これから葛刈りに来るみなさんへ

2026年7月1日( カテゴリー: 現場レポート )

 吉田です。2015年植林地約8ha(うち5haに葛繁茂)の最優先箇所を終えました。6月27日(土)には2014年植林地に入り始めました。爆速は確かです。出来栄えは壮観です。ですが、この先の現場を考えると、6月がもう一回欲しい気持ちや、今年度も冬の葛刈りをするだろうなと思ったり。

 今日は、これまで全国から来てくれた皆さんに感謝の想いをあらたにしつつ、繰り返しになりますが、作業の注意点・仕事の仕方をお伝えします。

【そもそも、なぜ葛刈りをするのか?】

 葛は有用植物ながら、造林に関しては大敵です。クロマツから光を奪い、生長点を枯れさせ、数年後には枯死させます。光が奪われれば、葉の量も少なくなり、根も育ちが遅れ、幹も太らず、弱弱しく貧弱な海岸防災林になります。しかも、葛は生長と面的拡大(分岐に次ぐ分岐する拡大戦術)のスピードが速く、地上部を伐っても、地中の根を枯れさせない限り、多くが復活してきます。目下、東北ではha単位で枯れている海岸林もあると森林組合から聞いています。海外で葛のことを「Green Monster」と呼ぶ国もあり、侵略的外来種扱いの国もあります。闘う相手として不足はありません。

【葛の探し方】

 まず、第1の特徴の「3枚葉」を覚える(トゲのある野バラと間違う人が多い)ことから始まります。そして、第2の特徴の「ツル」を引っ張って「根元」の位置を探します。第3の特徴は「ツルの分岐」。着地点の根元から四方八方へ数本伸びようとします。

 葛の拡大・占有戦略を担うツルの特徴は、地面を這い、最短距離をまっすぐ伸びること。地面を這って幾つも幾つも着地し、四方八方に分岐すること。若干灰色です(赤みを帯び、まっすぐ伸びていない根は、クロマツの根)。 

 地面だけではなく、マツの幹も、樹上も捜索ポイントです。幹に絡み、樹上に伸びている場合は、その真下に大物が潜みます。ツルを追って根元を探し当ててください。その際、1本伐って満足せず、根元の分岐を見逃さぬように。

【作業の仕方】

 根元(着地点)を伐ることに意味があります。鎌と除草剤を手に、膝をついて、ときに「四つん這い」になって仕事することになります。

 根元(着地点)から地面すれすれを、地上・地中の四方八方に「分岐」します。1ヵ所伐って満足せず、一つ一つをどこまでも追いかけ(1本のツルが30m前後伸びることもあります)、隣の人と声を掛け合い協力しながら。その切断箇所にはすべて除草剤を数滴塗布します。無駄使いせぬようお願いします。また、小さいからいいだろう、少しぐらいいいだろうではなく、すべてに塗布を。除草剤の減り方が非常に少ない人も見かけます。

 根元が見えると芋を「発掘」したくなりますが、それに時間をかける必要はないです。いつまでも仲良くせず、スパッと決断して、より大きな根元の切断面が出来るよう、鎌を地中に差し込んで切断してください。できるだけ広い切断面をつくり、縦にも複数切り込みを入れれば、除草剤は根に浸透しやすくなります。 *葛の芋は、葛根湯、葛餅、葛湯の粉などに利用されますが、名取では役立ちません。

 ここが重要なのですが、一つの着地点を処理して安心せず、地中・地上を這いその周囲に伸びたツルがないか、「鎌の先」を使って広範囲を捜索します。鎌の手応えでツルを探し当てることができます。四方八方点検し終えると、「イノシシのエサ探し跡」のようになり、「ここは完了」と自分もほかの人も分かります。そうなってなければ、そこを点検して見逃しを探してください。

 根元を伐るだけでなく、作業完了が一目瞭然となるよう。根元の数十cm上も伐って「宙ぶらりん」にさせます。またクロマツに絡まっているツルをほどきたくなる気持ちはわからぬでもありませんが、その必要も一切なし。残さず伐ってあれば数時間後には枯れ始めますから。さらに言うと、次の日には「見落とし葛」(我々は「残党」と言ってます)が一目瞭然です。

 なお、刈り終えた葛のツルは、「ここには葛はない」と確認した場所に、山積みに集積してください。

【鎌の使い方、カラダの使い方】

 伐ることばかりに気を取られず、常に自分の安全が最優先です。まず第一に危なそうな、作業の邪魔になりそうなマツ、雑木、雑草、枯れ木枯れ草などを除けたうえで、急がず、横着せず、最も楽な位置に、半歩でも体を寄せてから鎌を使ってください。鎌の使い方は、自分の体に向かってまっすぐ引くこと、太いものは両手を使うこと、刃の先だけ使わず長さを存分に活かすなどがコツです。

【危険予知】

 盛土法面、排水溝、クロマツ他の木の伐根やツルによる転倒、誤った鎌の使い方による切創、アシナガバチなど虫刺されなど、いくらでも考えられます。肩が触れ合うように作業する人をよく見かけます。互いの安全に気を配り、声をかけ協力し合って作業し、距離は2・3mとるようにしてください。もちろん、軍手各自持参(除草剤も扱います)、長袖長ズボン帽子は必須です。

 熱中症にはもちろん注意ください。まず午前中は作業スピードより、安全第一でじっくり作業し、現場に慣れることが肝要。休憩は何回もとります。防風林の林内作業ですから、風があまりありません。それでも木陰と風道があります。それを活かして休憩してください。なお、両手が塞がらない様にリュックサックをお勧めします。虫除けなど各自の医薬品、十分な飲み物をご用意ください。

 一番あり得る怪我は、①クロマツの枝葉のみならず、枯れた雑木・雑草の枝葉などで目を傷めること(防護できるメガネもお勧めです)。②腐食・破損した防風垣・柵の細いクギ・太いネジによる怪我(その防風垣・柵をみやみに踏まない。もし見つけたら、他の人のためにも安全な場所に山積みに集積してください)

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