3月8日(土)15:45~16:15 「仙台防災未来フォーラム」でトークイベントが決まりました
仙台防災未来フォーラム
https://sendai-resilience.jp/mirai-forum2025/
「名取市海岸防災林100haの再生に関わる人に聞く」
~海岸林再生プロジェクト第2次10ヵ年計画~
【日時】3月8日(土) 15:45~16:15
【場所】仙台国際センター展示棟 展示室2-B(ステージ発表)
*市営地下鉄「国際センター」駅下車
【入場料】無料
【申込】不要
2011年以降、約50万本のクロマツ苗の生産を担った地元被災農家と、植栽保育を担ったプロが12,000人、それを補完したボランティア15,000人の手で歩んできました。その代表の方々の声をお届けします。
1月21日(火)「気候変動と防災に、なぜ森林?」太田猛彦東大名誉教授 講演会
講演会は「一般公募」です。
講演終了後、海岸林支援企業・団体ご担当者向け情報交換会を同日開催します。
こちらは、参加組織ご担当が横の繋り・情報共有を持つきっかけになればとの趣旨で、コロナ禍以外は年1回継続してきましたが、今年からは都内以外にも聞いていただけるよう、オンラインも併用します。また、ご担当であるリーダーの皆さんが、より一層大局的視点を持っていただけるよう、今年は「勉強会(講演会)」を設けます。団体参加のご担当の一人でも多くの方に聞いていただけたら幸いです。
≪①講演会≫*支援企業に限らず公募。ご講演は録画、Youtube公開予定。
「気候変動、防災に、なぜ森林?」
1月21日(火)15:00~16:30
場所:東京ミッドタウン八重洲カンファレンス 4階 会議室A
参加費;無料
定員:会場参加 先着30名公募
オンライン参加 定員なし
お申し込みはコチラから https://oisca.org/events/e250121/
≪②海岸林支援企業・団体ご担当者向け情報交換会≫
同日16:45~17:30
・2025年度事業計画・ボランティア受け入れ方針・諸注意
・参画組織紹介・情報交換
「講演会」講師 太田猛彦先生(東京大学名誉教授 オイスカ顧問)
森林環境学・森林水文学・治山砂防学など森林分野の第一人者。現在、
FSCジャパン代表、みえ森林・林業アカデミー学長、かわさき市民アカデミー
理事長、さいたま 緑のトラスト協会理事長。近年では、日本学術会議、
各官庁等の審議会委員や、林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に
関する検討会」座長として国の指針を定め、三保の松原世界遺産登録に
際しては、静岡県「三保の松原松林技術保全会議」委員などを務めた。
オイスカが実施する海岸林再生プロジェクトに対しては、2011年の立ち上げ
当初からご助言をいただき続け、全国のオイスカ支援者にもご講演
いただいた。市民向けに発行された名著「森林飽和」(NHK出版)は、
同出版社として最も購読された書籍の一つで、数多くの論文にも引用されて
いる。
「オイスカには、バカとクズとサギしかない」~今年最後の公募ボランティア~
吉田です。11月16日(土)、今年の公募ボランティア最終日、JR連合荻山会長(今年も2回目)やJR四国労組の皆さん、仙台トヨペットの大ベテランと若手社員さんたち、IBEX Airlines有志、鹿島建設グループ有志、草加市社会福祉協議会の有志、USJ労組有志、トヨタモビリティーパーツ、セコム本社とセコム工業など73名。今年も派手に集まってくださりました。
思えば、「この日は生長モニタリング調査」としか触れ回ってなかった・・・。調査地が増え、こう見えても必死でしたので。でも、10月末から合計73名に計測とその準備、ほぼ全域のゴミ拾いを手伝ってもらえたので、この日は「懸案」に手を出せると内心思ってました。
懸案とは、仙台空港真東、2020年度植栽地約6haの「溝切り」。もちろん、6haすべてのメンテが必要ではなく、これまでも香川県立高松北高校の高校生たちが30名×2回修復しています。半日で300mのLサイズ溝を修復できます。一部の場所は、多湿で生長が悪く、葦が広がりつつありました。まだマツは小さく、この1・2年のうちに手を入れたかった。
頼りに思っていたJR連合、仙台トヨペット、セコム、トヨタモビリティーパーツの皆さんたちは、丸一日、午後は73人で「溝切り」でした。みなさん「計測のみ」と思っていたでしょうね。そんなの聞いてないよーって感じですよね。ごめんなさい。
