「これは闘いだと思え」(ニセアカシアや葛のこと)とは、佐々木統括の口癖のひとつ。
元の地盤を残した個所から、ニセアカシアや葛が、種と根で伸びてきて、
盛土の上まで進出してきているのは2年前から報告してきました。
前田建設東北支店のベテラン社員さんが、根っこごと引き抜いたら、
10m近い根が採れたこともありました。あの場所にも、僅かに残った根が生き続けて、
一層激しく反抗してきました。とくにニセアカシアは侵略的外来種ワースト100。
養蜂には役に立ちますが。自分と違う生き物を駆逐するという性質があり、
海岸林ではまったく不要な樹木です。
我々一同、ボランティアリピーターの方も、心を一つに、素手で闘ってきましたが、
それももう限界と判断しました。
今年6月から、闘いの経験がきわめて豊富な松島森林総合と組み、
盛土法面、法面と作業道の際など今回1度だけは、潔癖なまでの全面刈りをして
(ハギなど残したいモノは伐らずに)、日光を十分に受ける状態を作り、
悪質な対象の繁茂を意図的に促進し、準備を進めてきました。
効果はテキメン。
「ありがとうございます」と言わんばかりに、狙っている獲物がすぐ出てきました。
1年で樹高5~6mとなり、我々の車両にも傷をつけるニセアカシア並木となる2015年植栽地や、
葛・笹・竹の多発地帯にプロット(試験地)を設定し、ターゲットの根元一つ一つに
番号をつけ、薬剤の種類や、塗布方法などすべて写真管理・記録します。
たとえ心無いイタズラで番号を引き抜かれたとしても、写真管理もします。
記録は書類の束になるでしょう。
適当にまくなどはしません。
ターゲットを定め、その根元を狙うのです。生物多様性配慮ゾーンであってもなくても、
除草剤のようにむやみに雑草すべてを枯殺するのではありません。
これはボランティアの世界じゃありません。薬剤なので。
相手を知り尽くした熟練のプロをもっても手に余る世界に突入したということです。
手遅れになってからでは遅い。普通の下刈りと同様、初期対処こそが肝心です。