し「第5回植樹祭」を開催。2haに1万本を植樹。協定面積の植栽がほぼ完了したことから、宮城県民に限定して開催してきた植樹祭は今回が最後となる見込み。

2018年6月19日

溝切りの効果

今年のボランティア作業の中心は「ツルマメ草抜き取り」と「溝切り」作業。ボランティアさんが掘った幅60㎝深さ40㎝の溝には降雨後、水が溜まり排水効果を発揮している。

2018年7月5日

復興庁から感謝状

名取市海岸林再生の会とオイスカとの連名で復興庁から感謝状をいただいた。これは東日本大震災からの復興に継続的に貢献している団体を対象としたもので、被災農家を継続的に雇用している点、海岸林の再生に尽力している点が評価されたもの。

2018年8月1日

名取市海岸線5キロ全景

名取市の海岸線南北全長5キロの全景を捉えた写真を林野庁からご提供いただいた。50年後、ここにかつて白砂青松といわれた松林がよみがえっていることを願っている。(林野庁東北森林管理局仙台森林管理署提供）

2018年8月5日

キツネの巣穴発見

これまでキツネの姿をとらえることが時々あったが、棲み処は発見できずにいた。草刈り作業中にたまたま見つけた巣穴は、2mの棒が入ってしまう程の奥行がある。複数の穴が中でつながっているものと思われる。

2018年9月26日

JICA 「森林生態系等を活用した防災・減災(ECO-DRR）」研修受け入れ

政府林業関係実務者を対象としたJICA研修プログラムの研修先として、一昨年、昨年に引き続き現場で受け入れを行った。今年は、ボスニア･ヘルツェゴビナ、エルサルバドル、イラク、ミャンマー、タイ、マケドニア、ベトナムの7ヵ国からの参加があった。

2018年10月6日

今年最後のボランティア作業が終了

今年は2200人のボランティアにご協力いただき、溝切り、草刈りなどの作業を終えた。病人、ケガ人もなく作業を終えられたことに感謝している。

2018年11月25日

「大阪マラソン」チャリティランナー5回目の参加

チャリティ文化を根付かせることを目的とした大阪マラソンが開催され、大坂城公園をスタートし3万2千人のランナーが駆け抜けた。最多の寄附を集めたランナーに授与されるベストチャリティランナー賞は、４年連続でオイスカを寄附先に選んだランナーが受賞。

2018年11月28日

企業・団体の担当者との情報交換会

昨年に続きUAゼンセン様のご厚意で会議室をお借りし、プロジェクト開始当初からの支援企業・団体など14社19名にご参加いただき、今年度の報告、来年度事業計画などについて説明。

2019年1月26日

さいたま市にて活動報告会開催

東京大学名誉教授の太田猛彦先生をお迎えし「日本の森林の現状と森林生態系を活用した防災・減災」と題しご講演いただいた。また、元日本経済新聞社論説委員兼編集委員の小林省太氏により、プロジェクトの概要と進捗状況を報告。80名の参加があった。

2019年3月16日

「ボランティアの日」活動再開

リピーターさんを中心に30名の参加があり、快晴のもとで今年初めてのボランティアの日の活動を行った。ボランティア活動が始まり5年が経過し、お互い顔なじみの間柄。植栽地は、「久しぶり！」という言葉が飛び交う再会の場ともなっている。

2019年3月20日

「第130回日本森林学会」企画シンポジウムで発表

津波に対する減災を目的とした「多重防御」の一翼を担う海岸防災林造成のための成育基盤盛土の現状と課題をテーマとした企画シンポジウムにて、森林総合研究所の招待を受けて担当部長の吉田が発表。研究ベースの発表が多い中、現場を持つ立場での発表を行った。

2019年4月11日

名取市で季節外れの降雪

今冬は降雪が少ないまま春を迎えたが、桜が開花し、数日経過した4月10日、季節外れの雪に見舞われた。再生の会は雪の中で苗木の出荷作業に追われた。この日に出荷した苗は、名取市ではなく他地域に植栽される予定。

