2025年10月7日

日本語習得の大切さ

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  • 本部・海外事業部のグラゼンです。

    インドネシアから介護の技能実習生として来日している、イルマさんとヘスティさんの巡回指導のため、実習先のけんちの苑(医療法人社団 竹恵会)を訪問しました。2人に最近の話を聞くと、「施設のスタッフの方と一緒に埼玉県川越市に外出し、とても楽しかった」と答えてくれました。さらに特に印象に残ったことを尋ねると、「職場の方に着付けてもらって、初めて浴衣を着ました」と嬉しそうに話してくれました。浴衣姿で、お店の商品を見たり、アイスクリームやかき氷を食べたりしたそうです。ヘスティさんは、その時の様子を写真に撮って家族に送ったそうで、彼女のお母さんから「その服はなに?」と興味津々な返信が来たそうです。

    後で彼女たちから聞いた話を振り返っていると、私自身、母国フィリピンから日本に来たばかりの頃のことを思い出しました。当時は私も2人と同じ20代前半でしたが、私は彼女たちと違い、日本語で十分に会話することができませんでした。日本の暮らしや文化に親しみながら言葉を学び、理解していけるよう先輩や仲間が助けてくれ、とても感謝しています。

    私は家族から離れて日本で暮らしている時に母を亡くし、悲しみを乗り越えるために、フィリピンの大学で4年間続けていた柔道を日本でも始めました。そこで仲間や先生方と交流を深め、素晴らしい信頼関係を築くことができました。残念ながら、コロナ禍の影響で柔道は辞めてしまいましたが、以降は日本人や海外から来た友人たちと、ハイキングやキャンプに行っています。さまざまな人々との交流の中で、彼らから広い視野を得られたことは、私にとって大きな力になりました。もし言葉が通じなければ、こうして新たな友人たちと出会うことは難しかったかもしれません。

    私は巡回指導のとき、特に「日本語習得の大切さ」を実習生たちに伝えるようにしています。言葉の習得は、専門知識や技術を、深く正確に理解し、身に付けることはもちろん、意思疎通や自己表現を助け、さまざまな人たちとの出会いの機会を増やすことにもつながります。

    また私自身の経験から、日本語を学び、交流することで、日本をより深く理解できると感じています。実習生たちにも、しっかりと言葉を学び、今私たちが暮らしている日本を理解できるようになってほしいと思います。それが、きっと彼らの力になると考えています。

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