海外からご支援いただいた皆さんに

2015年8月14日( カテゴリー: 本部発 )

海外からの多くのご支援に対して、下記のような英文のメッセージをお送りしました。
グローバルギビング レポート 
*オイスカ本部勤務のフィリピン人スタッフ、グラゼン(名取にはもう20回ぐらい行っているか?)、
ボランティアの鈴木昭さんが発信・報告を続けてくれています。
————【原文】——————————————————————
Global Givingのサイトを通じてご支援いただいた皆さまへ
震災以降、Global Givingのサイトを通じ、海外からご支援いただいた皆さまに
心からの感謝を申し上げるとともに、近況をご報告申し上げます。
被災地は連日30℃を超える真夏日が続いております。
津波浸水域では東日本大震災から4年半を迎えても、早朝からたくさんの重機の音が響き、
炎天下の中で復興事業に従事する人の姿があります。
2011年5月、「農業再生にとって不可欠な海岸林再生の担い手になりませんか」との
オイスカの呼びかけに応じた宮城県名取市の被災農家とともに、そして行政当局、
多くの市民、ボランティアの協働により、当プロジェクトは極めて順調に進んでおります。
2020年、東京でオリンピックが開催される年までが、行政が立案した復興達成の目標期間です。
当プロジェクトは、名取市の100haの再生に必要な苗木50万本を、被災農家自らが生産し、
その2020年までに植栽を完了。当面2033年まで管理を継続するプロジェクトです。
その実施に当たっては、復興交付金を頼らず、自助自立の必要性を重視し、すべて民間寄付金で、
被災地の雇用・生計支援を生み出すこととしており、2033年までに11,000人以上の雇用を創出します。
2012年3月、育苗に関する法律に則り資格を取った上で、初めてクロマツの播種を行い、
2014年4月、2年間育てた苗8万本を初めて植栽しました。
2015年4月、同じく5万本植栽し、これまで2年で26ha、計13万本を植えました。
潮風や乾風・寒風にさらされる防潮堤真裏の過酷な環境ながら、
生育率は運よくほぼ100%を維持しています。
年間1,400人の雇用、1日8時間除草などに従事するボランティアも年間1,400人。
活動報告会は年間30回、4,500人以上が聴講。
寄附金はこれまで4年で約4億円に達しています。
行政・民間ともに一丸となって復興を目指す日々は変わらぬものの、
全体の計画は順調に行っているものばかりではなく、
時が止まったままのような場所も、随所に見られます。
大地震に大津波が加わったことが、東日本大震災の大きな特徴であり、
極めて広範囲な被災地の、復興の道の大きな足かせ要因となっています。
土木・建築技術で世界のどこにも引けを取らないと自負する日本にとっても、
厳しい道のりを歩んでおり、技術者の不足、人件費の高騰、資材不足と価格の高止まりは
未だに続いています。
また、同じ市内においても、津波被害を受けた人とそうでない人、
仮設住宅を出て新居に移った人とそうでない多くの人などという生活格差は際立ち、
旧来のコミュニティーが崩壊したことにより、高齢者など生活弱者がとくに孤立化している
問題視されています。復興を目指す気持ちは一つでも、状況は決して単純なものではありません。
津波を目にし、まさに黒い波をかぶった多くの方たちは、未だに海に行く気になれないのが
正直な気持ちで、好きだった海釣りを封印している人をたくさん知っています。
その中で、私たちは100年、1000年先のためにも、海からの潮風から農業や生活を守る
古からの日本人の知恵の結晶である海岸林を、官民連携で再生させることで、
東北の創造的復興の一端を担いたいと考えております。
このプロジェクトは必ず成功させます。
これまでのご協力に深く感謝するとともに、ごれからもご支援いただきますよう
心からお願い申し上げます。
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「名取市海岸林再生の会」のメンバーは海外向けメッセージを手に持って写真撮影。
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おい吉田君、これは『私は馬鹿ですって書いてあるんじゃないの?』(ご本人談)
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