植栽技術講習会 その1 治山事業として・・・
広報室の林です。
4月21日、名取事務所には約30名が集まりこれからスタートする植栽に関する
講習を聞いていました。参加したのは「名取市海岸林再生の会」のメンバー、
宮城中央森林組合、そして仙台市森林アドバイザーの会の皆さん。
林業に疎い私も皆さんと一緒に参加させていただきました。
名取事務所の佐々木統括から改めて基本的な考え方が示されました。
「海岸林再生プロジェクト」は、治山事業の基準で取り組む
以前、林野庁の方が
「1haでできることと100haでやらなければならないことは違うんです」
と説明されていた際、その表現にとても納得していたのですが、
植栽を目の前にして実感を伴う理解として心の中にすとんと落ちました。
これから植える場所は、植栽基盤工事で造成された盛土の上。表面はガチガチ、貧栄養で、石がゴロゴロしている最悪の条件。よい土は農地復旧に優先されるでしょうし、1haだけなら植穴に肥料をたっぷりいれて、苗が育ちやすい条件を作れるのかもしれません。ただ、それではあまりにもコストがかかりすぎます。
1haでできることと100haでやらなければならないことはやはり違うのです。
プロジェクトは事業規模で進められます。
多くの企業・団体や個人の方に「ボランティアで植栽をしたい」とのお申し出をいただきますが、やはりこの地での植栽はプロにお任せするのが正しい判断だと感じます。
一般市民がボランティアとして参加して、活動体験ができる森づくりと
治山事業として進められるべき森づくりは違うのだという理解が進むといいなぁと思います。
4月19日、今年度初の現場ボランティアの受け入れを行いました。
地元宮城県からの参加に加え、東京、埼玉、神奈川、そして静岡からも参加がありました。
最年少参加者は高校3年生! 彼の4.5倍ぐらい人生を長く生きている方も参加。
40人の老若男女が集まってのボランティア活動の報告です。
朝8時半集合。
名取は冷たい風が吹いていました。
佐々木統括がよくいう二つの「カンプウ」にさらされる過酷な環境。
「寒風」も「乾風」も肌に刺さるよう。
作業も過酷。
鍬を使い、育苗場を耕し、ゴロゴロ転がっている石を外に出します。写真ではこの大変さが伝わらないと思いますが、普段鍬を使わない人たちにとっては、腰は痛いし腕は痛いし・・・・・・。しかも男性は朝スタートして午後までこの作業。
女性たちはこの時、ひたすら割り箸を割る作業。その数5,000本。ラーメン屋からもらってきた使用済み割り箸は洗って使います。寒風が吹きつける中、冷たい水で洗います。「見た目ほど冷たくないんですよ」とおっしゃっていましたが、手は真っ赤。地下水はあたたかいとは言いますが、やはりこれも過酷。
割り箸は何に使うのか・・・?
まず、こんな風にスプレー塗料で色付けします。
そして、次の作業はこれ。
・・・・・・といっても何をしているのかよくわからないですよね。
植栽予定地への印付け作業です。通常、1.4m感覚で植えていくのですが、プロは印なんてつけなくても大丈夫。ただ、地元名取市の皆さんにご参加いただいて植栽する1haについては、初めて体験される方にも分かりやすいよう、植える場所に目印を付けたのです。
割り箸が刺さらない堅い土。穴をあけるために五寸釘を使いました。それでもなかなか割り箸が奥に入らないので金槌隊も出動。
盛り土の上は、カンプウにさらされるだけではなく、低栄養土壌で苗木にとっては過酷な環境だということが皆さん理解できたようです。
大変な作業を体験していただいた一日でした。
皆さん協力し合いながら積極的に作業に参加してくださいました。
感謝感謝です。
参加してくださった皆さん、疲れは癒えましたか?
