千代のまつ

2014年4月12日( カテゴリー: 本部発 )
入りそめて 国ゆたかなる みぎりとや
  千代とかぎらじ せんだいのまつ

伊達政宗公が詠んだ歌です。
目的と目標をもって松を植えたこと、1,000年以上先を見据える気持ちを持っていたことが、明確ですね。
こういう思想で仕事に取り組まねばならないと教えられました。
目下、私たちは脇目も振らず、植栽成功の一点に集中して毎日を過ごしていますが、
NHK Eテレ「知恵泉」~伊達政宗~前編・後編の両放映を通じて、当プロジェクトに関わる
多くの方々が心の中で思っていることを、よくぞここまで表現して下さったと思いました。
私もこの3年、治世家としての政宗公の話を、広報室長相手に何度もしてきました。
日本一の運河「貞山堀」をわたる度に、政宗公の背中を意識するぐらい、
想い続けた3年というのが事実です。
物事はさまざまな背景、一言では言えない長い経緯があって、今に至ります。
そもそも伊達政宗公が政策の一環として海岸林植栽を命じた理由を知ったのは、2011年の震災直後。
愛林組合をつくり、村人の手で植栽し、愛林碑を建てたことを初めて知ったのは5月。
宮城の海岸林を調べれば調べるほど、その記述がありました。その頃の人も政宗公の思想を意識したことでしょう。
前編後編を通して今回の番組で紹介されたように、彼のもっていた理念、政策や施策は、
私たちの今にも将来にも、必ずつながると思ってきました。
着眼大局、着手小局。
皆さまとともに被災地全体の復興・発展への道のりの一端を担いたいと考えています。
また、ここに海岸林があった背景や、再生の目的を理解する市民を増やしたうえで海岸林を再生させたいと考えています。
この仕事を通じて、国づくり、ふるさとづくり、そしてそのための人づくりを志しています。
私は「それを実践する組織が世の中に必要」と思って、オイスカで働いています。
最後に「愛林碑」が紹介されたときは、思わず涙が出そうになりました。
「全てが流されても、流されなかった」あの石碑は、僕らのバイブルのようなものです。
放送を見て、想いを共有してくれる人がまた増えるだろうと思いました。
取材のお話は、治山技術者が我々を紹介して下さったと聞いています。
光栄に思うとともに、これからしっかりやらねば。
15日(火)朝5:30~6:12に、NHK Eテレ「知恵泉」~伊達政宗~後編再放送があります。
1人でも多くの方にご覧いただきたいです。
ディレクターの酒井さんを愛林碑にご案内

ディレクターの酒井さんを愛林碑にご案内

4月23日(水)17時ごろ ラジオ関西(558khz)の
ニュース番組 「時間です!林編集長」(16:30~19:00)の
「つながる東日本」のコーナーに、2012年5月16日に続き、2回目の電話生出演をします。
新たに2階増設と電気配線、電話などの工事、机などの引っ越しを終え、
広くなった事務所の2階から、兵庫をはじめとする関西地域の皆さまに、
海岸林再生や復興の様子をお伝えしようと思います。
再生の会、森林組合、オイスカの合同事務所ですから、
電話をオンフックにして、みんなでやっちゃうかもしれません。
「5時だっちゃ! おばんでがす!」
兵庫全域と周辺地域、558khzです。
この地域は支援者が極めて少ない地域ですが、
震災から4年目となって、なぜか関西にご縁が多くなってきました。
住友化学と労組さん、JR連合さん、産経新聞労働組合さん、ネクスタさん、
そして、寄付先に選ばれた大阪マラソン。。。まったく理由も脈略もない、単なる偶然だとおもいます(笑)
4月に新たに就航した仙台空港-神戸空港のスカイマークに乗る機会もでてくるか??
それにしても仙台空港は次々と新たな便が就航する。
兵庫の人に話す機会をいただいたのですから、
まだ行ったことのない日本海側の香美と、瀬戸内側の須磨の海岸林についても
少し勉強しようとおもいます。

