2024年10月25日

2024年オイスカ国際理事会・開催レポート 前編

  • 本部スタッフ
  • オイスカインターナショナル事務局長の木附文化です。

    10月9日(水)、2024オイスカ国際理事会が介され、11ヵ国・地域から55名のオイスカ総局の理事や会員が参加しました。その様子を、前後編に分けて紹介します。


    10月9日、東京代々木の国立青少年総合センターにおいて、2024年オイスカ国際理事会が開催されました。11の国・地域より55名の参加者が一堂に会し、新支局承認、2025年−26年の国際理事の選出、承認、各国の活動成果の報告と意見交換が行われました。

    オイスカ国際理事に加え、オブザーバーも参加
    理事会後の記念撮影、次年度の再会を約束しました

    コロナ禍が落ち着き、人の往来が活発化したこともあるでしょうが、暗雲漂う世界の情勢、先の見えない不安・閉塞感に包まれ、オイスカ活動に将来の明るい展望を見出したいと感じた長年のオイスカ会員、支援者が積極的に参加したように見えました。さらに若い世代の参加者が増えたことも今回印象深く感じられました。このオイスカ運動は次世代に引き渡し、いく世代にもわたって続けなければならないという自覚の表れだろうと思われます。マレーシアサバ州からは、オイスカ研修卒業生会のリーダーも参加し、活動報告をいたしました。卒業生が研修の成果を生かし、いかに生計を開発し、社会貢献するか支援をすることが活動の目標であるのことでした。

    各国の国際理事が取り組みを発表しました
    マレーシアサバ州の卒業生代表が活動を紹介しました

    各国の活動は、植林や「子供の森」計画が主ですが、「子供の森」計画は正式に開始したのが1991年、今年で33年になります。一つのプログラムとして息の長い、重要な活動として各国で続けられております。今日では、学校を単位として、子供たちが木を植え、木や森の大切さについて学ぶ環境教育に加え、生物多様性の重要さを学んで、さらにスクールガーデンを実施し、有機野菜を栽培しています。子供たちは先生や父母と一緒に小さな畑で野菜を育てることを学び、種をとって次の年に植えること、苗作り、土を肥やすために堆肥などの有機物をいれ、その違いを経験することなど、実践を通して有意義な勉強をしています。「子供の森」計画は子どもの環境教育として始まりましたが、現在は、コミュニティ成員が参加し、コミュニティの団結、繋がり、生計開発への道筋を提供しているとも言えます。

    オイスカ・インターナショナルの中野悦子総裁は、オイスカ設立当初、インドで農業開発活動に取り組んだ日本人篤農の献身的な働きを、インド人の観察記録をもとに説明し、当時の「産業開発」の意義を強調しました。創立者が示した「産業精神」にふれ、新しい精神的文化的な展望が必要であることを示唆しました。世界では、大量生産・大量消費経済が急速に広がり、深刻な環境問題が発生し、貧富の差は拡大を続けています。多くの人々が、「今日の極端な格差社会は人間社会の本来の姿ではない、なんとかしなければいけない」と感じているのだろうと思います。まだ貧しい経済規模の小さい地域では生産・消費も大きくする経済成長が必要です。オイスカで学んだ研修修了生の技術を活用し、インドで実践したかつての「産業開発」のように「社会に貢献するビジネス」を起こす展望などが議論されました。

    今後のオイスカの取り組みについて活発に議論
    夜、今年7月に逝去した中野利弘前オイスカインターナショナル副総裁を偲ぶ会に国際理事も参加

    後編につづく

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