ご参加ありがとうございました。
心強い支援者 (株)パシフィック 鈴木賢司社長
仙台空港及び福島空港における航空機に対する給油代行。
航空燃料、産業用潤滑油 など石油製品の販売を事業とする会社です。
海岸林植栽地に最も近いオイスカ法人会員で、
当プロジェクトにも毎月寄附を続け、ほとんど全ての活動に参加くださっています。
私には地元の情報、肌感覚をいつも教えて下さる方です。
名取事務所2階増設を知って、差し入れを手に、やはり誰よりも早く見に来てくださいました。
以前、「海岸林再生プロジェクトの社会的意義」として、
当ブログに寄稿してくださいました。あらためてご紹介します。
①子供のころから当り前に存在し馴染んでいたあの松林が、人の手によって植えられ、その後ずーっと人の手が加えられて継承されていたことを、初めて知りました。
②併せて、日本の森、里山について本を読み話を聞き、初めて認識を深めました。
③そして、この初めて知ったことを、周囲の人に得意がって話しました。
こんな、私のような人が、この2年間に全国に何人か生まれた、ということは、大変大きな出来事で、意義深いことだと思います。 たぶん、この機会がなければ、何も知らずに私はそのまま死んでいたでしょう。 もっとも感じるのはそのことです。
それと、再生の会の鈴木会長とオイスカさんとの出会いがあり、
被害があった140kmの中で、仙台空港を含むこの5kmにオイスカさんと縁ができたことは
大きな意味があります。間違いなく仙台空港は、空港民営化でこの何年か、全国的に注目を浴びます。
宮城県も空港活性化を震災復興の目玉と位置付け、最大の動きをとっています。
また、今年仙台空港は、大増便で過去最高の定期便が就航します。 国際線も増えます。
人がたくさん来ます、注目されます。そんな時に、モデル的に空港前の海岸林が再生されていくのは、
「やるのはこの場所しかなかった」という、なんか運命的なものすら感じます。
・・・・ということで、私としては、大変良い出会いをさせていただいたと、感謝しております。
まあ海岸林の周りに人がいないこともあり、むしろ地元の盛り上がりに欠けていると思いますが、
自治体、学校等、これから海岸林の意義を含めて授業にでも組み入れてもらえば、
その家族ともども、 大きな盛り上がりになると思います。子供たち同士でも電車で空港までくれば、
バスや自転車で 移動できる仕組みでも作れば、仙台空港とセットで、
飛行機見ながら喜んで参加する人増えるんじゃないでしょうか。
私は「目立たず騒がず人知れず、あなた百までわたしゃ99まで」を基本で取り組みたいと思ってますので、
よろしくお願いします。 (「あなた百まで、わたしゃ99まで」は今書いていて、
語呂よく出てきたので付け足しただけですが、まぁ長期戦で行きたい程度の意味合いです)
第4回大阪マラソンチャリティーランナー募集(10月26日開催。あと最低14人!!)
今年10月26日(日)に開催される第4回大阪マラソン組織委員会より、海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画」が、寄付先に「採択」されました。プロジェクトの趣旨に賛同する20名のチャリティーランナーを7月末まで募集しています。すでに6名の応募がありました。ありがたいことです。
募集の方針としては、「1名につき7万円以上の寄付金を集め、大阪マラソン42.195kmを完走を目指すチャリティーランナーを決め、9月末まで寄付金募集にご協力いただける組織」を、20団体程度募集します。第1号として住友化学労働組合様から5名が、続いてJR連合様から1名が名乗り出てくださいました。それら組織を中心に、当プロジェクトの寄付金募集、広報普及活動を行いたいと思います。独自の活動として、被災海岸林再生活動(8月30日)、合同トレーニング(8月31日)も行います。
公式募集サイト http://osaka-m2014.justgiving.jp/
オイスカ 募集チラシ 140331【海岸林】チャリティーランナー募集要項(大阪マラソン)
【今後の日程】
●5月20日(火)15:00~17:00 募集説明会in大阪(【変更】場所:住友ビル5階(住友化学フロア)大会議室
住所:大阪市中央区北浜4-5-33
(住友化学の大阪本社 地図)
6月16日(月)15:00~17:00 募集説明会in東京(オイスカ本部会議室 杉並区和泉2-17-5 tel:03-3322-5161 地図)
6月17日(火) 17:00~18:00 募集説明会in宮城(ホテルグランテラス仙台国分町10階 仙台市青葉区国分町2-2-2 地図)*支部幹事会・会員懇親会と同日
●7月末 海岸林再生プロジェクトのランナー締切
チャリティ―ランナーは、Justgiving Japan(世界最大の募金サイトの日本版)のサイトhttp://osaka-m2014.justgiving.jp/ に自ら登録して、チャレンジ宣言を行います。寄付先団体の応援もいただきながら、期間内の目標金額達成に向けて、SNSなどのツールも大いに活用しながら寄付活動を行います。
