5月12日(金)夜~16日(火)朝、タイ南部のマングローブと生きる漁村住民22名が名取で研修します

2023年4月11日

日本外務省支援 タイ南部・ラノーン県のマングローブ林再生を通じた

社会的弱者層生計向上プロジェクト「訪日研修」実施要綱

2023年4月1日 公益財団法人 オイスカ

1.趣旨・背景

タイ南部ラノーン県は広大なマングローブ原生林を中心とする豊かな生態系を育んでいましたが、1980年代以降の錫採掘、エビ養殖場、炭採取目的の過剰開発、不法伐採により極端に「疎林化」し、そのうえ2004年のインド洋大津波を受け漁獲高は激減、若年層の地元離れなども相まって主要産業である漁業や、沿岸部の防災・減災にも負の影響を及ぼしました。

オイスカは1999年から地域住民・タイ政府と協働してマングローブ林の再生に取り組んでおり、その面積は2023年現在約2,000haとなりました。着手以来24年、育苗・植栽・3年間の保育は多くのオイスカ会員からの寄附、その後3年間の保育はタイ政府の資金で実施しております。この再生努力の結果、「世界遺産登録」を目指すほどの改善が図られ、漁獲高も若者離れも戻りつつあります。

そして2021年からは、これまでの「造林」中心のプロジェクトから、森とともに生きる人たちの一層の生計向上を目指す第2ステージに挑むことを決意し、日本政府外務省の「NGO連携無償資金協力」の支援を得て、「マングローブ林の再生を通じた社会的弱者層生計向上プロジェクト(3ヵ年計画)」に着手しました。引き続き海洋・沿岸環境の改善を図るとともに、地域住民の「協働」「組織化」「計画性」をサポートし、新たな付加価値を伴う特産品づくりなどによって生計向上することを目指しています。

不運にもコロナ禍と重なってしまった開始1年目は、ロックダウンなどの厳しい措置が取られ、村民と電話以外コンタクト出来ないなど、計画は思うにならない状況が続きましたが、2年目は関係者の努力で驚異的に盛り返したことで、外務省審査の結果、最終年度の計画実施も承認されました。なかでも4村のうちのシンハイ島は、長い間「なにをやっても失敗する島」と揶揄され続けたそうです。結果を出し始めたことで、村人たちは大きな自信をつけていることを2023年2月の実査(GSM担当部長吉田)で確認しました。

この度、プログラムの質をさらに高め、プロジェクト終了後の持続発展性をより確かなものにするため、大津波に見舞われ、行政とNGOと市民が協働し海岸防災林再生の長期計画を実行中で、農林水産の街であるなど、ラノーン県と共通点の多い名取市の復興から学ぶ訪日研修を実施します。

2.目的

東日本大震災復興に向けた市民と行政による海岸林再生、水産業、地域振興関係者それぞれが実践する「協働」による取り組みを見学・体験し、自身の事業活動の参考にする。また異文化に触れることで自国を客観的に見つめる機会とする。

また、受け入れる側としても、世界的に類を見ない規模のマングローブ再生と、漁村住民の生計向上の優れた取り組みを、様々な方法で出来る限り日本側にフィードバックしたい。

3.概要

日 程:  2023年5月12日(金)~16日(火) *宮城・東京滞在4泊5日

研修地: 宮城県名取市、丸森町、亘理町、岩沼市、東京都内

宿泊地: 名取市サイクルスポーツセンター 4泊

人 員:  合計28人  *通訳3名含む。タイ一行はイスラム教徒。

*タイ側一行22人 (対象4村リーダー16名、政府天然資源環境省、オイスカタイ総局)

*日本側受け入れ担当者6人

4.主な研修テーマ

◆自然災害、気候変動によって変化(悪化)する海洋・沿岸環境に対し、NPOと行政が 「協働」し、 市民参加を得て、どのようなBuild Back Betterの復興、環境保全活動を行っているかを体験する。

◆協同組合や水産加工会社グループからそれぞれの「協働」について学ぶ

◆水産加工品の製造の様子を見学し、品質管理、衛生管理、魅力ある包装資材やデザイン、販売方法

等、少ない資源(魚介類)に高い付加価値をつける工夫を学ぶ

◆水産品の水揚げから消費者に届くまでの流通の工夫を学ぶ

◆エコツアーを体験し、ツアーの安全管理、案内方法、接客対応、運営の仕組みを学ぶ

◆分別収集や処分方法など、市民の日常のゴミ減量対策を学ぶ

【スケジュール】

月日 時間 内容
1日目 5/11

(木)

 

深夜

ラノーンからバンコクへバス移動

バンコク発 日本へ

2日目 5/12

(金)

午後

成田着 バスで仙台へ

阿武隈川船下り体験・安全管理指導

3日目 5/13

(土)

終日

 

夕方

海岸林再生プロジェクト公募ボランティア参加

名取市北釜ふるさと公園にて再生の会会長からレクチャー

名取市海岸林再生の会・ボランティアとの夕食交流会

4日目 5/14

(日)

午前

午後

ゆりあげ港朝市・競り視察、協同組合運営のレクチャー

亘理町B&G海洋センターで安全指導講習

食彩館(地産地消型食品スーパー)視察・買い物等

5日目 5/15

(月)

午前

 

午後

夕方

水産加工会社「マルタ水産」など視察

水産加工会社グループ「yuriage suns」からレクチャー

「岩沼東部環境センターぽぽか」視察等

まとめの会・トークイベント発表準備

6日目 5/16

(火)

 

18:30~20:30

 

午前:新幹線で東京へ移動後、都内観光

<5/16(火)・オンライン>マングローブとともに豊かに生きる【地球環境を考えるトークイベント2023 春】

深夜:羽田発 タイへ

7日目 5/17

(水)

早朝

夕方

バンコク着 ラノーンへ移動

ラノーン着 解散

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