プチクロマツファンの休日 富士山にて
広報室の林です。
昨年12月に神奈川県の真鶴で海岸林の調査に参加したことをレポートしました。
今回は先週末にオイスカが10年計画で続けてきた「富士山の森づくり」の現場で
160名のボランティアの皆さんと一緒に活動をしてきたので、
ちょっとこちらをご報告します。昨年度10年目を終えた
プロジェクトですが、今年度2期目がスタート、モニタリングなどが新たに
活動に加わりました。
富士山ですからもちろん海岸林ではありません。クロマツも見られず、マツは
アカマツ、カラマツが中心でしょうか。
活動はモニタリング(生育調査)と除伐(植えた木のそばに自然に生えてきた
木を伐採する作業)です。「海岸林再生プロジェクト」との比較をしながら
当日の様子をご紹介したいと思います!
こちらがモニタリングの様子。「海岸林再生プロジェクト」で植栽したクロマツも大きなものは3m近くに成長していますが、日頃まだまだ見上げるほどのクロマツはさほど多くありません。
富士山の現場で植えているサクラ、ハンノキ、イタヤカエデ、ブナ、ミズナラなどはだいぶ背丈も伸びており、2mの測量ポール(赤と白に塗り分けられた棒)を持って計測します。
見上げても一番高いところが分からない木も多く、そうした場合は、1人が少し離れたところに移動し、ポールの一番上と木の一番上が同じ高さになるのを確認して、根元からポールの一番下の部分までの高さをメジャーで計測していました。
苗木が黒いネットで保護されているのが分かりますか?
これはシカ害対策のためのネットで、ボランティアの皆さんが一つひとつ巻き付けたものです。
ノギスで根本径を図るには、このネットがちょっぴり厄介ですが、シカ害から守るためですから仕方ありません。活動中、シカを目にすることはありませんが、ここに多くのシカが生息しているであろうことは足元を見れば分かります。
↓これ、シカの糞です!
いたるところにポロポロポロポロ転がっています。
踏まずに歩くことは不可能です。
もう1つの作業は除伐。「海岸林再生プロジェクト」の現場では、クロマツが雑草に覆われているのを救出する作業を行いますが、ここでは、植栽した黒いネットで覆われた木々が、自然に生えてきた“ほかの木々”に覆われてしまっています。“ほかの木々”をノコギリで切り倒していくのが除伐作業。草なら躊躇なく抜けますが、自分の腕程の太さにまで成長した木を切り倒してしまうことに戸惑う参加者の姿がみられます。
それでも森が次第に明るくなっていくのをみて、「こいつ(切り倒した木)がいなくなれば、この木(ネットで覆われた木)に太陽の光が届くから、大きくなるんだな」と納得した様子。時には植えた木が枯れてしまっている場合もあるため、その木の近くに生えてきた“ほかの木”を残すこともありますが、切り倒すことに快感を覚えた人たちは、思い切りよく切っていきます。
「またすぐ生えてくるからいいよ」といいながら……。
ここの現場でもボランティアの指導をしてくれる林業者の方が大勢います。中には若いお兄ちゃんも。お昼休み、「何年目になるのか、どうして林業の仕事をしているのか」質問してみました。
「6年っす」「俺は4年っす」
そして二人とも「実家がやってなかったら、自分はやってないっす」と。
「え? じゃあ仕方なく??」「そうっすね、しょうがなく」
本当は土木関係の仕事に就きたかったのだそう。「しょうがなく」といいながらいい仕事ぶりでした!
ここの現場が何よりも「海岸林再生プロジェクト」の現場と違うのは斜面だらけなのと日影だらけなこと。
日頃、ほぼ斜面がない(あるのは盛土の法面の斜面ぐらい!?)平らな現場での作業なので、久しぶりに急斜面の現場に行って(撮影係だったのであっちこっち移動をしていました)しっかり足腰を鍛えられた気がします。そのかわり、こちらは背の高い木々が周辺にあり、いくらでも日影があります。
「海岸林再生プロジェクト」の夏のボランティアでは、休憩時に日影がなく、暑いのですが、皆さんは斜面だらけの日影ありと平地だらけの日影なし、どちらがいいですか?
富士山の現場は標高も高くて比較的涼しいし、日影もたっぷりあるけど、やっぱり私は平地だらけの現場がいいなぁと思ってしまったのでした。
週末の活動が待ち遠しいです!