●8月30日(土)終日・31日(日)AM 被災海岸林再生活動と合同トレーニングin名取
「ボランティアの日」の作業に加わっていただき、育苗場の除草、植栽現場の草刈り、被災海岸林などの視察を行います。30日は午後からの参加でも結構です。31日は名取市海岸林全体を把握していただく予定です。
●9月末 募金活動終了
●10月25・26日(金・土)大阪マラソンEXPO2014(インデックス大阪)にチャリティーブース出展。会場での広報・PR、募金活動を行います。
●10月26日(日)大阪マラソン当日。走り終えた後は交流会を行いたいと思います。
【お問い合わせ】 ご関心のある企業・団体・個人の皆さまは、オイスカ啓発普及部 中西・三谷・吉田 (TEL:03-3322-5161)まで。
● 採択通知 PDF
● YOMIURI ONLINE PDF
なお、Justgiving Japan(世界最大の募金サイトの日本版)のサイトには、ANAすか(全日本空輸グループ社員有志による海岸林再生プロジェクト支援チーム)の取り組み先例があります。http://justgiving.jp/c/7981
「松島や ああ松島や 松島や」
先週の名取滞在中のこと。
値下げが始まったころを見計らい、スーパーに3食分の弁当を買いに行くとき、
地元民放ラジオで、 「松島や ああ松島や 松島や」の「松島」を使わず、
『貴方の一句をご応募ください!』と流れていました。
ぜひ視聴者の一句を聞いてみたい。
小学校の時に俳句の授業で叱られたぐらいなので、自分の一句は思いつかなかった。
ですが、ちょっと調べてみると、これは「芭蕉作ではない」そうですね。 まったく知りませんでした。 江戸時代後期に相模国の狂歌師が作ったもので、「松嶋や さてまつしまや 松嶋や」の「さて」が「ああ」に変化したとのこと。
その次の日、前後の都合で松島に宿泊しました。 今まで何度も松島に泊まっていますが、「絶景の館」の海側の部屋には初めて。 目の前というより、足元に松島。景色重視の人はぜひ。
岩手県産アカマツ5,750本到着→仮植
4月8日、岩手県産の種子で、育ちは宮城県の
マツノザイセンチュウ抵抗性アカマツの稚苗(1年生)5,750本が、
宮城県農林種苗農業協同組合を通じ、
宮城県北部、加美町在の「宍戸苗園」(種苗組合員)から届きました。
配達前日になって、「5,000本追加購入を!明日配達」と組合から連絡が入りました。 750本が5,000本です! 突然系、この世界よくある話です。我々は困るわけでもないので即対応。
いつ来るかわからないから、と朝7時からトラクター耕運をして待機しようと決めました。 朝なら風も吹かないし。 感心してしまったのは、オール8の化成肥料を軽く撒いておくことを、佐々木統括はやはり忘れなかった。 こういうことを統括より「先に」気付けるようにならねば。
苗が届いたのは朝8時。私にもトラクターの乗り方を教えながら、耕運をしてくれた再生の会の森さんが朝飯に帰った直後。 まず、蒸れないように段ボールを開封し、乾かしてはいけないから日陰へ。事務所に泊まっていてよかった。 「何時に来るかわからないからスタンバイを」と予め予想していたので、森さんはすぐに来て、9時過ぎには、3人で仮植開始。
並行して、事務所2階では内装工事が続行。
私は森林組合と、①広葉樹の植栽と育苗、②育苗場横の20m以上の松の大木数本の伐倒と、
③道路をふさいでいる倒木の枯れ松2本処理の打ち合わせをし、
その後大急ぎで仮植に合流。12時前には完全に終了。
べとべとになるぐらい苗にも土にも水掛けを。乾いた土を被せない。深植えは窒息死、浅植えは乾燥死。 一本づつ馬鹿丁寧でなく、手早く丁寧に。根の向きに注意。などの声を掛け合って賑やかに。
苗が紫色なのは、内部充実度が高く、良い苗の証拠。 それにしてもアカマツ苗はクロマツと比べて柔らかい。 皆さんもいつか触れて見て下さいね。
4月15日になるのに、天気予報通り昨夜は寒かった。日中は初夏の模様とラジオで聞きましたが、 早起きして温度を見てみると氷点下。水道の水が凍っていました。 去年は4月21日に雪が降りました。
震えながら苗木を観察に行くと、苗木も凍りついていました。しかし健気ですねー。
今年は蔵王おろしが少ないものの、4月に入って乾燥注意報が続いています。 湿度は50%を下回っています。
今日は第2育苗場で、コンテナ苗の土づめ作業。7時半には現場に大勢集結します。 1人80ケース/日ぐらいで飛ばすつもりでしょう。第1育苗場は事務所の電話設置工事です。 昨日、コピー機を無事2階に上げました。お客さんも多かったですね。
さて、一日頑張ろう。
先週の宮城滞在の間に、東京では桜が満開となり、
愛でる暇もなく散ってしまいました。
新幹線の車窓からは、宇都宮の桜が見え、
福島の梅を見て、仙台一高校庭の桜が開花寸前の様子が見えました。
思えば宮城には梅が少ない?
