台湾大学から来て、今明治大学で交換留学中のインターンの黄です。約2ヶ月ぶりに、再び「海岸林再生プロジェクト」の現場、宮城県名取市を訪れる機会をいただきました。再度この地にボランティアという形で戻って来られたことに、言葉にできないほどの感動を覚えました。前回の体験が私の中で非常に大きな意味を持っていたからこそ、こうしてもう一度関わることができることを心から嬉しく思いました。
今回は、杉本さんと巽さんというお二人のベテランボランティアの方々とご一緒することになりました。お二人は関西出身で、個人ボランティアとして、これまで10年以上にわたり、部長と共に数々の現場で力を尽くしてこられた方々です。
この日参加するボランティアの皆さんは、UAゼンセンという労働組合から来た方々で、さまざまな業種・企業に所属する社員の方々でした。
今回の作業は、クロマツの成長を妨げる”葛”というつる性植物の除去作業でした。葛はマツの光を奪い、幹に巻きつくことで成長を阻害します。そのため、鋸と除草剤を使って根元から駆除する必要があるのです。
現場で葛の除去方法を説明する、プロジェクトを担当する
オイスカの吉田俊通部長
事務所で海岸林再生プロジェクトについての説明を聴く
UAゼンセンの参加者たち
現場に到着すると、私たちはいくつかの班に分かれて作業を開始しました。今回の作業は、前回よりも体力的にきついものでした。葛は地面を這うように伸びるため、根を探すには地面に這いつくばる必要がありました。マツの針葉や様々な昆虫も敵となり、少し油断するとすぐに手足が傷ついてしまいます。
最初は苦戦しましたが、部長のアドバイスにより、鋸は前後に動かすのではなく、引く方向に力を入れることで効率的に切断できることがわかり、次第にコツを掴んでいきました。
活動の合間には、他の参加者の方々と交流することもでき、多くの方が今回初めて名取市に来たことを知りました。中には、会社内の募集でこの活動を知り、関心を持って参加された方もいました。作業は大変でしたが、皆さんが「やりがいしかない仕事だ」と口にしており、私自身も大きな達成感を得ることができました。
地面に這いつくばって葛と戦う参加者たち
支柱の下で葛の根を取り除く杉本さん
UAゼンセンの集合写真
取り除かれた葛の一部
数時間の作業を終えた後、プロジェクトを担当する吉田部長の案内で私たちはバスに乗り、海岸林を見て回りました。部長は、OISCAがこれまで取り組んできた活動とその成果について説明してくださいました。
特に印象的だったのは、OISCAが管理する区域と、管理していない区域との境界を見学したときのことでした。管理されていない松林はほとんど手入れがされておらず、葛が繁茂し、マツが枯れてしまっている状態でした。このままでは伐採して植え直すしかない状況です。これに対し、OISCAの区域ではマツが元気に育っており、その違いは一目瞭然でした。
この一日のボランティア活動で、また新たな感動を得ました。UAゼンセンの皆さんの一生懸命取り組む姿に、心を打たれました。また、14年かけて積み重ねてきた皆さんの努力、本当にすごいなと感じました。このプロジェクトは、これからもきっと続いていくと信じています。私もその想いを、次の世代にちゃんとつないでいきたいです。また必ず、名取市に戻ってきたいです。
おまけ
二日目はあいにくの大雨で、作業は中止となりましたが、吉田部長、巽さん、杉本さんと一緒に福島県の高湯温泉まで足を伸ばすことになりました。高湯温泉は、車がなければ行けないような山奥にあり、初めての温泉体験でした。
約2時間のドライブの末にたどり着いた温泉地は、硫黄の匂いが立ち込めており、お湯は真っ白で、まるでそば湯のような濃さでした。山風に吹かれながら温かい湯に浸かることで、前日の疲れが一気に癒されたような気がしました。
その後、福島駅近くで名物の円盤餃子をいただきました。外はパリッと、中はジューシーで、本当に美味しかったです。吉田部長には、こんなにも貴重な体験をさせていただき、心から感謝しています。今回のボランティア活動は、最高の締めくくりとなりました。