本日4月8日(火)23時~23時42分のNHK Eテレ「知恵泉」~伊達政宗~ 当プロジェクトが紹介されますので、ぜひ放送をご覧ください!(再放送もあり)
4月3日、清藤緑化技術参事、佐々木統括と
広葉樹生育状況を実査しました。
海岸林再生プロジェクトの広葉樹に関しては、
「三井物産環境基金」の助成をいただいております。
昨年5月18日にクリとコナラを播種して1年。
今日半日は、全数調査と、1年で植栽に使えそうな苗の有無の確認、掘り取りと床替、出荷・植栽、圃場の改良、今春の播種などを検討し、森林組合との協議資料をつくりました。この環境ながら、200本程度使えるものがありました。
多くのものは2年かけて育てる予定です。
昨年以来、海岸から1.4kmの位置にある第1育苗場で0.07haだけ拡張し、地盤沈下して雨が降れば田んぼのようになる土地ですから50cm厚に客土。
植栽盛土と同じ環境の凝灰岩や礫交じりの、まさに「無機質」な土を。被災地においていい土は、依然「高価」ですし。
「植栽できる場所が明確になるまでは本格生産しない。
とにかく試験」と思いながら、先行実施してきました。
全く施肥せず、趣味的にお金や手間をかけず、
敢えて厳しい環境のなかで実施しましたが、
海からの十分な距離もあることからなんとか生育していると思っています。
植え付けの事を思うと、海岸のあの環境下での広葉樹はお金がかかり、どうしたら低コストになるか、今後のこともいろいろ話し合いました。
津波で遮るものを失ったため、内陸からの寒風が「吹きっさらし」の荒野を背にした海岸では、植栽箇所も極めて限定的です。
東京の横田基地の近くにある私の自宅や、永福町のオイスカ本部の近くの梅や桜を少しだけ見る時間がありましたが、
名取の被災地は花木を全て失い、季節感のない荒涼たる光景です。移動中の車窓から、栃木や福島で花が見えるといつも目が行ってしまいます。内陸7kmの名取市役所の桜もまだ開花していません。
私たちは海岸林再生に集中せざるを得ませんので、
範疇外のことに手を出すゆとりなどありませんが、
いつか季節の花がたくさんある、もとの「ふるさと」になって欲しい、
僅かながらお役にたてないかと思い、
ニーズにアンテナを立てながら名取の日々を過ごしています。