東京本部横の神田川沿いのお宅にも梅がたくさんあり、
散歩しながらいつも眺めています。
我が家が青梅の近く。
青梅の梅は病気にかかり、多くが伐採されるので残念です。
荒野にも春の彩りが。
私は私なりに、名取の春を楽しんでいます。
今年は今まで以上に、春を嬉しく思っています。
集落は移転しても、水仙は2011年の春も、ツツジとともに咲いてくれました。
写真はみんな植栽予定地付近です。
2階建てになった名取事務所付近は、つくしがいっぱい。
心強い支援者 住友化学労働組合
彼らはこれまでの大事な場面に、いつも大阪から駆け付けてくれている。
我々が見てほしいことを見ようとし、感じよう、知ろうという気持ちが極めてよく伝わってきます。
会社とともに法人会員として、海岸林と同様に「労使一体」で、タイのマングローブ植林プロジェクトを長い間支援いただいています。真っ先に踏み込んできてくださったのは組合。もう10年ぐらい前のご担当も、見事なフットワークの素晴らしい方でした。お互いを訪ね合って、幾度も面会を重ねました。
2月22日の名取での活動報告会。
早々に出席のお申し込みをいただいたのは本当に嬉しかった。
念願の協定が叶い、名取市民にやっと正式に発表できる僕らの晴れ舞台ですが、わざわざ大阪から。
大阪マラソンのチャリティ寄附先団体に選ばれて、協働パートナーを探すにあたり、真っ先に頭に浮かんだ組織でした。お願いをするとやはり即応のお返事。
「賛同する組織・人を増やすことにも協力したい」と。
私も、住友化学労働組合としての日常的に目指していることも、ごく一部ですが聞いています。普段取り組んでいることが、宮城でもにじみ出る。
先日、大阪マラソンに関する打ち合わせのため、執行部のお二人が、オイスカ本部事務所まで来てくださいました。私と同様、自宅に帰る暇がない。「ない、ない」と言いながら、以心伝心。夜までご一緒。ですが、お互い働き盛り。人生は一回。なので、また今日もトコトン。
こういう住友化学労働組合とともに、大阪マラソンでのチャリティーランナーを探してくださる組織を、まず募集開始しました。
詳しくはこちらを。
4月3日チリ北部地震による津波到達
大雨や強風などによって災害が起こるおそれのあるときは「注意報」
重大な災害が起こるおそれのあるときは「警報」
重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときは「特別警報」
(気象庁のHP)
4月2日(日本時間8時42分)チリ北部沖で発生した
M8.2の地震があったことはご承知のことと思います。
私は宮城に向かう新幹線の中で、携帯電話のニュース見出しで知り、太平洋津波警戒センターからの情報も取れました。念のため、その場で宿泊を仙台市内に変更しました。注意報レベルでしたから、現場周辺も平穏。
3日の朝、起きてすぐTVニュースを見ると「久慈市に到達」と既に報じられていました。
以下、河北新報社の4日朝刊より抜粋。
3時00分 :津波注意報発令
6時52分 :約22時間後、岩手県久慈市に津波20cmが到達
7時06分 :宮城県気仙沼市本吉海岸の海底の砂が巻き上がり茶色く濁る
8時22分 :宮城県内でも地震。仙台市内震度2
(車のラジオで「大きな揺れです」と放送。歩行者は揺れを感じている気配なし)
11時43分:チリではM7.6の余震
12時22分:久慈市最大値60cm
18時00分:津波注意報はすべて解除
その晩、清藤参事と私は仙台駅前の横丁の居酒屋。
誰一人話題にしていなかった。
でも、東京からは「一応」心配のメールがあり、少しうれしかった(笑)。
チリでは、2010年のチリ大地震の教訓を生かして避難訓練が繰り返され、
政府も適切な対応をし、住民は落ち着いて避難していたと同紙に報じられていました。