ようやく現場に行けました!

こんにちは! 現在、東京本部の啓発普及部にてインターンをしております、寺田佑香です(前回のブログ)。

6月13日・14日で、「海岸林再生プロジェクト」のボランティアに参加させていただきました! インターンを始めて約1か月、はじめて現場に足を運ぶことができて、とてもうれしかったです。まだ進められていませんが、私の啓発普及部におけるミッションは今年度予定している「海岸林再生プロジェクト」HPの移行。本格的に取り掛かる前に、自分の目でこの活動を見ることができたのは、良い経験となりました。

宮城県に残る震災の歴史

2011年3月11日。東日本大震災が起きてから今年で14年が経過します。当時、私は大阪で7歳を迎えたばかりでしたが、テレビで見る震災の状況や、大人たちの慌てたようすが記憶に残っています。

東北地方に訪れたのは今回がはじめてでした。仙台駅に到着して、並ぶおみやげ物の景色にワクワクしながら、外にでるためにエスカレーターに乗っていると、左の看板が目に入りました。

30㎝あれば大人でも足を取られるという津波が、自分の頭よりずっと高く、こんなところまで来ていたんだと、とてつもなく大きな震災の記憶を肌で感じました。「海岸林再生プロジェクト」は、この震災に端を発するものの一つ。改めて忘れてはならない出来事だと実感しました。

はじめての「葛」刈り! 根っこを探せ

13日は活動が終わってからの到着だったため、私が活動できたのは14日のみで、京セラ労働組合の方々とご一緒することができました。労働組合ということで、全国さまざまな支部から約50名ほどが宮城県・名取市に。

今回の作業は「葛刈」でした。海岸林を構成するクロマツのまわりにツタ状に生える「葛」は、名の通り葛餅や葛根湯などに使われる植物ですが、その繁殖力の高さから陽の光をさえぎってしまい、クロマツの成長を妨げてしまうので、刈る必要があるのです。

まずは「北釜防災公園」でオイスカの吉田俊通部長のプロジェクトに関するお話を聞きました。この日、私は活動をしつつカメラ片手に写真や映像の撮影をしていました。近々、吉田部長のお話やボランティアの皆様のようすを映像や写真という形でたくさん発信していけたらと思っています。

その後、全員で現場に移動。そこで「葛刈り」とはどうやるのか? を吉田部長から解説していただきました。来る前に『葛と日本人』という書籍を読んだのですが、葛というのは目に見える部分だけを取り除いても、何なら焼いても、株が残ってさえいればどんどん生えてくる強い植物だそう。

「根っこを見つけて、傷をつけて、そこに除草剤をかけるんです」。ボランティアは2回目という方も多くいらっしゃいましたが、初めての方もたくさん。真剣に葛刈りの説明に耳を傾けていらっしゃいました。

除草剤と鎌をもっていざ!

作業が始まると、かなり広範囲に広がっていてツタの長い葛に皆さんびっくりした様子でした。虫やマツのチクチクさに初めは恐る恐る…。ただ、しばらくすると吉田部長が「そんなに奥に行かなくてもいいよ!」と声をかけるほど、新たな葛を探してどんどんマツ林の奥に入り込んでいく方も!

あいにくのお天気で、小雨が続いていました。そんな中でも四つん這いになって作業を行う方々は、「こっちがんばったから左右でビフォーアフターすごいよ!」といったように撮らせてくださる方がいらっしゃって、ボランティアの風景をたくさんカメラにおさめることができました。

マツに絡まる葛…
根っこを探すので姿勢は低く

ある参加者の方に話しかけると、素敵な笑顔で「去年は毛虫がたくさんいたけど、今年はいないからどんどん刈れてすごく楽しい。こういう作業は夢中になってしまう」と答えていただけました。

去年参加した方々が口をそろえて言うのが、「毛虫が多すぎた!」です。マツカレハの幼虫をはじめとする毛虫が大量発生していたようで、その駆除に追われていたのが去年のことだったそう。マツをすくすく育てるのは、なかなか一筋縄ではいかないようです。

午前の活動は12時前に終了。お昼ご飯を食べるために、オイスカ名取事務所へ戻りました。

「午前中はどうでしたか?」という私の質問に、「ホームページを見たり、さっき(吉田部長の)説明を聞いたりして、なんとなく葛ってそんな感じなんだなとは理解していたけど、実際自分で刈ってみると量の多さとか、根っこのあつまり方に驚いた。知識と経験は全然違う」と答えてくださったのは、午前中とても熱心に活動されていた方。お昼休憩中も、事務所のなかにある「海岸林再生プロジェクト」に関する資料や、オイスカのパンフレットを読んでくださっていて、うれしい気持ちになりました。

午後は場所を変え、再度葛刈り。そこにはウズベキスタンでアラル海砂漠化防止プロジェクトに参加していた柚原結女さんの姿も! 雨のせいもあって、長い時間は作業できませんでしたが、午後は皆さん少し慣れた様子で、協力して葛刈りをしている様子が見られました。午前中よりも、葛のツタが複雑に絡みついたマツが多かったようで、「根っこを刈れば後は放っておいても大丈夫」と言われていても、「なんかかわいそう」と上の部分までしっかり刈り取る参加者に、私も共感しました。たった一日でしたが、私も参加者の方々も、クロマツに愛着がわいたようです。

「海岸林再生プロジェクト」規模の大きさを実感しました

帰りには2014年に建立された石碑を見学しました。ここには、東日本大震災の津波による被害について、また、被災した地域住民らで結成された再生の会が、オイスカや自治体と共に取り組んできた海岸林の再生について書かれています。

今回、京セラ労働組合の方々や私たちが足を踏み入れたのは、海岸林約100haのほんの一部です。広い海岸林すべてを再生して維持する、その取り組みの大きさを、身をもって知ることができました。

2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
月別アーカイブ

ページトップへ