防風垣の効果
2016年8月23日( カテゴリー: 現場レポート )
8月17日の台風が去り、一晩で約70mmの雨が降った翌日、名取に入りました。
8月に入り雨らしい雨がなく、喜ぶ農家の声も聞きました。
滞水、風による先端の折れ、潮風による変色などの有無、アカシンクイ虫など病虫害、
そして、翌日のUAゼンセン21名の仕事内容の最終決定のため、現場に向かいました。
忘れもしない去年の8月19日、3週間現場をご無沙汰した後の草、それを最初に刈りに
来てくれたUAゼンセンの皆さんを思い出しながら。
今年は現時点ですでに、かなり草に勝ってますから、心配は台風の被害の有無だけ。
植えてから1・2年は、強いとまでは言えないので。
最初に見に行ったのは2015年に植えた広葉樹。
防風垣を越える高さになったヤマザクラが、1本だけ先端部が幹折れしました。
そんなに大した風ではなかったはずですが。それでも越えたら折れるのか…
風害はそれだけ。塩の害もなし。
風は主に南東の風。今年も北東からのひどいヤマセは来ていない。
襟裳岬の海岸林造成のため北海道大学の東名誉教授が開発し、林野庁が設置した
防風垣の効果をあらためて感じました。
「苗にとって、2年間の育苗場は保育園。植えた後は実社会」とよく言ってますが、
防風垣を越えるまでは小学校という感じでしょうか。
越えた後は、クロマツでも折れることはあるでしょう。
1つの防風垣は、風に対して、垣根の前に2m、後ろに8m、明らかな防風効果があります。
これまで2年広葉樹も少しだけ植えましたが、防風垣の最寄りの列は生存しても、
1.8m離れたら、生きていても樹高は半分とか、萌芽更新の繰り返しで大きくならない、
もしくは枯れてしまうほど。
下草刈りをするボランティアの人には、「防風垣の上に座って休憩してください」と
伝えています。いかに効果があるか体でわかるから。
その分、垣根の中が暑いのもわかります。
草は草で、高温障害防止など幾つかのの意味もあり、無駄に刈らないでと言ってます。
これから台風シーズン。
来ることは間違いないので、頭に置いて仕事したいと思います。