ニセアカシア

2012年6月22日( カテゴリー: 広葉樹, 海岸林あれこれ )

 北アメリカ原産で明治初期に日本に入った落葉高木。
マメ科で、「ハリエンジュ」というのが正式名称。
いつか植林した木を守るために「戦う」事になるだろう大敵です。
生命力がとても強く、海岸林造林現場の貧栄養性の砂地でも生えてくるため、
植えた木の上に覆いかぶさり、制圧してしまいます。

およそ木と言う木に悪意を持って生きている木ではなく、
肥料木でもあり、蜜源となる木でもあります。
とても大きくなるのですが、強風の後に倒れたり折れたりしているのを多々見かけます。
棘があります。
林業会社に勤めている時も、ひっかきました。
秋田の能代、「風の松原」の保全活動では、「芽かき」と呼んで、
下刈・除伐に経済団体や学生、市民が毎年辛抱強く参加しています。
そう言えば、風の松原ではこのような看板を見ました。
「根っこの様子を見比べてください。
クロマツ ニセアカシア
強い風にも耐えられるのはどちらでしょう」
と書かれています。
看板の意味、お分かりになりますか?
 

根っこ

2012年6月21日( カテゴリー: 現場レポート )

写真の苗は生育不良なので間引いたもの。
(発芽から45日目です)
根の長さに注目してください。
ボールペンで描いた横線から上が地上です。
地表では見た目には、かわいい稚苗ですが、根は茎の数倍の長さでしっかりと張っています。
だから抜こうと思っても簡単には抜けませんでした。
このように、最初に根が真下に張るのが木の特徴だと聞きました(クロマツは深根性)。その後に横根が張っていくそうです。
見た目ではなにかの野菜の苗にも思えるかもしれませんが、根を見てこれが「木」であると実感しました。

ヨトウムシ 2

2012年6月20日( カテゴリー: 現場レポート )

6月14日。
2回目の草取りと薬剤散布を行いました。
昨日のブログの中でオイスカの森林の専門家・清藤参事が話していたように
これからいろいろな菌や害虫との戦いです。
それらの敵からマツを守るため、殺菌剤や殺虫剤の力を借りなければなりません。

菌も虫も生き物ですが、海岸林再生のためには犠牲になってもらうしかないのです!
ごめんなさい!

ヨトウムシ 1

2012年6月19日( カテゴリー: 本部発 )

国内外で森づくりに取り組むオイスカには緑化技術担当の参事がいます。
先日、参事から現場にこんなメールが送られました。

_____________________________
佐々木様、秋山様

 ご苦労様です。これから心配されるのは立ち枯れとカブラヤガ等のヨトウムシの被害です。
立ち枯れは土壌中のフィザリュウム菌などに地際がくびれて、倒れ枯死します。
こちらは取り除かないと蔓延しますので注意していてください。

ネキリムシと思ってもこの立ち枯れやヨトウムシの場合があります。
ヨトウムシも6月と秋口によく見られますので注意してください。

ヨトウムシの場合は根と茎を食い、葉だけが地表に残されます。
その周りにガの幼虫が潜ってますので、掘ってとりのぞいてください。
瓶を用意して箸でつまんで酢水で死ぬとおもいます。
結構これが出ると思いますので、毎日見回りは欠かさないようにお願いします。

夜しか出てきません。昼間は土にいます。
農薬を使うなら殺虫剤系のものを使ってください。オルトラン、デンポンとか。

とにかくこれから見回りが肝心ですので、とにかく観察、観察、除草もこまめにお願いします。
6月半ばには追肥バラマキで結構ですのでお願いします!

6月6日
オイスカ緑化担当参事 清藤城宏
_____________________________
まだ見ぬヨトウムシがものすごく悪者に思えてきました(笑)
現場は観察、観察、除草、除草・・・。
枯らさぬよう、しっかりと生育できるよう、常に緊張を強いられています。
簡単な仕事ではないことは分かっていましたが、あらためてそれを感じています。

小鳥

2012年6月18日( カテゴリー: 現場レポート )
空いている畑の草が随分と大きくなったので、先週、トラクターで耕転しました。
 
耕した後の畑にはスズメなどの小鳥が集まってきていました。
草を刈られ、隠れ場所がなくなった虫を逃すまいと、小鳥が食べに来たようです。
ガのような飛んでる虫も、小さいくちばしで見事に捕える姿は拍手ものでした。
 