2019年5月10日

クロマツ植栽初日

今年は追加で協定を結んだ2haへの植栽を行った。この場所は自然盛土となっているため、津波に耐え抜いたクロマツが200本ほど残っている。篠竹が繁茂していた場所のため、根が残っており、植え付け用の穴を掘るのに時間を要し、6000本の植栽が思うようにはかどらなかった。

2019年6月1日

キツネのきょうだいの戯れ

植栽地内で度々キツネの姿を目撃していたが、この日はきょうだいが遊ぶ姿に遭遇。これまで見つけた巣穴の数は20以上、いったい何匹のキツネが生息しているのだろう？

2019年7月20日

「ボランティアの日」溝切り作業

滞水状態から救出したいクロマツが散見されたものの、梅雨が長引き、7月中旬まではボランティアの皆さんに思うように作業をしていただくことができなかった。この日は幸い曇り。水分を多く含み、土が重く作業がしにくいのは承知で160人の参加者に溝切り作業をしていただいた。おかげで1日で270ｍの溝が完成。

2019年8月2日

盛土造成工事中

仙台空港からほど近く、震災前は乗馬場があった場所でクロマツを植栽するための盛土の造成工事が進んでいる。盛土は来春完成予定で、この場所が最後の植栽地となる予定。

2019年9月19日

トヨタのホームページにてプロジェクトの動画公開

プロジェクトに助成いただいている「トヨタ環境活動助成プログラム」にて撮影した、植栽地のドローン空撮映像、名取市海岸林再生の会のメンバーへのインタビューなどが４分間の動画に編集され、トヨタのホームページにて公開。

2019年10月5日

オイスカ海外スタッフを招聘しEco-DRR研修

「防災減災のために自然生態系を活用して日本が培ってきたことを見聞きし、国連が示す全世界共通の開発目標SDGs達成のためのオイスカの活動の方向性を定めること」を研修目的に、フィリピン、インドネシア、スリランカ、メキシコで植林や地域開発などのプロジェクトを担うオイスカの現場責任者6人が来日し、ボランティアの日の活動に参加。

2019年11月25日

企業・団体の担当者との情報交換会

今回もUAゼンセン様のご厚意で会議室をお借りし、支援企業・団体など16社24名のご担当者に参加いただき、今年度の報告、来年度事業計画などについて説明。東京大学名誉教授の太田猛彦先生によるご講演も行った。

2019年12月1日

「大阪マラソン」6年連続チャリティ寄付先団体に選定

チャリティ文化を根付かせることを目的とした大阪マラソンが開催された。今年はスタート、ゴールともに大阪城公園となるコースに変更され、沿道では応援する市民の声が途切れることなく続き、大きな声援がランナーを後押し。オイスカを寄付先に選んだチャリティランナー48人が快走した。

2020年1月18日

溝に守られ越冬中

12月から2月上旬までは現場の動きがなく、クロマツは春を待ち寒さと風にじっと耐えている。水はけの悪い場所は成長が悪いため、ボランティアの手で碁盤の目のように溝を掘ってある。雨が多い今年度はこの溝が活躍していて、春から初夏にかけての伸長が期待できる。

2020年3月29日

今秋植栽予定地の盛土工事進行中

名取市沿岸5kmの一部に海岸林の林帯幅が狭い場所があり、林帯幅約200ｍを確保し、防災効果を高めるため、旧宅地を植栽地とする県の盛土工事が進行中。今秋、約3haへの植栽を終えると、すべての植栽が完了する予定。

2020年4月9日

クロマツ苗への散水

冬の間の散水頻度は多くはないが、気温が上昇し、陽射しが強くなるこの頃になると散水頻度があがり、週に1回程度、たっぷりと散水する。作業しながらの再生の会のメンバーの楽しそうなおしゃべりが聞こえてくるようだ。

