2025年10月16日

【山梨県支部】地球環境再生植林フォーラム2025inフィジーレポート 後編

  • フィジー
  • 国内スタッフ(支部・研修センター)
  • オイスカ山梨県支部 田中です。フィジーでの植林フォーラムの様子をご報告します。(前編はこちら


    ■9月20日(土)

    この日は、サンド・デューンズ国立公園で植林をしました。まずは、苗木を手にもって植林サイトまで移動。皆さん良いトレーニングになったのではないでしょうか?

    ここでも果樹や自生種を中心に、国立公園のレンジャーの皆さんなども加わって一緒に植林活動をしました。国立公園では、オイスカも協力して森林再生のプロジェクトを進めており、以前は乾燥地用の苗を植えていたようですが、持続可能な活動にしていくため、果樹など人々に大きな恩恵をもたらす樹木を植え、周りの村などにも森林再生の活動が広がるよう普及も進めているとのことでした。確かに、青々と見えるフィジーで山々ですが、近くで見ると草地で木がない山が多くあることに気づきます。我々が活動を行うことも、周りの村々、地域に波及していくきっかけになると信じています。

    そして、植林後は、国立公園内のトレッキング(1時間コース)も皆さんと楽しみました。

    ■9月21日(日)

    今年も、ナブエブ村を訪問させていただきフィジーのハーブの文化と暮らしを体験させていただきました。今年は、ロボづくりを体験させていただきました。ロボ料理の定番パルサミ、ファラワも作り方を見させていただきながら、ココナッツをカリカリしたり、ファラワの素をパンノキの葉っぱで包んで、ヴォイヴォイの葉を紐にしたもので結んだり、家の周りにある植物を使って作られていく、ロボ料理を作る過程でフィジーの植物を活かす暮らしの知恵を学びました。ココナッツは「life of Tree(生命の木)」と呼ばれるそうで、中身はジュースや、カリカリして料理に使ったり、皮は乾燥させて着火剤のように使用したり、中の硬い殻は、カバを飲むときの器になったり、葉も様々なものに加工されて、すべて生活の中で使われています。無駄になる部分がなく、木の全ての恩恵を受けることができることに感銘を受けました。

    皆さん自給自足で生活しているわけではなく、もちろん食料品などスーパーで買ってきます。でも、私なら「あれがないからできない!」とすぐに言いだしそうなところ、、何かなくても、なければ身近にあるもので代用し、作り出す、そんな知恵をもったフィジーの人たちの暮らしと力強さに、心地よさを感じました。

    ケガや病気も、切り傷にはこの葉っぱ、頭痛にはこの根っこなど。日ごろの体調管理も植物の力を借りて行っているフィジーの人々の知恵に沢山のことを学ばせていただきました。

    また、フィジー伝統のタパ布の染色体験もさせていただきました。フィジー2日目にマングローブ植林をしましたが、フィジーでは昔からマングローブ樹皮からタパを染める染料を採取しており、自然災害から命や暮らしを守るだけでなく、フィジーの人々の暮らしに根付いた植物であることを教えていただきました。(マングローブの根は薬としても使われているそうです)

    ■9月23日(火)

    そして、あっという間にフィジー最終日。この日も、フィジーの人々が日頃、薬として使っている植物などについて教えていただき、昼食を一緒に食べて、また来年会いましょうとお別れをしました。

    空港に向かう道中、デナラウにてお買い物と、ツアー中お世話になった駐在代表のジョジョさんと研修生OGのミリさんとの最後の夕食を取り、皆さんから感想をいただいた後、空港へ。空港でお別れをして、長いようであっという間のフィジーツアーもいよいよクライマックスです。帰りも約8時間のフライト、寒さ対策をして乗り込みます。

    ■9月24日(水)

    早朝、ほぼ予定通り成田空港に到着し、無事皆さんと日本へ帰国しました。


    山梨県支部として、2年目のフィジーでの植林フォーラムでした。フィジアンハーブのプログラム実施に際して、昨年、企画・調整そして、ツアーにもご一緒いただいておりましたフィジアンハーブの研究家である村上志緒先生に今年もご一緒いただくはずでしたが、本年6月の突然のご訃報に、フィジーのハーブの文化を伝えるプログラムの実施は難しいかと思いましたが、昨年先生につなげていただいた方々や、村とのご縁を頼りに、今年も実施することができました。繋いでいただいたご縁を、今年、来年に向けても紡がせていただけたこと、村上先生、そして、温かく受け入れてくださった村の皆様、様々ご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。

    植林活動では、昨年植林したマングローブがほぼ流されてしまうという、残念な結果を受けての、新たな手法での植林再チャレンジとなりましたが、一筋縄ではいかない自然の厳しさも改めて感じました。フィジーの人々の「ふるさと」を守るマングローブがしっかりと根付いてくれるようにしっかり見守っていきたいと思います。

    山梨県支部では3ヵ年計画として、フィジーでの植林ツアーを実施しております。また来年もすでに計画が進んでおります。ぜひ沢山の方々のご参加いただければ幸いです。

    Vinaka Vakalevu(ありがとうございました)

    ※本事業は、(公財)山梨県緑化推進機構及び(一社)山梨県森林総合コンサルタントからの支援を受けて実施いたしました。

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