本部・啓発普及部の吉田です。
宮城県名取市で進む「海岸林再生プロジェクト」の現場では、1月20日から今年も本数調整伐(間伐)が始まりました。先日、オイスカ公式Facebookや私個人のアカウントでも名取の現場からオイスカ冬募金のお礼をお伝えしました。あらためて心から御礼申し上げます。
伐採4年目の今年の対象は2018年の植栽地約16ha。平均樹高は3mあまり。これが終わると、名取市海岸林100haの伐採1巡目は90%が完了します。再来年から2巡目に入ると見ています。40年かけて5回伐るイメージです。ですからプロジェクトは、まだまだ始まったばかりなのです。
1月25日(土)、オイスカ西日本研修センターからフィリピン出身の職員2人、中部日本研修センターからフィジー出身の職員1人と農業研修生3人(パプアニューギニア、インド、フィリピン)を含むボランティア、総勢31人で、プロの林業家とともに伐採を行いました。日本人参加者の大半はリピーターです。伐採ボランティアも4年目に入るという方も多く、とってもスムーズに0.6ha、約1,000本をノコギリで伐採。今回も無事故で終わりました。
海外出身スタッフのうち、二年前から「名取に来たい」といっていたフィリピン出身職員の2人には、やっと約束を果たせました。フィリピンの農業研修生は、伐採に参加するのは今回で2回目です。帰国後、自分で有機農業をし、野菜をお姉さんが経営するレストランで提供することとともに、「子供の森」計画の拡大に努めることになっています。場所は有名なベンゲット、松が山に生える地域です。
海外には「間伐」は基本的にありません。なぜ伐るの? なぜ最初から少なく植えないの? という疑問にこたえるため、作業前日には座学も含めた研修をしました。現場では伐採だけでなく木の搬出など様々な作業をしました。終始モチベーションも高く、さすがオイスカスタッフ! 例年通り、受け入れ甲斐がありました。いつか、海外研修生全員一緒に作業ができたらと妄想しています。
このほか卒論準備を進める大学生(東京農大)と友人、すでに4年間研究を続けて今年は研究のための落葉量調査サンプルを毎月採りに来ている大学院生(東京都立大)、東北大在学中にボランティア参加を続けた新社会人も参加。また、地元のボランティアさんは、地元野菜をふんだんに使った温かい汁物などをご厚意で用意してくれました。2025年も賑やかな現場となりそうです。
これから2月14日(金)の住友化学&労組、15日(土)の公募ボランティア、3月2日(日)の名取北高校野球部部員と父兄、PTA有志、活動が続きます。労使協働の住友化学さんはオイスカの海外プロジェクト支援に加え、名取でも応援してくれています。2011年の海岸林再生プロジェクト開始以来、ボランティアの先頭にたってくれています。今回は初参加の方が大半と聞いていますので、我々も原点に返ってお迎えしたいと思っています。