本部・啓発普及部の倉本です。(海岸林訪問日記・前編はこちら)
今回は28日(土)のボランティアの様子です。
この日は、地元名取北高校野球部・保護者の皆さんとリピーターの皆さんあわせて63名が集まりました。活動内容は、地面から1m以下の枝を、幹から20cm離してノコギリで伐る「枝払い」。これは、5月以降に始まるクズの除去を、より作業しやすくするための準備として実施するものです。
名取の現場では、コロナ禍前後のボランティアによる活動が手薄になった時期に、クズが勢力を拡大。クズはマツに絡みついて日光を奪い枯らしてしまうため、対処が必須です。しかも除去には、ツルを取り除くだけでなくツルを辿って根元を切り、除草剤を塗布しなければならず、そのためにはマツの間にうずくまるような姿勢で分け入っていかなければいけません。この時に作業しやすいように、今のうちに邪魔になりそうな枝を最低限切っておこうという、先の苦労を思えば大事な取り組みです。
活動は、作業を熟知しているリピーターをリーダーに、野球部・保護者の皆さんが2~4人がついてグループとなり、13班に分かれて実施。私も一緒に参加しました。
ノコギリの使い方や伐る姿勢、目を守るフェイスシールドの徹底など、安全確保についてもしっかり説明
リピーターの指導を受ける生徒と保護者(手前の白いヘルメット2名)。「ここにクズがあるから、この枝を伐っておこう。枝を幹のぎりぎりで伐ると、木を腐らせる菌が入ってしまうから、20cm離してね」と分かりやすく指導してくださいました
枝払いと言っても、手あたり次第に伐るのではなく、5月以降の作業を想定し、クズのある場所を探して邪魔になりそうな枝を伐るという、意外と想像力が必要な活動で、楽しく作業を進めることができました。ボランティアの皆さんも、野球部の皆さんはもとより、お父さんたちの方が張り切ってどんどん進めていたような印象でした。
伐った枝は一旦開けた場所に集めて、さらに林外の通路へと運びます。これも、今後の作業をしやすくするために必要なこと
黙々と作業をすればあっという間に時が経ち、午前の作業も一段落。野球部は午後の練習のため、ここで離脱です。林内ツアー(松枯れ、火事現場も確認)をしつつ、海岸林ボランティア恒例(?)の堤防でのたそがれタイム。ただしこの日は、日中からたそがれているのは大人たちだけで、元気が有り余っている野球部の皆は、波打ち際で楽しそう。こんな楽しい思い出と一緒に、海岸林とボランティアのことも、ずっと覚えていてほしいなと、後ろから見守るあやしい大人(私)は思います。
遠く後ろで保護者の皆さんも眩しそうに見守っていました
堤防の上で終礼
ひとしきり遊んだ後は、堤防での終礼。生徒からは「今日は夏のボランティアに向けての作業ということで、これからへのつながりを意識した活動であることが分かった。自身の取り組みでもつながりを意識して取り組んでいきたい」といった感想も聞かれました。
そして最後には、校歌斉唱! 試合に勝って気持ちよく歌えるよう、日頃の練習後も歌っているそうですが、せっかくなので今日は海に向かって声を張り上げます。保護者の皆さんもわくわくと見守る中、力強い歌声で歌い切っていました。
マツのようにどんどん逞しく成長する彼らが、海岸林を知り、守り育てる作業を一緒に進めてくれることをとても心強く思います。
海原へ校歌を響かせる野球部員たちの頼もしい背中。後悔のない高校生活を送れるよう、これからの練習や試合も頑張ってください!
さて、午後からはリピーターの皆さんと一緒にやるぞ! というところで、作業ポイント付近でフクロウが飛ぶ姿を見かけ、元インターンの渡辺さんと一緒に、小一時間ばかりフクロウを捜索しました。2024年に、フクロウの子どもがこの名取の海岸林で激写されてからというもの、私も見たいと思っていたので張り切って探しましたが見つからず……。
24年撮影
途中、林内を低く飛ぶ白い姿を見かけましたが、止まっているところを撮影することは敵いませんでした。残念……でも、きっと上の写真と同じフクロウだったんじゃないかなあと、思っています。
諦めてリピーターさんの元へ戻り、一緒に午後の作業「冬にもクズは退治できるのか?実験」に取り掛かりました。通常夏時期に行うクズの除去を、冬にやっても効果はあるのか? という実験です。しゃがみ込み、マツの枝や葉にちくちく刺されながらの作業はやっぱり大変で、午前中の活動の意義を感じるとともに、「この作業を、クズの葉っぱが青々として、暑い夏にやるのはきついだろうなあ」と感じました。冬のこの時期にも効果があるなら、かなりこれからの作業の仕方も変わってくるだろうなと思います。
クズの根っこ部分。ツル自体がこの太さになることも珍しくないとか
兎にも角にも、作業すればするほど、数年でびっくりするほど元気にマツが生長できたのは、地元林業従事者の方々の管理はもちろん、ボランティアの皆さんが、愛情を持って!楽しみながら!継続して!マツを守ってきたからなんだなと改めて感じさせられました。
次回は何年も間を空けず名取に来て、夏の作業にも参加したいと思います。