前田建設工業㈱様のご支援により、いよいよ宮城中央森林組合の作業班を迎え、名取市海岸林再生の会、オイスカとの三者体制の
環境整備として、今週月曜日、名取事務所に2階を増設しました。
2階が合同事務所、1階が作業員さんの休憩所兼休憩室と物置になります。
140407

12年2月の様子。事務所はひとつだけ。ネットも看板もありませんでした

12年2月の様子。事務所はひとつだけ。
防風ネットも看板もありませんでした


「宮城中央森林組合と組む」というのは、計画の1丁目1番地。
表立って具体的に申し上げたのは、2011年5月24日の国、県、林業事業体、地元市民との初協議の際です。勝手流ではない、事業規模の推進であるということは、なかなか信用してもらえないだろうと思っていました。これまで行政各方面から幾度となく裏を取られ、確認されました。「信頼を得るのに3年」と思っていた私どもにとって、その問いは何の苦でもなく逆に行政の状況や、信用度を推し量るバロメーターとして、安心材料になりました。
また、万が一でも森林組合幹部が心変わりしないよう、無数の交流もしましたし、(接待ではありませんよ)、宮城県の森林環境税が凍結され、数年がかりの森林整備を途中中断されてしまうと数年後大変なことになってしまう現場のお手伝いもしました。
以来、無我夢中で駆け抜けた3年が経過し。
いよいよ本番を迎える準備は、時間との勝負を迎えています。
この日も暖かく、いい天気の名取でした。
それにしても今年は、去年と真逆の天候です。
まだ1階しかありません(12年6月撮影)

まだ1階しかありません(12年6月撮影)


2階完成!!

2階完成!!

第2育苗場の土壌調査サンプル採取と苗の様子を見てもらうため、
清藤城宏緑化技術参事を第二育苗場にご案内しました。
班長の櫻井さんは前夜、寒風の中、楽天vsオリックス戦を観に行って、
当日は高梨さんがデーゲームに行っていたそう。

左から清藤先生参事、再生の会事務局の菅野さん、第2育苗場班長の櫻井さん

左から清藤先生参事、再生の会事務局の菅野さん、
第2育苗場班長の櫻井さん


こちらは海から9km。第一育苗場周辺と違い牧歌的な田園風景です。仙台駅の手前です。東北新幹線からも見えるんですよ。
大分県豊後大野市の「みらい蔵」さんに分析をお願いしています。普通は乾燥した状態で送ると思うのですが、「乾かしちゃダメ!」ということで再度の送付。
送った土が乾かなかった第一育苗場の結果は既に出ているのですが、ありとあらゆる条件が絡み合い、予想と反対の結果でした。やっぱり確認というのは大事ですね。我々は、昨日から施肥設計を始めました。
何しろ土がイイ。フカフカです。
こちらは第一育苗場と違い、海から離れているので井戸水の塩分混入などもなく、予想と大きな違いが出ることもないでしょう。
およそ2万本の植栽目前のクロマツ苗木と、1年生の抵抗性クロマツコンテナ苗が育っています。
「どうもね~」

「どうもね~」

本日4月8日(火)23時~23時42分のNHK Eテレ「知恵泉」~伊達政宗~                       当プロジェクトが紹介されますので、ぜひ放送をご覧ください!(再放送もあり)
4月3日、清藤緑化技術参事、佐々木統括と
広葉樹生育状況を実査しました。
海岸林再生プロジェクトの広葉樹に関しては、
「三井物産環境基金」の助成をいただいております。

40cm高のクリ。根っこも40cm以上

40cm高のクリ。根っこも40cm以上


昨年5月18日にクリとコナラを播種して1年。
今日半日は、全数調査と、1年で植栽に使えそうな苗の有無の確認、掘り取りと床替、出荷・植栽、圃場の改良、今春の播種などを検討し、森林組合との協議資料をつくりました。この環境ながら、200本程度使えるものがありました。
多くのものは2年かけて育てる予定です。
昨年以来、海岸から1.4kmの位置にある第1育苗場で0.07haだけ拡張し、地盤沈下して雨が降れば田んぼのようになる土地ですから50cm厚に客土。
植栽盛土と同じ環境の凝灰岩や礫交じりの、まさに「無機質」な土を。被災地においていい土は、依然「高価」ですし。
「植栽できる場所が明確になるまでは本格生産しない。
とにかく試験」と思いながら、先行実施してきました。
全く施肥せず、趣味的にお金や手間をかけず、
敢えて厳しい環境のなかで実施しましたが、
海からの十分な距離もあることからなんとか生育していると思っています。
横では防風ネット修繕。「一服中」今年は暖かい。風も少ない。この後は雨に

