こんにちは 海岸林担当 鈴木です。
今年も残すところあとわずかになりました。みなさんにとってどんな1年だったでしょうか?
私は大量の仕事を来年に持ち越して仕事納めを迎えることになりそうです。
12月22日、オイスカ事務所に遠方からお客様が2組お見えになり情報交換会を開催しました。
(吉田の報告はこちら
おひと方は、新潟県から新潟市北区の区長さん、産業振興課の2人、もうひと方は、佐賀県からNPO法人 唐津環境防災推進機構(KANNE)の2人です。
今回の情報交換会は、新潟市北区からお話があったのがきっかけでした。
情報交換会 151222
日本海に面している新潟市北区には211haに及ぶ海岸林(飛砂防備保安林)がありますが、近年、松くい虫被害よる松枯れ、ニセアカシアが生い茂ることで本来の保安林という機能が低下していること、区内の若い世代が区外へ転居してしまい、人口が減少しているという課題に直面しているとのこと。
この課題を解決しようと発案されたのが、地域の「産」「学」「官」「民」共同で地域活性化のために海岸林の下草刈りの作業を担うロボットを一から作り上げていこうという事業です。
新潟市北区の区長さんは経済産業省の出身ということもあり、この事業を国家プロジェクトとし、保安林管理ロボットが完成したあかつきには、全国に販路を広げていくというとても大きな構想となっています。
普段オイスカ内で、海岸林のパンフレットは道の駅ならば置いてもらえそう・・・などと考えている私には到底及ばないスケールの大きさに驚きました。もっとひろい視野で物事を捉えることも必要でした・・・反省
 
佐賀県からいらしたNPO法人 唐津環境防災推進機構(KANNE)のお2人は、玄海灘に面し、福岡県との県境にあり、国の特別名勝に指定されている「虹の松原」の松原再生事業を実施しています。

KANNEの再生・保全活動の推進キャラクター「虹松まもるくん」と事務局長の藤田さん

KANNEの再生・保全活動の推進キャラクター「虹松まもるくん」と事務局長の藤田さん


「虹の松原」といえば、11月に吉田はじめ関係者5名で視察に訪れた場所です。
こちらも新潟市北区の規模とほぼ同じ220haの面積に1,000,000本の松が植えられています。年間1,110トンにも及ぶ松葉や枝などの回収作業もさることながら、下草の繁茂に頭を悩ませており、作業を機械化できないものかと思案していたところへ新潟市北区の話があり、光を得た思いで遠く佐賀県から飛んでこられました。
 
 
 
約2時間、お互いの情報交換を行いました。時間が足りず、多少消化不良の感もありましたが、これがスタートということで、今後も交流が続いていくものと思います。
情報交換会の話を聞いた後の感想を、私と、同じく海岸林担当の浅野との会話でお届けします。
<浅> KANNEさんはアダプト制度(団体ごとに一定の区画を割り当てる里親制度)を取り入れていて、この制度ならば好きな日の好きな時間に落葉掻きなどの活動ができるから市民の方も参加しやすいよね。今のオイスカのボランティアの日は第3土曜日と日にちが決まっているとから参加できないこともあるしね。
<鈴> アダプト制度は確かにいい制度だと思うけれど、オイスカのように日にちが決まっているからこそ、その日に合わせてスケジューリングするというのもあるよね。
<浅> でも、将来的に名取でも取り入れられるかもね
<浅> KANNEさんの行っている幼稚園や小学校などへの出前授業は、ゆくゆくは名取でもやりたいね。
<鈴> 再生・保全活動の推進キャラクター ゆるきゃらの「虹松まもるくん」を使って活動をPRしているところも参考になるよね。松林が維持管理されていくのは地元の人たちの力があってこそだから、地元の人に小さいうちから理解してもらうというは必要だね。
<浅> KANNEさんでは小学校などの体験学習の場としても活用しているということだけれど、名取でもクロマツがもう少し成長したら体験学習の場としてぜひ活用してもらいたいね。今はまだ1mにも満たないクロマツがほとんどだから、環境教育的な面での活用は難しいだろうけどね。
<浅> 新潟市北区の取り組みは、官民という括りだけでなく、地域の学校・企業と連携して進めていくのは海岸林を守るという点で重要だと思うし、地域をあげて何かに取り組むのは一番成果が出やすいと思う。
<鈴> 産学官民のネットワークは、NPO単独ではできない規模だし、あれほどの規模で地域が一丸となって事業を進めることができ、軌道にのれば地域に魅力が生まれるだろうね。
<浅> どの木を刈って、どの木を刈らずに残すのかの判別をロボットがするのは難易度が高いような気がするけれど、日本の技術レベルなら作ることは出来るはず。
<鈴> 開発されたけれど使われないロボットが多いという話もあったけれど、区長は軽トラックに載り、軽トラック1台分の価格で開発したいということを念頭においていて、どんなロボットが出来上がるのか楽しみだよね。
<浅> 林業は植えて終わりではなく、植えたことがスタートなのだということ今回改めて実感させられたよ。保全管理にこそコストをかけるべきなんだよね。昔は松葉を燃料にしていたから、特に管理しなくても松林はきれいに保たれていたけれど、燃料が薪からガスや電気に変わってしまった今は、松林は人の手で管理しなければならないんだよね。
<鈴> このことを多くの人に知ってもらうために、もっと啓発活動に力を入れていかないといけないんだね。地域で住んでいる場所を守っていく気持ちを育んでいく・・・私たちの仕事ってなんて壮大なんだね~
新潟市北区の物産ガイド

新潟市北区のおいしい地スイーツのところにばかり目がいってしまいます。とまと大福ってどんな味だろう?興味津々(クリックすると大きな画像が見られます)


 
まだまだ話は尽きませんが、この辺りでひと区切り
来所いただいた5人の方からは熱い気持ちを感じました。みなさんのエネルギーをいただき、新年1月からもがんばります。
今年も、とても多くの方々にご支援いただき、ありがたい気持ちでいっぱいです。
みなさん どうぞよいお年をお迎えください。 鈴木

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