Post2020雑感⑨ 資金をどう調達するか
●2020年以降は、官が出来ることは官で、民が出来ることは民で
あと5年で復興交付金は終わる。東北はいつまでも国税をアテにしてはいられない。
地主の応分の負担、自らの出費を覚悟いただかねばならない。オイスカも協力継続が
大前提だが、あらためて、地権者の「自助」の覚悟、応分の負担を再確認しなければ
ならない。「自助自立精神」に協力するのが、オイスカ創立来55年の不文律。
その上で、当方も覚悟して協力させていただく。これまでは民間資金で実施していたが、
今後は行政の施策・制度を駆使することも考えねばならない。
官が出来ることは官で、民が出来ることは民で。
●収入源の分散化
Post2020は、宮城県南部に広大な面積に植栽された海岸林が生まれる。
しかし、あまりに広大。十分な公的資金が、名取に供給されるとは思えない。
まず、毎年、下草刈りを行わねばならない。公的資金はNPOに投入されるのではなく、
地権者が所有する森に直接投入される。しかし、まずそれを第1の収入源と考える。
行政から林業事業体への委託の他、NPOに委託される部分もあるかもしれない。
第2に民間努力による収入。まず、名取には育苗~植栽~2034年までの育林費用として
10億円目標で募金を募っており、最低でも2億円は、オイスカで管理する「積立金」
(内閣府にも「特定費用準備資金」として計画を提出している。
それは、「仮称)名取市海岸林を守る会」の活動資金・運営にも活用する。
この積立金が第2の収入源となる。
そして、第3の収入源は、寄附金・民間助成金収入。寄附金募集は半永久的だろう。
収入源の分散化・多様化は、運営の独立性・安定性の意味で重要と考える。
●地元NPOの自己資金率
全国の地場NPOの自己資金率(公的資金に頼らない部分)は、依然として「極めて低い」
というのが、NPOコンサルの多くの所見。志で立ち上げても、公的助成、委託事業
による補助金収入が大半を占めるという状況。
①公的助成・補助金収入、②寄附・民間助成収入、③事業収入
以上の3本柱が考えられる。収入源の分散、②③が半分以上となる高い自己資金率が
安定経営には理想的。しかし、②だけでも相当の労力が必要となる。
また、③については、海岸林の諸資源による取り組みで、ビジネスベースに乗った
事例は聞いたことがない。
●資金獲得の手法
どのような目標を掲げ、どのような経過で目標に辿り着こうとするかと、資金獲得
の手法は大いに関係があると考える。結論から言えば、名取の海岸林の場合、
「出来るだけ多くの方から少しづつ」という手法で森づくりの労力も、資金も募るのが
妥当だと考える。しかし、きれいごとばかり言えないので、官民にある良い施策に
アンテナを張り、あらゆる制度を駆使しながら、やり繰りすることになるのだろう。
また、オイスカを通じて東京をはじめ国内外のパイプを利用してゆく必要もある。