えりもの緑を守る会
2013年9月17日( カテゴリー: Post2020年に向けて~海岸林と地域の将来ビジョン形成調査~, 海岸林あれこれ )
また先月行った襟裳岬の話ですが・・・。
私たちには「名取市海岸林再生の会」がありますが、2020年に海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画が終わったら、「名取市海岸林を守る会」に名称変更し、運営形態を新たにすることを念頭に置いています。
今回の襟裳岬訪問の目的は強風対策などの視察はもちろんですが、「えりもの緑を守る会」の運営や地元と行政の協働について学ぶことも大きな目的の一つでした。行政マンや森林組合の主軸の方が、見ず知らずの我々に時間を割いてくださいました。
一言で言って、「先人の取り組みへの深い敬意」「行政と民間の一体感」という非常に強い印象を受けました。プロ中のプロが一生懸命説明してくださる熱意に、直接触れることができたのは大きな収穫です。これが核心部分ですから。人を残すという事が最も難しいことだと思うのですが、長い年月をかけて若い世代に受け継ぎ、また、皆で協働して取り組んでいるからこうなるのでしょうね。最高のお手本でした。
「何もない」と歌われた襟裳をはじめとする日高南部地域に、長い協働の結果、民有林と国有林の仕事が創出され、森林組合は半漁半林、45名もの雇用をもたらし続けています。地元経済における存在感も大きいことでしょう。また、森林組合が各方面に対する潤滑油や接着剤のような役割を果たしている印象も受けました。(私、森林組合に入りかけたことがあったので、余計に嬉しく)
「えりもの緑を守る会」は町役場が事務局となり、漁協や森林組合、地元の各団体が加盟し、国有林とは「協定」を結んで地道な活動を続けています。あくまでも「地元が主体」という明確な姿勢の一端も垣間見ました。
年に2回、植樹祭と育樹祭にはそれぞれ、
「浜の父さん」「浜の母さん」たち、住民の5人に1人が参加するようです。
要するに各世帯から一人。すごいことですね。
かつて自分が植えた木を見るのが楽しみなのだそうです。集合すると「勝手に作業をはじめて」しまうようなところがあると。ですが、作業が的確だから、進行する側は苦笑するしかないという様子が目に浮かびます。「ちょっと集まり過ぎ…」という裏方さんの声も聞こえてきそうです。
一日にしてならず。並大抵の事業ではないですね。
お世話になった林野庁北海道森林管理局、日高南部森林管理署、えりも治山事業所、えりも町役場、ひだか南森林組合の皆さま、ありがとうございました。いつか、海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画に関わる関係者にこの姿を見せたいと強く思っています。