今年は5月末~11月のこの日までに1,081人が来てくれました。毛虫に始まり、クズに明け暮れ(941人が葛刈り)、秋の調査ではバカまみれになり・・・この日はまさかのガチ溝切・・・。その夜は、オイスカ宮城第一迎賓館「竹灯り」で忘年会でした。その宴会での切れ味鋭い一言。
「オイスカにはバカとクズと、詐欺しかない」(K建設のYさん)
まさに言い得て妙! 今年の締め括りにふさわしい。
次の公募日は、1月25日(土)。間伐です。ボランティアの受け持ちは、名取市海岸林最南端2ha。3,300本を伐ります。100人来てくれたとして一人33本(笑)プロは約15ha。12月中旬にスタートします。
モニタリング調査と並行して、何度かに分けて
全域のゴミを拾いました。すっきりしました。
箇所に改良を施しました。
2,250本の松の成長が良くなるでしょう
宮城県「令和6年度森林づくり・木づかい表彰」として感謝状をいただきました。
吉田です。11月22日、名取市海岸林再生の会およびオイスカは、宮城県内の森林づくりと林業の振興に関して特に功績があると認められ、「令和6年度森林づくり・木づかい表彰」として宮城県より感謝状を贈呈されました。
県の記者発表は、以下の通りです。「名取市内の海岸林再生を図るため、地元市民をはじめ県内外からボランティアを募りながら、積極的な植栽・保育活動を10年以上継続して実施している。全国から1万人以上のボランティアを募りながら、海岸林整備に関係する地元雇用を創出するとともに、海岸防災林の再生と普及啓発に大きく寄与している」。
多くの皆様のご協力のおかげです。心から御礼申し上げます。
これが海からの「塩」
吉田です。久々、海からの塩分微粒子が特によくわかる光景を写真に収めました。私にとっては珍しい風景ではないのですが、ちょうど調査時期で樹高を計測していて、写真にする気になったというか。下の写真の右上は、仙台空港真東の、標高最高6mの自然砂丘上の残存クロマツ林。樹齢は110年~130年、樹高は20m弱。写真右中央の一段低いマツ林の樹高は約5m。
塩分微粒子はやはり重たく、樹高20mのクロマツを越えて飛ぶわけではないことが写真からもわかります。でも樹高5mでは塩分は木の上も通っていることがわかります。十分な役目を果たすには、まだ高さが足らないですね。
話題は変わりますが、空路ボランティアに来た方たちなどが、上からの写真をたくさん下さりましたので紹介します。「幅200mのクロマツ林は、海からの塩の90%以上を漉し取る」。海岸林は幅も重要。
吉田です。10月中旬、プロがスズメバチの巣を発見。誘導灯の北、調査地No2の南、作業道から15m。ここは葛がなかったので行きませんでしたが、すこし離れたところで私自身が葛刈りをした場所でした。やはり、プロの力も借り、作業前日までに時間をかけて何度も何度もコツコツと、対象地全体を歩く必要を感じました。女王バチはきっと近くで冬眠しているでしょう。来春は早すぎたとしても(年々暖冬化してるし)、3月中にハチトラップをこれまでより多く設置し、誘引液も交換するなど、万全の対応をしたいと思います。
今年は毛虫にも悩まされました。3月~5月は、先手必勝で現場をじっくり捜索します。
広葉樹のいま(2024年11月)
吉田です。何が何本生き残っているか毎木調査まではできませんでしたが、写真だけは取ってきました。数年前までは9月中に調べないと落葉してしまい、生きているか確認するのが難しかったのですが、去年・今年は高温が長く続き、11月中旬でも葉がついていました。すでに草丈を越えているため、ここの2022年以降、下草刈りは行っていません。これまでの経過は、右側のブログカテゴリーの「広葉樹」をご覧ください。
以下は、中央ゲート南側国有林の最内陸部500m(波打ち際から400m)。北から南へ歩いた順で載せました。場所によって生育が非常にまばらということがわかると思います。
中央は実生の萩、
右はヤマザクラ(2016年植栽)
中央は植栽基盤盛土法面、
右は植栽広葉樹と植栽クロマツ
雑草の草丈も低い
大半が枯死した場所
皇居産エノキ
UAゼンセン、ホーチキ㈱、オイスカ四国支部、豊田推進協議会の皆さんと生長モニタリング調査
