啓発普及部の吉田です。
1月29日(木)午前10時45分ごろ、「海岸林再生プロジェクト」の現場、名取市海岸林最南部の防潮堤沿い「北釜ゲート」付近の県有海岸林で、100㎡・クロマツ20本あまりを失う火事があったと、オイスカ名取事務所佐々木廣一統括から報告がありました。
「消防車3台が出動。原因は閖上消防支所で調査中であるが、現地の状況からタバコ火からと推察」、「県と相談し、補植も検討する」とのことでした。
新聞にも掲載。燃えたのは、クロマツとその落葉です(河北新報/1月30日付)
この報告メールが届いた直後の1月30日、私も30年あまり関わっているフィリピン北部アブラ州でも、2023年にまだ植えたばかりの若齢木10haが被害を受ける山火事があり、とても心を痛めました。
日陰一つない急傾斜の現場で、地拵え(植林前の整地)し、植林し、下刈し、人力で防火帯をつくるのが、どれだけ大変なことか。現場責任者のデルフィンさん(オイスカ・アブラ研修センター所長)にメッセンジャーすると、即返事があり、落胆が目に見えるようでした。
牧畜・農業のために火を使うのは当然ですが、自身の消火能力と、風を頭に入れてほしいです。「山火事は日常茶飯事で、そのうち消える」という住民意識の改革は本当に難しいのです。フィリピンの村の中、町の中で山火事防止パレードしたくなりました。
同じく植林プロジェクトを実施してきたタイ北部も、山火事シーズン真っ只中です。現地スタッフたちも住民向けの山火事対策ワークショップで、消火訓練を行っています。
ちなみに、2月早々、いまも火を扱って地拵えする宮崎県諸塚村に行きましたが、「火を扱えない男とは結婚するな」と林業の間で言われているそうです。
名取海岸林の植栽後10年で不審火は2度目です。
前は植えたばかりの内陸防風林の横でゴミを燃やし、それが延焼して記憶では270本を失い、空港のフェンスも焦がしていました。森林法、消防法、航空法違反……と思っていましたが、よく考えれば刑法116条違反、つまり刑事罰の可能性もありますよね。
今回は地元ボランティアリピーターの方たちにだけ、山火事情報を伝えたところ、早速見に行って写真を送ってくれたり、新聞報道を確認してくれたりしました。
私は今月27日午後まで現地入りできないので、助かりました。その一人から「未必の故意」との言葉がLINEのなかにありました。私は知らない言葉だったのでアレコレ調べると、火の不始末やたばこのポイ捨てによる名取での2件の火事は、「失火罪」が問題となります。これは過失による火事の処罰であり、故意ではなくても成立する罪です。ただし、火の不始末やたばこのポイ捨てにより発生する結果を認識して容認していた場合は「未必の故意」として、より重い放火罪が成立する可能性があるということです。
名取海岸林の「周辺の」松枯れ被害木の放置による拡大、産廃投棄、ごみのポイ捨て、山火事……
いまだ、名取の海岸林は一部の人にとっては、愛されず、大切にされず、「オイスカにさせとけばいい」という本音まで見え隠れする現状。無関心と無理解との闘いが長く続くことでしょう。力不足を思い知らされます。ですが、心ある皆さんや、海の向こうの仲間と共に、めげず、あきらめず、粘り強く努力しようと思います。