2025年12月9日

「子供の森」計画コーディネーター インドネシア・エギさん訪日研修②

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  • 本部の濵﨑です。前回に続き、エギさん訪日研修の後半を皆さんにお伝えしたいと思います。

    ≪11月20日(木)≫

    「子供の森」計画をはじめ、長くオイスカの活動をご支援いただいている東急ホテルズ&リゾーツ 株式会社さまを訪問しました。同社は2001年より、宿泊者がアメニティ(歯ブラシやカミソリなど)を使用しなかった場合、「グリーンコイン」をフロントのコインスタンドにかけると、その枚数に応じて環境保全活動に寄附をする「グリーンコイン」制度を導入しており、この制度を通じてオイスカの森づくりをご支援くださっています。

    当日はエギさんにより、インドネシアでの「子供の森」計画の活動報告が行われました。

    午後からは、オイスカ本部主催の企業団体担当者情報交換会を開催し、オイスカにご支援いただいている企業・団体の方々に、エギさんから活動報告をさせていただきました。活動の幅広さや成果だけでなく、取り組みに向けたひたむきな思いが伝わり、参加者の皆さまの心に強く響いたようでした。

    東急ホテルズ&リゾーツさまでの報告の様子
    情報交換会での発表
    エギさんの活動への想いが心に響きました

    ≪11月21日(金)≫

    「子供の森」計画にご支援いただいている株式会社ビームスさまを訪問し、こちらでも活動報告を行いました。ビームスさまでは、お買い物の際にコットン製ショッピングバッグを購入することで、売上の10%が「子供の森」計画への支援になります

    午後からは、埼玉県の三富新田を訪れました。三富新田は、家の敷地・畑・雑木林がセットになった形で並ぶ、江戸時代につくられた農村地帯で、雑木林の落ち葉を肥料にして畑を耕す、昔ながらのしくみが残っている場所です。敷地内の雑木林の落ち葉を畑の肥料としたり、家の材木にしたり、防風のための屋敷林を整備したり、畑境には畑の土が風で飛ばされるのを防ぐための茶の木が植えられていたりなど、300年以上前に考えられたことに驚きながら勉強してきました。

    72m×675mの土地が並んだ上空写真
    素敵な縁側で📸
    土地の広大さに驚きました

    ≪11月22日(土)≫

    22日(土)と23日(日)は、神奈川県三浦市で行われたネイチャーゲームの研修に参加しました。ネイチャーゲームは、自然の中で「見る・聞く・触る・嗅ぐ」などの五感を使いながら、自然への気づきや楽しさを体験する活動です。ゲーム感覚で自然とふれあうことで、環境への興味や理解を深められるように工夫されています。インドネシアの子どもたちに、環境のことや自然の大切さを教えているエギさんにとって、ぴったりの研修となりました。

    森の中でのアクティビティと海岸でのアクティビティが盛りだくさんでした!宝探しゲームでは、紙に書かれたものを見つけるために、森の中の細かなところまで注意深く観察しながら探しました。また、海岸でサンセットウォッチを約45分行いました。毎日太陽が沈んでいるはずなのに、こんなにも注意深く見たことがありませんでした。鳥の声や、波の音、太陽が沈んでからの空の色の変化など、目の前のことに集中して自然に癒される時間でした。

    夜のアクティビティでは、潮だまりに行き、透明のエビや、カニ、魚を観察しました。そして、浜辺で小さな火を囲んで心を落ち着かせながら、参加者の方々と交流をすることができました。

    グループで宝物を共有しました
    たくさんの素敵な人たちと出会うことができました
    サンセットウォッチをするエギさん(右側に富士山)

    ≪11月23日(日)≫

    翌日も多くのアクティビティを行いました。葉っぱの色や形を見極めながら、落ち葉のみで似顔絵を作ることはとても楽しい時間となりました。また、森の美術館というアクティビティでは、フレームを用いて、自然の中を一部切り取って、森の中に多くの作品が出来上がりました。

    落ち葉で似顔絵
    エギさんの作品「ライオンのあたま」皆さん見えましたか?
    置いて展示することが難しい作品もありました

    午後からは、観音崎公園を訪れました!観音崎灯台に登ると、コンテナ船やタンカー船など、東京湾に大きな船が行きかう景色が見られました。また、観音崎自然博物館も訪れ、山と海のつながりや、マイクロプラスチックの問題など多くの展示を見ながら、人と自然のつながりについて学びました。

    観音崎灯台から
    実際に三浦海岸に打ち上げられたマンボウの実寸大
    環境への意識を高められる展示がたくさんあります

    11月16日~23日の8日間、たくさんの皆さまのご協力のおかげで、とても充実した研修を行うことができました。インドネシアで「子供の森」計画に取り組んでいるエギさんにとっても、新しい体験や学びが多くあったようです。今回の研修で学んだ、日本の伝統的な暮らし、環境教育、ネイチャーゲームなどは、今後インドネシアの子どもたちに伝える際の新しい教材の一部として活かしていく予定です。これからも互いに励ましあいながら、森づくりに取り組んでいければと思います。

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