吉田です。来月に本数調整伐を開始する2018年植栽地で、8ヵ所調査プロットを新設しました。プロットは合計41ヵ所。10月27日(日)にオイスカ海外スタッフ研修、11月9日(土)UAゼンセン・ホーチキ㈱、11月11日(月)オイスカ四国支部会長、愛知県支部会長、四国支部と豊田推進協議会の会員、合計73名の皆さんにご協力いただきました。
回すのが大変でしたけど、地元のみならず大垣や大阪、青森、岩手、千葉などからの助っ人、ボランティアリピーターのおかげで何とか切り抜けました。続きは11月16日(土)公募ボランティアの皆さんに託します。終わる目途も立ちました。
ボランティアリピーター
地元宮城の大槻さん、ホーチキ元総務部長の吉岡さん、 一日早く来てくれたので新設8ヵ所を無事準備出来ました。
11月9日 ホーチキ㈱チーム 宮城支社長筆頭に、頭から「バカ」まみれ
2024年 ベストドレッサー賞
ゴミ拾いも全域で実施。
リピーター
香川から7名と宮城助っ人チーム
吉田です。10月18日~29日、ミャンマー・タイ・インドネシア・マレーシアの6名の、愛知・岐阜・宮城・東京の全研修日程をサポートしました。
オイスカ職員・海外スタッフにとって「子供の森」計画とは、海外の若手・中堅世代を鍛える格好の場と考えています。私自身にとっても、海外の学校での数々の経験の延長線に、海岸林再生プロジェクトがあると思っています。
振り返れば、私の1994年からの新人時代は、海外出張に行く人や、海外に関わっている人を羨望の目で見る、地方出張もまったくなく、専ら首都圏域の会員担当・資金獲得担当の営業マンでした。ですが、まれにチャンスも転がってきて、一期一会と思いながら学んで、今がある気がします。それから30年近く経ち、定年も視野に入り、強い意欲のある若い世代に機会を提供したいと強く思ってきました。海岸林が始まって以来14年半、現場に多くの職員・関係者を招きました。我々が5年・10年かけて覚えたことを、半分以下の時間で教え、進化を促すのが先輩の役目と考えています。
私にとっての森林保全・再生との大きな出会いは、海外のスリランカ・フィリピン・タイが国内の森よりわずかに先でした。「子供の森」計画の実施校を数十校訪ねる機会があり、この職場で仕事を続ける強い感動、そして意欲が生まれました。実際に自分で直接責任を持つ点では、東京・神奈川3校の学校林保全活動などが大きな転機でした。いずれも数haの小さな森の整備でしたが、知識・技術もさることながら、社会の仕組みや制度、児童・教員・保護者・地域住民・行政・専門家・現場従事者との関わり方、それぞれの現場に合わせたチーム(学校林保全活用委員会)の構築など、海外の「子供の森」計画を参考に応用しました。そもそも、何のための学校林整備なのか、関係する方々と、何年も繰り返し話し合いました。そういう私自身の背景からも、「子供の森」計画の小さな森の再生・保全を数多く実践することで、森林再生・地域開発現場の「基本」が身に着くと考えています。
アブラ州ムディ小学校(撮影2024年吉田)
27年前に初訪問した
「子供の森」計画
劣悪な土壌ながら大きな学校林・集落共有林化
今回の研修では3つの目標をもってサポートに臨みました。
① なぜ、何のために、その森に何を期待して木を植えるのか。そのためにどう植えるのか?森林が成立するまで、何をどうすべきか?まず第一に、目的や将来デザインを、そして、計画を考え抜くことが一番重要ということを伝えたかった。(あえて言えば、報告責任の徹底遂行や広報啓発、資金獲得などの講義は、今回はできなかった)
② コロナ禍で薄れた各国同士、現場最前線の若い世代同士の絆を、復活させたかった。各国同士が関係と関心を持ち、お互いを励みにする起爆剤にしたかった。
③ 最前線のコーディネーターから直接、現場の実情や、関わる人たちのムード・意欲など生の情報を得たかった。
生長モニタリング調査
結果、昨年5月のタイ南部のマングローブ再生プロジェクト漁村住民研修と並ぶ会心の出来。十分な手応えがありました。とくに最もうれしかったことは、戦乱下のミャンマースタッフの代表1人が8年ぶりの訪日を果たせたこと。また、2003年に私も間接的に関わって整備した、オイスカ中部日本研修センター近くの豊田市立上鷹見小学校の学校林(ビオトープと隣接)が、20年以上授業で使われ続け、貴重な草花の保護地になっていたことを知りました。まさか、自分たちの研修先になるとは・・・
右上(山の下)がビオトープ
後日、研修概要報告はHPに掲載されると思います。