横では防風ネット修繕。「一服中」今年は暖かい。
風も少ない。この後は雨に


植え付けの事を思うと、海岸のあの環境下での広葉樹はお金がかかり、どうしたら低コストになるか、今後のこともいろいろ話し合いました。
津波で遮るものを失ったため、内陸からの寒風が「吹きっさらし」の荒野を背にした海岸では、植栽箇所も極めて限定的です。
東京の横田基地の近くにある私の自宅や、永福町のオイスカ本部の近くの梅や桜を少しだけ見る時間がありましたが、
名取の被災地は花木を全て失い、季節感のない荒涼たる光景です。移動中の車窓から、栃木や福島で花が見えるといつも目が行ってしまいます。内陸7kmの名取市役所の桜もまだ開花していません。
私たちは海岸林再生に集中せざるを得ませんので、
範疇外のことに手を出すゆとりなどありませんが、
いつか季節の花がたくさんある、もとの「ふるさと」になって欲しい、
僅かながらお役にたてないかと思い、
ニーズにアンテナを立てながら名取の日々を過ごしています。

たまごをいただきました!

2014年4月7日( カテゴリー: 現場レポート )

明日4月8日(火)23時~23時42分のNHK Eテレ「知恵泉」~伊達政宗~                          当プロジェクトが紹介されますので、ぜひ放送をご覧ください!(再放送もあり)
4月3日、愛知県豊田市にあるオイスカ中部日本研修センターの
自家製「たまご」が36パックも再生の会メンバーに届きました。
DSC_0091今日の仕事は終日8人。
蔵王おろしで若干傷んだ第1育苗場の防風ネットを補強。
これに加えて、私と清藤城宏参事は、広葉樹育苗の実査と、今後の計画づくり。
気温はあたたかなものの、昼過ぎから雨が降り始めました。
夕方には見事に仕事を終えたところに、届いたものですから大盛り上がり。
私が市役所と打ち合わせから戻ると、みんな会心の笑みで卵を「抱いて」いました。
DSC_0017
「吉田君、オイスカは卵もつくってんのぉ~」
追々ゆっくりご理解いただけば良いと、今まであんまり「オイスカとは?」などと説明していないので。
「外国の研修生が来て、米だの、野菜だの研修してるっちゃぁ~」と周囲から。
 
■中部日本センターの養鶏については下記をご覧ください。
http://oisca.org/support/more/oisca/magazine/pdf/1306.pdf
■研修センターホームページ
http://oisca-chubu.org/

全苗連組合長の実査

2014年4月4日( カテゴリー: 現場レポート )

4月2日突然、全国山林種苗農業協同組合の太田清蔵組合長が、実査と指導にお見えになりました。
DSC_0004佐々木統括、清藤参事と私がちょうど3人そろった絶妙のタイミング。
現在、宮城県農林種苗農業組合の組合長、白石森林組合長を現在も務めておられます。
震災直後5月24日、初めての行政・林業事業体との初協議以降、現在の再生の会メンバーの初種苗農家訪問、第一育苗場の選定、初めてのクロマツ種子払い下げ、育苗場お披露目、再生の会総会、そして先日の第1回定期活動報告会と節目の全ての立ち会いはもちろん、日常的にご指導いただいています。
DSC_0002「いい苗だっちゃぁ~」
やっぱり1本抜いて、根を見たコメント。
先日、林久美子広報室長が書いたブログ「個性」について、聞いてみました。
「よく見るとみんな違うように見えるんですけど」と。
「だっちゃぁ~。色々なクロマツを混ぜてるんだっちゃ。前に西日本の杉が台風で一斉に倒れたのは、同じ種類のスギからの挿し木だったからなんだっちゃ。同じスギでも色々な種類を混ぜてるんだぁ~」
太田組合長は御年84歳。
今朝は2時起き。書類仕事をして6時に県最南端の白石市のご自宅を出て、5件の種苗農家をアポなし指導。お昼過ぎ、6件目が我々。毎日18時には「ご就寝」と聞いています。
3年前初めてお目にかかった時、
「ともに肩を組んで復興に協力したい」と言ってくださったことは、
この仕事をする限り忘れることはできません。
組合に受け入れていただけなかったら、私たちの構想は一切無に帰していたわけですから。
最後に一言、「一生懸命やってけろやぁ~」

