緑化技術参事の清藤です。
この時期、ボランティア活動の中心は除草作業。
林業保育作業の中で最も過酷な作業と言われております。
若い方が山仕事に憧れ作業班に加わっても下刈り除草作業で根を上げ、
辞める方も多いと聞いたことがあります。
ここクロマツ植栽地では植栽木の周りには施肥が施されているため、そこに雑草類、特にイネ科植物(ススキ、チガヤ、イヌビエ、オヒシバ等)が群がってクロマツの生育を阻んでいます。
今プロの方々が盛んに機械刈りで除草を進め、一部ボランティアの方々にも大鎌で協力してもらっております。
しかし厄介なのは「ツルマメ」です(右写真)。
クロマツ植栽木の空間なら良いのですが、クロマツに巻きついた「ツルマメ」の蔓(左巻きです!)は、手で丁寧にとらざるを得ません。クロマツに絡みつくケースの多い場所も結構あります。
ちなみに植物の生育に必要な外的な要因は、光、水分、二酸化炭素、養分で、それらが適当に供給される必要があります。特に陽樹であるクロマツにとっては光が重要で、草に覆われ被陰されると枯損にもつながるほど影響を受けやすいのです。
「ツルマメ」(マメ科ダイズ属)は、どこから来たかそのルールを調べてみました。
原産地はシベリアのアムール川流域から中国北東部地域と考えられていて、
日本への伝播は約2,000 年前とされ、
①中国東北部から朝鮮半島を経て東北地方に伝播された経路
②中国中部を経て九州地方に伝播された経路
③中国南部から台湾を経て沖縄に伝播された経路の3通りあるといわれています。
この時期、ビールに枝豆ですが、その枝豆の原種・野生種が「ツルマメ」なのです。
栽培発祥については不明ですが、古事記や日本書紀に大豆のことが記載されており、
この頃には普及していたのではないかと考えられています。
縄文時代にはドングリ類を主食としていたと言われていますが、
もしかしたら我々が枝豆で一杯やるように、夏にはツルマメで一杯やっていたのかもしれませんね?
今回植栽地で蔓を良く見ると「ツルマメ」だけでなく「ヤブマメ」もはびこっていることがわかりました(左写真)。
わかりやすく下図に示しました。
見分け方は簡単、「ツルマメ」の葉は細長い卵形、一方「ヤブマメ」の葉は広い卵形の形状です。「ヤブマメ」はマメ科ヤブマメ属で、地上に鞘を持ったマメを作りますが、面白いのは地下に落花生のような豆を付けるのです。
次回には蔓を見つけたら「ツルマメ」か「ヤブマメ」か? 地下に豆を付けているか確かめるのも面白いでしょう。
豊田推進協議会 ボランティアツアー参加者の声①
7/3-4の豊田推進協議会のボランティアツアー参加者より感想が届きました!
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海岸林再生 ボランティアツアーに参加して
名倉 清
飛行機の着陸間近に、松林が見えてきた、震災前がどのような姿だったのか、正直私は見たことが無いのでわからないが、おそらく長く続く海岸線一面に隙間なく生い茂っていたのだろう。しかし数える事が出来るくらいの本数しかない。「あっ・・木が無い、無いんだ」これが最初の衝撃でした。
私は、東日本大震災の年、瓦礫の撤去をするために、ボランティアに参加して以来、二度目になる宮城県への訪問でした。先回は、石巻市の漁村で、今回は名取市の海岸と場所は違うものの津波の震災は、大変な被害の爪痕を残した事は、市内の至る所で感じる事が出来た。
今回のボランティアは、黒松が植林されている所の草取りが主な内容です。1m間隔位に植えてある松の周りには、沢山の雑草が生えており、成長を妨げる要因との事で、この雑草を取り除くことでした。自然の力はものすごく速く、一週間で一面もとの状態に戻ってしまうとの事でした。機械化が進む中、この仕事は人がやらなければどうにもならない作業で、沢山の人の手が必要だと感じました。
職員の方は、苗木を育て、現地に植林し、そして毎日面倒を見て世話をする。これを何十年と続けて行く、大変なご苦労があると思いました。それに比べ、自分達は、二日間だけお手伝いをして、また現実の世界へ戻りますが、現地の方々は復興まで、又、プロジェクトを完成するまで、これからも長い年月が掛かります。最後に吉田様が、「必ず最後までやり遂げます」と言われ、大きな熱意と責任感、最後まで決して諦めない強い思いを感じました。仕事も同じだなと痛感しました。
作業での経験も大変良かったですが、色々な方のお話を聞いて、まだまだ震災は終わっていない、これからもやれることはまだ沢山残っているなと感じました。小さな事しか、少しの力にしかなれないですが、今後も何かの力になりたい、お役にたちたいと思いました。
最終日、最後の挨拶で、光岡会長様が、「ボランティアでは無い、スタディーである」
その通りだと思いました。知らない事ばかりで、経験を通じて沢山の学びを得る事が出来ました。そして忘れてはいけないのが、人は誰かの手を借りて生きている事、周りにある物や、人に感謝をする心を改めて感ずる事が出来ました。
最後に、このツアーを企画、運営、そしてお世話をして頂いた沢山の皆様へ感謝をしたいと思います。ありがとうございました。又、機会があれば是非参加したいと思いました。