本部・海外事業部林です。前回までのブログはこちら。
久々にプロジェクトの報告を。ダッカから飛行機で1時間ほど移動したコックスバザール周辺には1990年代に植林をしてきたサイトがあり、ここには現地NGOがUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)の支援で展望台を建てており、この上から森の様子を見学しました。こんなに森が広がっているとはびっくり!
展望台
現地コーディネーターのマニックさん
展望台から見えたマングローブ。雨なのが残念
ここから船で移動したモヘシュカリ郡では現在植林を進めているサイトも視察。マングローブだけではなく海岸防風林となるモクマオウを植えている現場もあります。民泊先のお父さん、バッシャンさんが村のおじさんたちを指導して昨年度から育苗を開始。それまでは連携する地元の林業局から苗を買っていましたが、地域住民への現金収入を増やす観点からも植林地に近いところに育苗場を作り苗を育てています。育苗場はトゲトゲのある枝で囲い、簡単に中には入れないようにして管理をしています。人間というよりは牛やヤギ対策でしょうか。彼らはすぐに苗木も食べてしまいますから……。
トゲがある枝で柵を作る
育苗をする村のおじさんたち
この日の夜、バッシャンさんが苗のつくり方のアドバイスを求めてきました。強い根にするためにはどう管理するのがいいだろうかと。お金をもらってただ仕事をすればいいというのではなく、よりよい苗木を育てようと考えて行動してくれている様子がうかがえとても嬉しかった半面、専門的なアドバイスがほとんどできなかったことを反省。私もしっかり勉強しなければなりません。
こちらのサイトでは泥に足を取られながら植林地を見学。まだ小さい苗木は、ときに流されてしまうこともあれば、地域住民が漁をする際の網に引っかかって抜けてしまうこともありますが、後ろに見える森のように立派に育ってもらいたいものです。
まだ小さい苗木
泥に足を取られながら……
また、過去に植林をしたこちらのサイトでは、魚が豊富に採れている様子を確認。船で漁に出た人たちが、夕方浜に戻り、市場に出す大きな魚だけ選んでそれ以外のいわゆる雑魚は海岸に打ち捨てていきます(場合によってはこれをカゴ単位で販売することも)。すると漁から船が戻って来るのを見計らって村の人たちがこの魚を拾いに来るのです。私もこの浜に住んでいたら毎日拾いに来たい! 現地の人は関心がないようでしたがシャコもたくさんいました。私はエビを拾って帰りたかった……。カラスもたくさん集まってきていましたが、最終的にはこの残った雑魚たちは肥料に使われるのだそう。
植林前と現在との漁獲量を比較するデータは手に入りませんでしたが、マングローブのおかげで村が潤っていることをいつか証明できたらいいなぁと思います。
➡出張レポート8に続く