吉田です。この海岸林再生プロジェクト、当初から「地元」「次世代」を明確に意識して、段階的に取り組んできました。海に行かない、行こうとさせない、市役所幹部と訪問しても聞き流されたぐらいの雰囲気が長く続きました。私は弟が都立高校の教員。学校側の立場も少しはわかります。

 それらがすこし薄れた2016年春から、「地元高校」へのアプローチに着手。まずは手広く当たりましたが、その中で新聞記者さんが仲立ちしてくれて、唯一相思相愛になれた県立名取北高校で集中的に取り組みました。もう子どもじゃないのだから、学校の動員ではなく、「申し込みは各自が一切自分で」とお願いして。公募ボランティアの日には、他高を含む高校生・大学生の姿が、確実に増えていきました。ですが、コロナ禍。その間にずっと続けて来てくれた東北大学の男子2人には、ずいぶん助けられました。泉中央から1時間半かけて自転車で来てくれる男子、山形県鶴岡からはるばる来てくれる男子大学生もいます。

 ですが、あのころから比べれば・・・一から出直しです。サントリーみらい基金の助成、IBEXエアラインズや名取市、宮城県のサポートもいただき、河北新報社も記事にして下さった「読書感想文コンクール」は、残念ながら、最終応募者がわずか4人。懸命になって、手を尽くしたのですが。

 また、SOMPO環境財団が20年前から東京・大阪・愛知で実施し、応募者数倍の倍率を誇る、いわゆる「インターン制度」(6月~1月の8ヵ月間)は、https://www.sompo-ef.org/cso/guideline.html 2016年から宮城にも拡大。これまで4名のオイスカ名取も受入れ団体に選定されていますが、宮城全体の応募者も非常に少ない状況が、ずっと続いています。大学側・教員側、学生自身の「白河以南の研究不足」、そして我々の告知力不足だと思います。学生生活のサポートにもなり、社会を学べる本当に優れた制度だと思うんですが。コロナ禍の2021・22年度は残念ながら応募ナシ。宮城以外では相変わらずの倍率ですが。

 当プロジェクトにとって、コロナ禍の唯一最大の悪影響は、青少年層の参加が激減したことです。2022年度も年度前から努力を続け、光は見えましたが、前進できたとまでは言えません。2014・15年ごろに逆戻りしました。あのボール、このボールを投げて続けていこうと思います。

 12月9日~11日、サントリーの助成とIBEXの支援を受けて、宮城の高校生・大学生を連れて、福岡と唐津の海岸林での行政と市民などの努力の跡を案内します。若い世代の理解者・ボランティアを増やしたい一心です。また、年度内にももう一度、第2回コンクールを実施する方向で、林久美子課長とともに各学校・関係各方面とも話し合っています。

 そもそも海岸林は、これからも延々作業が続きます。名取の本数調整伐・定性間伐は70ha(植栽実面積)を6周(回)することになります。仮に1周7年だったとしても、42年間。なぜ海岸林が必要なのか、地元への啓発活動が極めて重要です。それを一生懸命続けてきた場所の一つが、佐賀県唐津市の虹の松原や、北海道のえりも岬、秋田県能代市の風の松原などだと思います。

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