海岸林復旧工事の地元建設現場を訪ねました。
「横風に注意!!」の貼り紙にある「風速の目安」を見て下さい。

 ↓ 拡大してみました。


写真奥は海の方向で、吹き流しから、東風、海からの風と判断出来ます。
地元では通称、「沖風」、なかでも冷たい北東からの風を「ヤマセ」と呼んでいる ようです。
地元の内陸部は田植えを終えたばかり。
潮風が農業や生活にどのような影響があるか、新潟大学農学部の川邉教授や権田准教授の知見を頂きながら継続的に調べたいです。
海岸林がなぜ必要なのか、多くの人に知っていただくために。
沖風は秋まで続きます。

出張報告 4 ~名取測候所~

2012年6月14日( カテゴリー: 現場レポート )

「海岸林は防霧の効果も持つ」
防霧保安林も各地にあります。
昨年、秋山君がインターンの面接に来た際、最初に腕試しに「仙台管区気象台HPの気象データを自分なりに分析してみて」と頼んだ事を思い出しながら、とうとう自分で仙台空港管制塔の建物の中にある名取測候所を訪ねることに。

16:00過ぎ。
大勢人がいます。初めて行きましたので驚きました。
写真は朝番と夜番の人の引き継ぎ風景です。
「霧発生日数」を含む気象データをいただきましたが、海岸林が無くなる前と後で、霧発生日数の変化がどうかは、素人が簡単に判断出来る事ではありません。
仙台空港に勤務する複数の人から、昨年の濃霧について聞いており、どの様に表現できるかは、じっくり専門家の話や地元の人の話を聞いてみたいと思います。
ある方からは、「反当たりの収量も調べる価値があるのでは」とのアドバイスを頂きました。
「富山の黒部では、海岸林造成で農家の方が非常に喜んだ」との話を聞いた事があるとも伺いました。
どなたか、何かご存じありませんか?
どこに行けば良いものか。是非欲しいデータです。

飛砂・飛塩調査 その1

2012年6月13日( カテゴリー: 現場レポート )

6月3〜4日、宮城県名取市・岩沼市にて、オイスカの吉田さん、秋山さんと一緒に、飛砂・飛塩調査をおこないました。
この調査は、海岸林があることにより、海側から内陸に飛んでくる砂や塩分の量がどの程度防がれているのかを計測することが目的です。
昨年秋に、新潟大学農学部の権田先生・川邊先生に、調査方法をご指導いただいた末に、今回の実施となりました。
調査地点は二カ所で、海岸林が完全に失われてしまった場所(名取市閖上(ゆりあげ)地区)と、ある程度残存している場所(岩沼市南浜地区)に設定しました。いずれの場所とも、海岸の目の前・約400メートル後方・800メートル後方のポイントに、砂や塩分を捕捉する器材(ガーゼを空中にさららして飛んでいくる塩分を吸収/地面にカップを埋めて砂を捕捉)を設置して、24時間置いたのちに回収しました。
海岸林が残存している場所では、林を間に挟んで前と後ろに設置することになり、砂や塩分が飛ぶのを食い止める効果が予想されます。
調査結果は、このブログで追って紹介いたします!

 


(アース・ブレークスルー 菅 文彦)

出張報告 3 ~盛土工事~

2012年6月13日( カテゴリー: 現場レポート )

海岸林を再造林するための盛土工事が各方面で始まるので、仙台市の現場を見てきました。
名取市のある工区では15haに13万6千m3の土を盛るそうですから、平均すると3m高。
10tトラックで22,000台でしょうか?
最優先の堤防工事も国土交通省が全力で進めているのが、トラックの数からもわかります。
環境省も震災瓦礫を使うことを想定した通達を出しました。
林野庁もドシドシ入札を始める事になるでしょう。
事故なく、安全に進んで欲しいなと思います。
しかし、海岸林の植林はまだまだ先です。


アリジゴクはお寺の軒下にいるものと思っていました。(笑)
この前、踏査をしている時に、どう考えてもアリジゴクの穴が。
しかも、たっくさ~ん。
アリもいるのでつい地が出て、小学生に戻ってしまい、
同行していた秋山君と菅君の両方から「いい加減にしろ」と。
アリをゲットしようとして、底から砂を掛ける様は、ミクロながらも迫力満点。
しかし、アリもさるもの。一度も捕まりません。
海岸林が倒伏して晴天に晒されるところにもアリ、いるんですね。
サラサラした砂があればイイのでしょうから。
津波で海から砂が押し寄せて良い環境が出来たのでしょうが、震災前は暗い森だったはず。
元はサラサラした砂があるところではない。
あんな小さな、歩く事など不得意そうな生き物が
どうやって来たのでしょうか?
震災後、ヘビは全く見なくなったとの話を聞きました。
ネズミは居るそうです。

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