2026年3月12日

「子供の森」計画コーディネーター研修 in タイ・チェンライ 前編

  • タイ
  • 「子供の森」計画
  • サワディー・カー!海外事業部の濵﨑です。

    2026年2月中旬、タイ北部のチェンライにて「子供の森」計画(CFP)のコーディネーター研修を開催しました!(昨年は日本で実施!)参加したのは、アジア・太平洋地域の9ヵ国(インドネシア、パプアニューギニア、フィリピン、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、スリランカ、日本、そしてタイ)から集まった20名の仲間たち。

    美しい山々に囲まれたチェンライには、単に「木を植える」だけではない、人と自然が豊かに共生するためのヒントがたくさん詰まっていました。

    今回の研修では、各国で「子供の森」計画を推進しているコーディネーターたちが集まり、環境保全と生計向上を両立させたモデルの学習や、コーディネーターとしてのスキルアップ、各国の活動状況や課題の共有などを行いました。

    ■各国の活動紹介

    研修のスタートは、各国の活動紹介から。親子で木を植える機会を設けたり、稲作体験を実施したり、子どもたちが育てた野菜を給食に取り入れたりと、子どもたちの心を育む各国のさまざまな取り組みが紹介されました。一方で、植林地の確保の難しさやゴミ問題など、国は違っても共通する課題に直面していることも共有されました。政変による困難な状況にあるミャンマーでは、前回の研修で学んだ「エコプリント」が実践されているという報告もあり、互いの工夫や情熱に触れ、活動の励みになる貴重な時間となりました。

    ミャンマーのイーさんの発表の様子
    タイのサマイさんの発表の様子

    ■プロジェクトサイトの視察(チェンライ県パボン村)

    視察したパボン村は、もともとCFPから始まった森づくりが、地域全体の森づくりへと広がった場所です。その森を活かし、森林保全と生計向上を両立させるため、外務省の日本NGO連携無償資金協力(N連)を受けて実施したさまざまな取り組みが、現在も地域の中で継続されています。現在は、多様な樹種が大きく育ち豊かな森になっています。その中でも特に驚いたのは、「竹」の多角的な活用です。

    • 食べる・使う: 約50種類の竹を植栽。タケノコを収穫したり、竿の製作や竹細工へ活用。
    • 活かす: 燃料としての竹炭づくり。
    • 還す: 最後は土へ還し、再び豊かな森を育てる。

    この「循環」が村に水資源を戻し、魚や昆虫、肥沃な土壌を育んでいます。村では、在来種のミツバチを使った養蜂や魚の養殖、山菜栽培などを組み合わせた「自然と共生する暮らし」がしっかりと根付いています。

    研修では、養蜂で採れたハチミツを使ったハチミツ石鹸づくりも体験しました。グリセリンを用いた身体に優しい石鹸で、各国から参加したコーディネーターたちは「自国の特産品でも作れるかも!」と熱心にメモを取っていました。

    竹炭の作り方・活用についての説明を聞いている様子
    竹の保存方法について説明を受ける
    はちみつ石鹼作り体験

    ■森の恵みを感じるランチ

    村のお母さんたちが昼食を用意してくださり、池で養殖している魚や、新鮮な山菜をたくさんいただきました。森が育つことで、山菜や魚といった自然の恵みをいただくことができ、森も守られ、地域の暮らしにもつながっている。そんな自然と暮らしの循環を感じる昼食となりました。

    太陽の下で、自然の恵みを感じるランチ
    チャイヨー!(乾杯)

    ■防火帯作り

    その後、森林火災局の方々とCFPに参加する学校の生徒20人が参加し、防火帯作りの講習を実施しました。乾季のタイでは山火事が深刻な課題であり、フィリピンから参加したロレンソさんが活動をしているヌエバビスカヤにおいても共通の問題を抱えています。チェンライ県では、精米機のベルトを取り付けた手作りの消火道具が用いられており、子供たちと一緒に消火体験を体験しました。

    ブロワーを使って枯れ葉を集めるロレンソさん
    消火体験の様子
    子どもたちと一緒に

    ■オイスカ・タイランドからのメッセージ

    タイチームからは、プロジェクトに向き合う上で大切にしている考え方も紹介されました。それは、「主人公はオイスカではなく村の人たち」であり、森を守る意識を地域の人々が持つことが何より重要だということです。綺麗な森を作ることが目的ではなく、村人の豊かさやコミュニティのつながりを育むことが本質です。また、チェンライ担当のソンポン氏からは「プロジェクトでいちばん大切なのは人」との言葉があり、事業が終わった後も地元との関係を大切にし続けることの重要性が語られました。さらに春日駐在代表からは、オイスカ・タイの活動は「心に木を植える活動」でもある、という印象的な言葉も共有されました。

    前半の研修では、森づくりの現場を訪れながら、地域の人々とともに自然と暮らす知恵や工夫をたくさん学ぶことができました。次回は、森歩き体験やネイチャーゲーム、学校での環境教育の実践など、研修の後半の様子をお伝えします!

    後編に続く

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