愛知県支部、岐阜県支部、宮城県支部の会員・ボランティア、そして多くの協力者のおかげで、無事研修を終えました。あらためて御礼申し上げます。自分の故郷で「子供の森」計画に関わりたいと言ってくれるオイスカの研修生・技能実習生が増えるよう、微力ながら頑張りたいです。
【研修先一覧】
愛知:オイスカ中部日本研修センター(エコプリント製作、農作業、竹炭・落ち葉堆肥圃場視察、間伐作業・森の健康診断体験・タイ北部森林再生プロジェクトオンライン報告会視聴、会員等との交流会)、愛知万博会場跡森の学び舎、トヨタの森、上高湿地(ラムサール条約保護地)、上鷹見小学校学校林・ビオトープ、中金小学校・五ヶ丘東小学校ビオトープ、明治用水頭首工(日本土木遺産)、鳥居種苗店、スーパーやまのぶ、JA松平直売所(以上豊田市)、萩御殿治山工事跡(後世に伝えるべき治山60選・瀬戸市)
岐阜:岐阜県森林アカデミー内学習センター(美濃市)、木遊館(今年、天皇皇后両陛下視察)、鵜飼ミュージアム(日本農業遺産)、岐阜城風致保安林・長良川霞堤群(以上岐阜市)、岐阜県支部小川会長と意見交換、活動報告会(岐阜県支部主催・大垣市)
宮城:旧中浜小学校(震災遺構)、海岸浸食対策養浜工事「ヘッドランド」(以上山元町)、公共工事海岸防災林(岩沼市)、オイスカ海岸防災林(現場踏査・生長モニタリング調査・サイクリング・ボランティアとの交流)、海岸林後背地サツマイモ畑、国重要文化財洞口家住宅の「居久根」(屋敷防風林)、仙台空港北側内陸防風林、樹齢350年以上のあんどん松、スーパー食彩館リサイクルステーション、名取市震災伝承館、震災慰霊碑、ゆりあげ朝市(以上名取市)仙台市内街路樹、宮城県支部亀井会長表敬(仙台市)
県立名取北高校1年生19人のフィールドワーク
吉田です。10月16日午後、今年から始まった県立名取北高校の総合学習「地域探究講座」、1年生を対象としたフィールドワークがありました。保育、自然科学、家政学、インクルーシブ教育、障害者福祉、国際理解、震災伝承、地域史など、地元関連10分野の講義を4月に聞き、その上で海岸林再生プロジェクトのフィールドワークを選択した19人をバスで案内しました。
1学年240人が8分野から選択したうちの19人。シェアは8%。「海岸防災林に関心を持つのは、若者の13人に1人」という数字があぶり出されました。今年の夏、名取の海に来た生徒さんは3分の1以下。余談ですが、今年のボランティア941人のうち、Uー22の若者のシェアも8%でした。(去年より2%増)
むかし、オイスカに入った駆け出しのころ、京浜急行電鉄の会長のお計らいで、横浜駅の大魔神神社があった一等地で「タイ植林20周年写真展」をしたことがあります。ですが、あまりに見てくれる人がなく、カウンターで数値を取りました。一つだけ覚えている結果は、1・2枚でも止まって写真を見てくれた人は平均200人に1人だったこと。しっかり見てくれる人はほとんどいませんでした。
今日、再生の会が建てた石碑の近くに、新しい缶コーヒーが一つ捨てられていました。高校生の彼らに「これは我々に真心が足らないから、この松たちの持つ数多の意味が知られていないから捨てられる。捨てる気にならないような海岸林にしたい。だから一人でも多くの若い人に現場を見てほしい。そのために東京から来る価値があると思って今日は来ました」と話しました。
オイスカは、世の中から関心を得にくい分野で生きているという宿命は感じます。ですが、二宮金次郎さんなら「お前の努力が足らないからだ」と言うだろうと思っています。
かなりキャッチボール的コミュニケーションをしたつもりです。全員が何回も言葉を発する状況を作りました。クイズも逆質問もしました。すごく真剣に聞いてくれ、歯ごたえのある質問が飛んできました。この21人の中から1人でも、11月16日の公募ボランティアに来てくれたら素直にうれしいです。3年間の付き合いが生まれるといいなと思います。
今日は、フィールドワークに参加しない2・3年生、野球部や海岸林リーダーの生徒たちが挨拶に来てくれたり、若い先生とずっと一緒だったり。楽しかったですよ。野球部の3年生のマネージャーさんには、「大学に行ったらオイスカでインターンしない?」って名刺渡したり・・・
【3時間バスコース】
北高→サイクルC屋上→北釜防潮堤&波打ち際→葛繁茂地帯→骸骨コレクション&石碑→2014年植栽地林内&計測体験→北高