2020年5月12日

クロマツ植栽初日

5月12日から18日にかけて1.57haに7,850本を植栽した。植栽初日は、森林組合の現場作業員に向けて、座学での造林講習と現場での植栽指導をおこなった。

2020年6月20日

「ボランティアの日」活動再開

3ヵ月間休んでいたボランティア活動を6月20日から宮城県民に参加を限定して再開。常連ボランティアや大学生、高校生、飛び入りの中学生の参加があり、ゴミ拾い、クズの刈り取り作業を実施。集めたゴミは40袋になった。

2020年6月20日

最高樹高5.2ｍ

コロナ禍での移動制限のため、東京在住スタッフが現場に行くことができなかった2ヵ月間にクロマツは大きく成長していた。これまで伸びが悪く心配していた場所も、これまでの溝切りの成果が出て、今年は全体的に伸びが良い。

2020年7月4日

「ボランティアの日」溝切り作業

仙台空港観測所では、7月の降水量が2011年以降最多。7月平均109mmに対して今年は342mm。クロマツは過湿に弱いため、常に根が水につかる状態では、やがて枯れてしまう。ボランティアの地道な作業が窒息寸前のクロマツを救い、翌年以降の成長へとつながる。

2020年8月26日

上空からの植栽地遠景

緑が濃くなり、上空からは土がほとんど確認できない程に葉を伸ばしている。海岸防災林として災害に強い海岸林をつくるため、適度に間伐（本数調整伐）を行わなければならず、その日が待たれる。

2020年9月11日

辺り一面のツルマメ草地帯

1年生植物のツルマメ草が一斉に芽を出すのは6月末ごろ。例年、6月末から7月にかけてのボランティア活動では、集中的に抜き取りをしてもらうが、今年は、新型コロナウイルスの影響で活動が中止または少人数の参加となり、手が回らなかった。9月のこの時期になり、約10ｍ×300mの植栽地一面がツルマメ草で覆われた。

2020年10月6日

名取市最後の植栽に山田司郎名取市長が参加

「将来的に市民の森としてまちづくりに生かせれば」と取材インタビューで語り、自身も植栽をおこなった。取材の内容は翌日朝刊などに掲載された。政府の海岸林再生検討会の座長を務めた太田猛彦東大名誉教授（奥）も参加し、植栽地を視察。想定を上回る37万本の成長ぶりに目を見張っていた。

2020年11月14日

今年最後のボランティアの日

成長モニタリング調査を実施。1ヵ所あたり50本、29ヵ所の調査地すべてのクロマツの樹高、胸高直径または根元径を計測。成長の良いエリアは、隣り合った木の枝が重なり、クロマツの間に分け入ることが難しく、防護用ゴーグルを装着して作業をおこなった。

2020年12月1日

第10回名取駅写真展開催

震災後は、民有地直轄支援事業として国が一括して県有地、市有地の海岸林の再生を管轄してきた。震災後10年が経過する来年2月に、管理主体が国から県と市へと戻されることを機に、写真展では、林野庁 東北森林管理局 仙台森林管理署と共催で、市民へむけての展示をおこなった。

2020年12月9日

「松がつなぐあした」　-震災10年 海岸林再生の記録-　発刊

元日経新聞論説委員の小林省太さんが、10年にわたり、その前半は記者として後半はオイスカのアドバイザーとして取材を続け、100人以上へのインタビューをもとにまとめたドキュメント本が発売された。

2021年1月8日

名取市役所ロビーにて企画展開催

海岸林の役割や、沿岸部に足を運ぶ機会のない市民にも海岸林の再生状況を伝えることを目的として、林野庁東北森林管理局仙台森林管理署と共催で1月8日から29日まで企画展を開催した。

2021年2月18日

ご支援者向けのWeb報告会開催

オイスカの世界各地の活動現場では、コロナ禍でも感染対策を取りながら、粛々と活動が進んでいる。現場の様子を伝えようと始まったWeb報告会シリーズの2回目に「震災から10年を迎えた海岸林再生プロジェクト」と題し、現場からの中継も交えプロジェクトの報告を行った。