二木の松(岩沼市)

2014年4月3日( カテゴリー: 現場レポート )

3月29日。
自分の荷物の引っ越し。
東京から名取へ拠点を移しました。
翌日はほとんど縛りがないため、
名取市南隣、岩沼市内山中の「グリーンピア岩沼」に宿を取ってみました。
途中、岩沼市役所近くにはイイ飯屋があるのではと思って、空腹に任せ、
国道4号線から道を外れ、いつものようにヤマ勘で。
「かつ吉」!!
こんなに旨いカツはない。思わずスタンプカードをもらってしまった。
宿をめざして一直線。既に夜半。
竹駒神社近くに「二木(ふたき)の松」という看板が目に入り、明日ゆっくり見てみることに。
偶然、宿のチラシ置き場で「おくのほそ道と岩沼」という文字が目に入り、
チラシを部屋に持って帰り、金曜ロードショーの「ルパン三世」もそっちのけで、
感心して読み入ってしまいました。
「おくのほそ道と岩沼」 詳しくはコチラ(PDFファイル)
「武隈」=岩沼の古称。
「武隈の松」=「陸奥のシンボル」
「武隈の松」=「二木の松」
「二木の松」=7代目
その間、西行法師も訪れ、芭蕉も一句を読んだ。
DSC_0022車で移動すると、東北道沿い黒磯付近には大層立派な「赤松並木」があり、仙台東部道路からは樹齢350年を超える巨大な「行燈松」が名取側の土手の上に見え、奥州街道の宿場町であった名取駅近くには樹齢数百年の「衣笠の松」がありますが、「二木の松」は存じ上げませんでした。
このコースは車がお勧めです。宿は部屋が広い!スポーツ施設が充実し、団体研修・旅行には最適。

伊達政宗

2014年4月2日( カテゴリー: 本部発 )

広報室の林です。
昨晩、事務所のテレビでプロジェクト担当の吉田とともに
NHKの歴史番組をみました。
伊達政宗の特集です。

愛林碑

愛林碑


来週放送予定の後編では「海岸林再生プロジェクト」も紹介されます。
昨晩流れた予告にも、ブログにたびたび登場する“愛林碑”や名取市海岸林再生の会の高梨さんが映っていました。
昨晩ご覧にならなかった方、ぜひ来週の放送をご覧ください!

三寒四温と頂芽

2014年4月1日( カテゴリー: 本部発 )

3月末は、気温20℃を超える日が2日続きました。
ですが、やはり「三寒四温」。
農家の人と話すとすぐこの言葉が出てきます。
3月30日は一転して冷たい雨。
去年は、降ったか降らぬかわからない雨ばかりでしたので、
良い方に解釈したいです。
乾燥注意報が全県に出ていたし、こっちの業界は、体を休める日にもなったことでしょう。
自分の着替えや、書類などを引っ越ししてきました。
引っ越しといっても、いたって簡単。
DSC_0028コンテナ苗はビニールハウスの外に出されました。
ですが、寒さ除けの「寒冷紗」の中です。
以前、広報室長が気付いた「頂芽」は、ほかのどこに行ってもまだ白なのですが、うちの育苗場の多くは茶色に変色。
防風ネットの効果かもしれません。不勉強なのですが、「三寒四温」で白→茶→白→茶と、その日に合わせて、重ね着、薄着を繰り返しているように、私には思えてしまうこの頃です。
明後日、気象庁仙台空港測候所に行って、また気象データをいただきながら、専門家のお話も伺おうと思います。

こちらは茶色の頂芽

こちらは茶色の頂芽

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