オイスカ緑化技術参事の清藤です。
2014年の植栽以来、今年度の春の植栽地までに、19ヵ所のモニタリングプロットを設け、1プロット50本の
植栽木の追跡調査を継続している。プロットは、苗木の種類別、育苗方法、植栽時期、海岸からの位置などを
考慮し、生育にどのような影響を及ぼすかを明らかにしていく。
クロマツの調査研究報告の少ない現在、いずれは貴重なデータとなることは間違いない。
今回もこの19ヵ所の生育調査をボランティアさんの協力のもとに実施した。
今回は、生育調査に加え、生育基盤である盛土した土壌の物理性に着目し、
実施したのでその状況を概略報告する。
皆様ご存知の通り、海岸林の被害状況の結果から、しっかり根の生育を促す有効土壌深度が
必要だということが明らかになり、海岸林基盤の上に3mの盛土を行い、そこに順次植栽している。
土壌は基岩->礫->砂利->砂->細砂->粘土へと長い時間を経て変化し、それに腐植が加わり森林を形成するに
相応しい土壌となっていく。海岸林の盛土の土は、土壌になる以前の基岩がほとんどで、ほとんどが砂の場合が多くまた粘土分の多い土もみられる。
今回は土壌の絞まり具合を明らかにするため、土壌の硬度を、またPh、水分状況、土性に着目して調査を実施。
まず写真のように40cmの深さで垂直断面を掘り、まず土の構造物(土性)が砂か粘土かその割合で分類した。
次の写真のような器具で土壌の硬度、Phと水分状態を測定しました。
測定に用いたもう一つの器具は、新しく購入したDR.Meter。はじめての使用。
取扱い説明書は英語版、一緒に調査を手伝っていただいたオイスカスタッフ浅野嬢に
「これ読んでどう使うか教えてー!?」
さすがオイスカマン(ウーマン)、英語は苦手と言いながらもさっと使い方を教えてくれました。
今回は雨期のどちらかと言うと湿った環境のデータ。秋にもう一度調査し、詳しく分析する予定だ。